松本市の福澤みな子さんから、お便りをいただいております。
ありがとうございます。
「2店舗のつばさホール、佐久平のオープンの日が、4月15日と拝見いたしまして。」
その通りです。
「待ち遠しいですね。そして既にご予約されていらっしゃる方もいると伺いました。地域の方に期待され、頼りにされて、先生の益々のご活躍、素晴らしいですね。その時のためにも準備しておくことは必要だと日々感じております。事前に色々と相談に乗っていただけると心強いですよね。つばさホール佐久平が無事オープンの日を迎えられますよう、心よりお祈り申し上げます。」
有り難い。
「くれぐれもお体を大切にして下さい。」ということで。
本当にありがとうございます。
4月15日オープンということで、場所を教えていただけますか?
佐久平駅から徒歩10分ぐらいの場所にありまして。
歩いて行ける距離ですね。
国道141号線沿いの比較的分かりやすい場所にありますので、お越しの際はご連絡いただければご案内いたします。
しかしお葬式の形態も時代と共に変わって、特に現在は端境期というか、激変期と言ってもいいんじゃないですか?
仰るように、本当に変容してきていると思います。ただお葬式が変わったというよりも、やはり家族が変わったと。
それだね。で、今日は「おひとりさまのお葬式」
そうです。
おひとりさまというと、家族がいない人のお葬式?
おひとりさまの定義というと、家族がいなくて生涯孤独という方もいらっしゃいますが、多くの場合は例えば夫婦で暮らしているけれども子供と離れているとか、子供がいない方だとか。様々な理由でおひとりさまになる可能性というのはありますよね。
ありますね。
配偶者との死別や、最近増えている熟年離婚など、様々な要因で1人になる可能性がある中で、最期というのはどう自分でコントロールするのかをご案内したいと思いまして。実際に、現在子供と離れて暮らしているという人の方が主流になっていますよね。
そうだよね、ウチもそうだもんな。
現在は夫婦で暮らしている家庭の方が多くて、サザエさんのような3世代家庭というのは少数派になってきていて。
周りにいるのかな?珍しいよね。
比率にすると10数%ですが。
まだそれだけあるんだ。
しかし10件に1件ですから、減ったと思います。
昔は全部一緒だったもんね。
そうですよね。ああいう家族環境が珍しいということは、介護などは当然外部の力を借りますし、お葬儀となった時に配偶者がいる内は安心ですが、1人になってしまうと、はてさてと。
そうです。
倒れてしまったらとか、色々な不安が付き纏いますよね。本日ご案内するのは、どうしたら自分の最後を設計できるのか?ということで。例外ですが本当に生涯孤独な方というのは、自治体のガイドラインで送っていただけるような仕組みがありまして。
自治体にもあるんですか?
そうなんです。窓口で相談に乗って下さる方もいるし。
ほぉ。
もしもになった時にはこうしましょうという取り決めをして。
なるほど。
そういうガイドラインを持っている自治体もあるんですね。
そっか。
例えば神奈川県横須賀市でいくと、2015年に実はおひとりさま向けのエンディングサポート事業というものに取り組んでいまして。
この神奈川県の横須賀市でいきますと、自治体が本当に1人の方向けに最後のお葬式の手続きや財産管理等も含めてしてくれるという、そういうのを持っている所もあるのですが。
だけども他の所やってるのかねえ?聞いてないよなぁ。
これはかなり珍しい取り組みなんです。神奈川県の横須賀市では始まっていますが、似たような取り組みをしていても、あまり公にされていないことも多いですし。というのも、公費で行うお葬式というのはやはり限界がある訳ですね。
でしょうねえ。これからバンバン増えていくからなぁ。
そうなんです。ちなみに横須賀市の場合も条件がありまして、月収で16万円以下で預貯金では100万円以下の方しか利用できないのですね。
ふーん。
ですから、全員に開かれている訳ではなくて、いわゆるそういう状況でお困りの方向けのもので。
ただ、一方で本当に天涯孤独であったり、生活保護といった様なお悩みがある方は、そういうセーフティーネットの利用はできる環境があると。
うーん。
今日ご説明したいのは、身寄りが実はいるのだけれども頼りづらい、頼りたくないってこともありますよね。
ありますねぇ。
例えば、夫婦で1人になった時に子供が離れて暮らしているなら子供を頼ればいいと思うんですが、例えば子供がいなくて兄弟になると。ただ兄弟も例えば亡くなってしまったりすると、今度は甥姪になりますけれども。
自分が90歳を超えて100歳まで生きたとして、そうしていくと段々身内が減っていってしまいますよね。
そうですよね。
そうするとやはり頼るのは甥姪か、となった時に、あまり迷惑は掛けたくないなと。
相手だってさ、兄弟だったらいい年してるからね。
そういう時にどうやったら自分の力で最後を設計できるのか、ということをご紹介したいと思いまして。
大事なことですね、これは。
実は大きく分けて2つあるのですが。
ほぉほぉ。
重要な転換点が、生きているか亡くなるかという、ここに転換点がありまして。というのが、生きている内というのは例えば判断能力が鈍ってきたりとか、最後を決める時に自分で決められないという時、これは後見人という制度を使いますね。
ただ、後見人という方は例えばご本人の方が亡くなった後、財産には手を付けられなくて、あくまで生きている内のサポートになる。
なるほど。
ですので、亡くなってから先のサポートは、また別の制度を利用するのですが。
後見人ではだめだと。
後見人ではないのですね。今度はどうなるかというと、やはり死後の事はこちらでも何度もご紹介していますが、遺言書になるのですが。
うーん。
特に公正証書遺言になるのですね。これも明確な理由があるのですけれども、自筆証書遺言という自分の手で書いた遺言だと、改変の恐れがないかとか諸々証明するために開け方があったり、つまり死後直後からは使えないのですね。 亡くなった直後から自分の意思通りにするには、あらかじめ公正証書遺言が必要で。
なるほど。
且つ、ここが軸ですが、死後事務委任契約という。
死後事務委任契約?
最近これが非常に注目を集めているのですが、この中では何の委託をするのかというと、亡くなった時の病院への駆けつけとか。
ほぉ。
遺体の引き取りとか。
はいはい。
葬儀もお墓も遺品整理、遺品整理には例えば土地や不動産なんてこともありますし、金融資産株式とか。後は役所の手続き。これは国民健康保険や各種年金とか、様々な契約がありますよね、携帯電話や電気やガスや水道とか。
ありますね。そうそう。
こういうものの解約や費用精算を死亡後にご家族に代わって行うというのが、死後事務委任契約という。
これはどういう人がやってくれるの?
主にこれを仕事として受けているのは、行政書士、司法書士、弁護士といった方で。
ほぉほぉ。
ただ、広く全部フォローできると言えば弁護士や司法書士、要は土地建物ですね、売買が絡むものというのは行政書士は最後のところができなくなってしまうので。ただ、取り扱いをしているのが多いのは行政書士の窓口等で多いのですが。
ふーん。
先程の公正証書遺言の中にこの死後事務委任契約というものを謳って、自分が亡くなった後、住んでいた家はどうしようとか、土地も例えば甥姪さんになったら土地建物で残すというよりも、建物は築年数が過ぎれば解体して売買して、というところまですることもできますし、意思を反映できる訳ですが。こうした契約というのが実に注目を集めていて、そしてこれは非常に専門性が必要なところでして。
そうですよね。
例えば、亡くなってしまうとその瞬間から財産は全部相続財産になるので、甥姪さんが生きていれば甥姪さんのYes/Noがなければ何もできなくなるのですよね。
そういうことだよね。
それを飛び越えて第3者にやってもらうために公正証書を使ったりするのですが、とはいえお金も除けておかないといけないので、預託をするとか、様々駆使しながら最後整えるというものなのですが。
この死後事務委任契約、実は便利なんですが、金額的には結構高いのですよね。
そうでしょう。そうじゃないと、ねえ…。
亡くなった後に財産の中から支払うという方法もありますが…。
普通そうじゃなくて、現金でやらないといけないんでしょう。
先払いというのもありますし、もしくは例えば見守り契約といって、生きている内に安否確認等も頼めるサービスもある訳ですね。
ほぉ。
小さいものなら月700円というものもあれば、高いものだと初期で払って毎月数万円というものもあって。ですので、おひとりさまをフォローする仕組みや制度や様々な商品も出てきていて。
もっと便利におひとりさまが死後も安心できるようなシステム作りって、多分進んでいくでしょう。
重要ですし、ニーズもありますし。
そうです。
後は、例えば生前葬ですね。生きている内に自分の言葉で感謝を伝えたり、いわゆる社会的なお別れを自分の手で行って、実際亡くなった時は本当の最小限に行うような。
そうかそうか。
お葬儀だけでいけばそういう方法があったり、色々な選択肢は取れるようになってきているのですが、色々思い悩む時にはお若い内に方針だけでも決まっていると安心だと思うのですよね。
それはそうだよね。だから社会を広く見ると、そういうおひとりさまが亡くなった時の色々なサービスというものが今出始めていると。
そうですね。
そのことだけでも知っておくと、安心かも知れないね。
先程の話は亡くなった後の世界ですが、例えば医療行為について、生きている内についても、事前指示書といわれる。
ありますよね。
後は尊厳死宣言書という、リビング・ウィルと言いますが、こういった生きている内の意思表示とか、生きている内に他にも様々な心配事ありますが、こういった事も取り決めをあらかじめしておくとか。で、亡くなった後はまた別なんだけども、そこも色々出てきているという、そういう事なんですね。
そういうことです。世の中は変わりつつあります。つばさ公益社はそういうことも多少相談に乗って下さるの?
お受けしていまして、おひとりさまのお葬式ということで、総額9万8千円でお葬式とお骨の委託というところまで含めて総額でお受けしているんですね。
なるほど。私もお願いしようかな。篠原さん長生きして。
頑張りますけども(笑)武田先生はそういう訳にはいかないですよ。
いやいや(笑)
そういう訳で皆さん不安な方多いと思うんだけれども、そういうサービスも徐々に整いつつあるという事だけはしっかり耳に入れて、安心をしていて下さい。いつも不安で暮らしてるんじゃ、人生面白くないもの。
そうですね。楽しく生きることが大事ですね。
はい。という訳で今日もつばさ公益社の篠原憲文さんのお話しでした。