誕生儀礼と逝去儀礼

”誕生儀礼”と”逝去儀礼”はまさに対応しているということを、
お寺のご住職様(浅間山麓普賢禅寺)より教えていただきました。

誕生から百日までの流れの中で、お七夜(命名・産屋明け)があります。
ご逝去されてから7日目は、初七日です。
初宮参りは誕生後30~100日の間に行われます(忌み明け)。
没後35日~49日は、それぞれ五七忌、七七忌(忌明け)があります。

こういった対応が意味しているのは、死は向こうの世界では誕生であり、こちらに産まれる事は、向こうの世界では亡くなる事、なのかも知れません。

枕飯は産飯、産湯は湯灌に対応していると言えます。
三日衣装(袖のある着物)は、湯灌後の死装束。

これは死と生が、深い部分で実質的に同じということを暗示しているようにも思えます。輪廻転生の仏教の教えが浸透している文化的儀礼でしょうか。

生後、百日を過ぎると、百日目の祝い(お食い初め)となります。
死後、百日目は卒哭と言われます。
初節句、初誕生日と成長してゆきます。そこは初彼岸(新盆)、一周忌と対応していて、七五三の祝いは、三回忌、七回忌となっています。
生前という言い方も鑑みると、死後の七五三のように思えます。
七五三にはそれぞれ、三歳=髪置、五歳=袴着、七歳=帯解の意味があるそうです。七五三ひとつとっても深い意味がありそうですが、それはまた別の機会の話にしたいと思います。

一三歳になると安定期と呼ばれます。十三参りが行われます。
故人の方の場合は一三回忌です。そこからは、一七回忌、二十三回忌、三十三回忌と続き、通常五十回忌が大きな節目となります。完全に仏になると考えられていたり、諸説はあるでしょうが、法要はここまでにされる方が多いようです。
偉業を成し遂げた人物の場合は、その後も、百回忌、百五十回忌、二百回忌(生誕二百年祭)と行われることもあります。
故人を念ずることは、供養であり、産まれてきて、尊い人生を生きたことへの祝福でもあります。
一方、赤ちゃんは、順調に育ち、成人式(二十歳)、結婚式と進み、出産となり、命が続いてゆきます。時には厄年もありますが、還暦や古希など、やはり生きて来たことを祝福する祝いはどこまでも続いてゆきます。
喜寿の祝い、米寿の祝い、 白寿の祝い、百歳のお祝い。
いつまでも壮健で、幸せに暮らしてほしいものですね。
(文章: つばさ公益社 梶畑)

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