1.葬儀の日程の決め方
①一般的な葬儀の日程について
基本的に、葬儀は「死後何日後までに執り行わなければならない」と定められたものはありません。
逆に、日本では法律により、「亡くなってから24時間以内は火葬を行ってはならない」と定められています。
「墓地、埋葬等に関する法律」でこのように定められているため、24時間以降であれば法律上はいつ葬儀を執り行っても差し支えない、ということです。
とはいえ、できるだけ早く執り行うのが一般的
火葬場や葬儀場の都合で、葬儀まで時間がかかってしまうこともあります。
もちろん、葬儀社は遺体の腐敗の進行を防ぐために、葬儀までの期間はドライアイスを毎日交換してくれます。
ところが、時間が経てばそれだけ遺体の腐敗が進んでしまうことは避けられません。
そこで、できるだけはやく葬儀を執り行うのが一般的です。
具体的には、亡くなった翌々日に通夜を、その次の日に葬儀を執り行うことが一般的だとされています。
深夜や早朝に亡くなった場合にはその次の日の晩に通夜を執り行うこともあります。
ただし、遠方に住んでいる親族や故人の友人に配慮して、やはり翌々日に通夜を執り行う方が親切だと言えるでしょう。
亡くなった次の日に通夜を執り行う場合は、近隣に住んでいる親族でもスケジュールの調整が困難になることもあるためです。
遠方の親族であれば交通手段の確保が困難な場合もあるので、なおさら配慮が必要です。
②友引と葬儀の日程について
「友引」とは中国が起源とされる「六曜」の1つです。
「六曜」ではもともと「友引」は「共引」と表記されており、「引き分けで勝負がつかない日」という意味を持っており、仏教に関連した用語ではありません。
ところが、日本では、「凶禍が友人に及ぶ」「友を引き連れていく」として、友引の日にはお葬式を避ける風習があります。
近年では暦を気にしない方も多くなっていますが、まだまだ「友引は避けたい」と思う方が多いのも事実です。
ですから、トラブル防止のためにも友引に葬儀を行いたい場合にはあらかじめ親族に相談しておくといいでしょう。
また、もともと「友引」に葬儀を行う習慣がなかったことから、友引を休日にしている火葬場が多いという状況もあります。
ですので、あらかじめ火葬場に確認しておくことが必要になります。
なお、通夜は友引の日でも差し支えないと言われています。
親族で強く拒否する方がいない場合には、通夜は友引の日でもいいでしょう。
③仏滅の葬儀の日程について
「仏滅」は、もとは「物滅」と記されており、「全てがむなしい」といった意味合いでした。
それが、のちに「仏滅」と表記され「仏が滅びる」ほどの凶日とされるようになりました。
凶日と考えられているため、結婚式などのお祝い事には向きません。
ところが、葬儀や通夜は、故人の冥福をお祈りするためのものであり、執り行うには差し支えない、と言われています。
また、仏滅も「六曜」の1つであり、宗教的な意味合いは持ちません。
そのため、仏滅でも葬儀には差し支えない、と言われているのです。
④地域ごとの風習による葬儀の日程について
葬儀は宗派とともにその地域の特徴の影響を色濃く受けます。
例えば、一般的には亡くなった日の翌日に通夜を行い、その次の日に葬儀を執り行います。
一方、地域によっては亡くなった当日に通夜を行うところもあります。
火葬についても、一般的には葬儀・告別式の後に執り行いますが、地域によっては葬儀・告別式の前に火葬を行うこともあります。
長年住んでいる地域であれば経験として知っているかもしれませんが、引っ越してまだ葬儀に参列した経験がない場合にはその地域の風習を分からないことが多いでしょう。
そこで、葬儀社に相談してその地域の風習に沿った葬儀の流れについて教えてもらいましょう。
2.葬儀の日程を決める際の確認事項
①火葬場のスケジュールを確認する
葬儀を執り行う上でもっとも重要になるのが、火葬場の確保です。
先に葬儀の日程を決めてしまっても、火葬場が希望の時間に空いていなければせっかく組んだスケジュールで葬儀を執り行うことができません。
年末年始で火葬場が休みの場合は予約がとりにくいこともあります。
よほどのこだわりがなければ、自分で火葬場に連絡をする必要はありません。
通常は葬儀社に連絡して葬儀を執り行うことになります。
その場合は葬儀社の方で火葬場のスケジュールも確認してくれます。
②僧侶のスケジュールを確認する
そして、僧侶のスケジュールを確認することも重要になります。
僧侶も忙しいですから、いつでも葬儀に来られるわけではありません。
通常、菩提寺がある場合には菩提寺の僧侶に読経の依頼を行わないと、菩提寺にある先祖代々のお墓に入ることはできません。
菩提寺をむげにして他のお寺の僧侶に読経をいただく、あるいは戒名をつけてもらった場合は、菩提寺のお墓に入る際に戒名をつけなおしてもらうことが必要になる場合もあります。
菩提寺が遠方であったり、予定が合わなかったりする場合には、同じ宗派の他のお寺の僧侶を紹介してもらう方法もあります。
また、近年では実家が遠方であり、都心で新しくお墓を購入することもあります。
このように都心に菩提寺がない場合にも、葬儀社に相談すれば同じ宗派のお寺を紹介してもらうこともできます。
ただし、先祖代々のお墓に入らないことについて親族がよく思わない可能性もあります。
新たにお墓を購入する場合には、親族の理解を得られるように事前に相談しておくことが大切です。
③親族のスケジュールを確認する
優先になるのは火葬場および僧侶のスケジュールですが、やはり親族には参列してほしいものでしょう。
もちろん、身内の不幸であれば忌引きで仕事を休むことができます。
しかし、親族が遠方に住んでいる場合には交通手段の確保が困難になる場合があります。
ですから、葬儀の日程が決まったら早めに連絡するようにしましょう。
火葬場や僧侶のスケジュールの影響で、葬儀までに時間がかかってしまう場合にも、親族は心配してくれていますから、予定がはっきりとした時点で報告しましょう。
3.初七日、四十九日など法要について
①初七日について
初七日とは、故人が亡くなってから七日後に行う法要のことをいいます。
亡くなった日を含めて数えて七日後が初七日の法要となります。
初七日法要は、故人がきちんとあの世にいけるようにお祈りをする、大切な法要のひとつです。
一般的な日程で亡くなった翌々日に通夜、その次の日に葬儀となった場合には3日後が初七日法要となります。
さらに火葬場や僧侶のスケジュールによっては葬儀が終わった翌日が初七日法要となってしまう場合もあります。
火葬場が混んでいる場合には葬儀自体が七日以降になってしまうことさえあり得ます。
このように初七日法要は葬儀からの時間が短いこともあり、最近では遠方からの参列者に配慮して葬儀の際に一緒に行うことも多くなっています。
葬儀の際に一緒に初七日法要を執り行う場合は「繰り上げ法要」というものと「繰り込み法要」という二種類の形式があります。
「繰り上げ法要」では葬儀から火葬までの流れを終えた後に初七日と精進落としを執り行います。
もう一方の「繰り込み法要」では葬儀の後に初七日法要を執り行い、その後出棺・火葬・精進落とし、という流れになります。
どちらを選択するかは遺族の自由ですが、遠方からの参列者が多い場合、火葬には参列せずに葬儀終了後に帰宅することも多くあります。
また、火葬場と葬儀場が併設でない場合には移動時間にも配慮する必要があります。
そこで、遠方からの参列者が多い場合には「繰り込み法要」のほうが参列者への負担は軽減できます。
②四十九日について
初七日の次に親族が集まって執り行う法要が四十九日となります。
仏教では四十九日までは故人の魂はこの世にとどまっている、と考えられています。
死者はあの世で生前の行いについて裁きを受け、その裁きが終わるのが四十九日とされています。
四十九日を迎えることで故人の魂はあの世に向かうことができるため、忌明けの日とも言われます。
四十九日の法要は必ずしも四十九日ぴったりに執り行う必要はありません。
参加してほしい親族や縁の深かった方が参加しやすい土日に設定してかまいません。
ただし、四十九日の法要は49日より後に執り行うのではなく、その前の週末などに執り行うことが理想的とされています。
そこで、参列者の人数が決まったところで会場を探しましょう。
当然、こちらでも僧侶に読経してもらうことになるため、まずは僧侶のスケジュールを確認したうえで日程を決めるようにしましょう。
なお、浄土真宗では阿弥陀如来の計らいで亡くなってすぐに極楽浄土に行けるとされています。
そのため、法要として初七日や四十九日を行うというよりも、遺族が故人を偲ぶ場として執り行われることになっています。
4.仏式以外のお葬式と法要の日程とは
①神道の場合
神道の場合の葬儀は「神葬式」や「神葬祭」と呼ばれます。
神道では死を「穢れ」と捉えるため、葬儀は自宅やセレモニーホールなどで行うのが一般的で、神社で葬儀は執り行いません。
なお、神道の葬儀は、仏式の多くの葬儀同様、2日間かけて行います。
しかし、神道では数珠は使用せず、「神棚封じ(かみだなふうじ)」や「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」といった独自の儀式を行うのが特徴です。
もともと神道の儀式には厳密なルールは設けられていません。
人々の生活に根差す中で、行われていた祭典が日々変化して現在に至っています。
そのため、地域によって作法が異なることが多いのが神道です。
葬儀社に相談してひとつひとつ準備を進めていくといいでしょう。
なお、仏式の法要にあたる儀式として、神道では「霊祭(れいさい)」や「式年祭(しきねんさい)」というものがあります。
「霊祭」は翌日祭や十日祭、二十日祭など、故人の死後100日目までに行う儀式を指します。
そして「式年祭」は一年祭、三年祭など1年目の命日以降に行う儀式です。
仏教でいう仏壇のことを神道では祖霊舎(それいしゃ)と呼び、霊璽(れいじ)を祀ります。
②キリスト教について
キリスト教では一般的に葬儀は教会で執り行われます。
そして、キリスト教の中でもカトリックは葬儀と告別式を分けて行い、プロテスタントでは同時に行います。
また、通常キリスト教では通夜は行いません。
ところが、日本では通夜の習慣が根付いているため、カトリックでは「通夜の祈り」、プロテスタントでは「前夜祭」として通夜に該当する儀式を行うようになっています。
葬儀後に執り行う儀式として、カトリックでは「追悼ミサ」、プロテスタントでは「追悼集会」を執り行います。
「追悼ミサ」では故人が亡くなってから、3日目、7日目、30日目に教会で執り行われることが一般的です。
また「記念集会」は、故人が亡くなってから、7日目、10日目、30日目に教会や自宅で執り行われることが一般的です。
しかし、キリスト教の場合も内容は宗派や地域によって異なりますので、葬儀社やいつも通っていた教会に相談するといいでしょう。
5.まとめ
今回は、葬儀の日程はどのように決めるべきかについてご紹介しました。
- 死後24時間以降であればいつ葬儀を執り行ってもかまわない
- 一般的には死亡の翌々日に通夜、その次の日に葬儀を執り行う
- 宗教的には「友引」や「仏滅」に葬儀を執り行うことは差し支えない
- 「友引」は「友を引き連れていく」という印象が強く、避けるのが無難
- 火葬場、僧侶のスケジュールに合わせて葬儀の日程を決め、参列者に連絡する
- 「初七日」は死亡した日から7の日目になることから、葬儀とともに執り行われることが多い
- 「四十九日の法要」は49日ぴったりに執り行う必要はないため、前倒しにして行うことも
- 神道の場合の葬儀は「神葬式」や「神葬祭」と呼ばれ、葬儀は自宅やセレモニーホールなどで行う
- カトリックは葬儀と告別式を分けて行い、プロテスタントでは同時に行う
- 通常キリスト教では通夜は行わないが、日本では通夜の習慣が根付いているため、カトリックでは「通夜の祈り」、プロテスタントでは「前夜祭」として通夜に該当する儀式を行う
以上のように大きな特徴をご紹介しましたが、どの宗派でも地域の特性を受けることが多くあります。
深い悲しみの中にある状況での葬儀の準備となりますので、詳細は葬儀社に確認しながら進めていきましょう。
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