2023.04.15 「老後と時間」

おくりびとからのメッセージ

武田
武田

篠原さん、桜を見る暇はありましたか?

篠原
篠原

来週でいいかなぁなんて思っていたら、あっという間に・・・(笑)

武田
武田

もう遅すぎるよ(笑)あと見られるといったら山桜だね。

篠原
篠原

そうですね、標高高い所に行かないと咲いていないですよね。

武田
武田

お忙しいねぇ。

さて、横山タカ子さんの講演会が4月28日に行われるそうで、もう満員らしいですね。「趣味暮らし」というタイトルでお話されますね。

篠原
篠原

当日ご参加される方、お会いできるのを楽しみにしています。お待ちしております。

武田
武田

上田にある「つばさホール上田神畑店」という会場で行うそうです。駐車場も広いですね。

篠原
篠原

元々パチンコ店だったので、とても広い会場です。

武田
武田

さて、今日はどのようなお話になりますかね?

篠原
篠原

「老後と時間」というテーマで一緒にお話しできたらと思っています。武田先生は、老後という言葉を聞いて何歳を思い浮かべますか?

武田
武田

昔はね、還暦で老後と言われていたけど・・・やっぱり70歳くらいかなぁ。

篠原
篠原

なるほど。世間一般の方にアンケートした結果、男性に聞くと65歳からと答えた方が多く、女性は70歳からと答えた方が多かったということで・・・武田先生の体感値はバッチリ合っているということですね(笑)

武田
武田

ほぉ~。

篠原
篠原

かつては還暦を過ぎた頃が老後とされていましたが、実は改めて計算してみると老後の時間というのは現役世代の仕事をしていた時間よりも長いというのがありまして。

武田
武田

確かにそうだよ。

篠原
篠原

例えば20歳から定年の65歳までの45年間、毎日8時間労働をしたとして、65歳から85歳まで生きたとしてその20年間、一日自由に使える時間が14時間だったとすると、圧倒的に定年後の時間の方が長いんですよね。

武田
武田

自由な時間が長いんだね。面白い計算だね(笑)

篠原
篠原

なので、今まさにその年代の方に、時間をどう感じているのか伺ってみたいところではあるのですが・・・。

武田
武田

相当長い時間がフリーだってことだよね。何かやろうと思えば相当できるってことだわ。

篠原
篠原

何かに取り組むにはいい時間があるという。その中で、武田先生はどう時間を使っているのかという話は、指針になると思うんですよね。趣味もたくさんあるし、仕事もされている。そういう時間感覚で過ごしていると、老後はもっと後に感じますよね。

武田
武田

一日がすごく早く過ぎる感じがするね。

私はハーモニカやってて毎週放送で演奏してますが、毎週曲が変わるわけだから、多少練習するんだわ。あとドラムもやっているし・・・ああいう楽器というものは一か月やらないとどうしようもないからね。週に一回は必ずやらないと、どんどんテクニックが落ちていきますね。

篠原
篠原

なるほど。やることが沢山あるという。

武田
武田

番組の準備も多少あるじゃない?

篠原
篠原

三時間番組ですから、もちろんそうですよね。

武田
武田

忙しくはないけど、暇な時間というものはないねぇ。

篠原
篠原

でも、それってとても幸せな事なんじゃないですか?

武田
武田

そうですよね。やっていることが嫌いじゃないからさ。好きにしゃべってお金もらえてるって幸せですよ。

篠原
篠原

最高ですよ。それが社会から必要とされていて仕事にもなっているというのが一番ですよね。

そんな中で、ローマ帝国時代の哲学者でセネカという人がいまして。

武田
武田

知らないねぇ。

篠原
篠原

この方は紀元前一年の生まれなので、2024年前の人になりますが、そんなころにセネカさんは「人生の短さについて」という本を書かれていたり、根源的な人間の怒り、幸福な人生、余暇の過ごし方についての本などもたくさん書かれています。

その中で、老後の時間をよりよくするために「人生の短さについて」で語っていたのが、みんなが一番最初に意識しなければいけないことは、人生とは時間であるということ。これを再確認して、且つこの時間が限られているんだということを理解するところから始めようというんですね。

武田
武田

なるほど。

篠原
篠原

そして、より有意に過ごすために大事なのが、無気力を避けるということで。

武田
武田

そこですね。

篠原
篠原

結構難しいことですよね。昨日まで元気に健康で、にぎやかに楽しくしていたんだけど、今日はどういうわけか心がぽっかりとやる気が起きないなぁみたいな。こういうものは日常生活や食生活や睡眠時間や運動、きっと色々なことに影響を及ぼすと思いますが・・・。

武田
武田

そうでしょうねぇ。気力がないんだから。

篠原
篠原

風が吹かないと右にも左にも行けない船のようですよね。

武田
武田

そのまま漂ってるって感じだね。

篠原
篠原

やはり充実した時間を送るためには、いかに気力を安定して保つかが大事ですね。なので規則正しい生活、寝る時間を一定にするのが大事なんですよね。

武田
武田

セネカさんは2000年も前からそんなことを言っていたんですか!今も言われているようなことを!(笑)

篠原
篠原

実は人の悩みって昔から変わらないんですよね(笑)

セネカさんは他にも大事だということを書いていて、歳をとったときに、過去にこだわるのはやめようと。

武田
武田

そうなんですよ。

篠原
篠原

ぼ~っとする時間があると、過去の記憶を思い出してしまうんですよね。例えば、「明日から何しよう」と思っている時というのはどちらかというと希望にあふれていて、あれもしなきゃこれもしなきゃと考えたりしますよね。

これが過去の記憶を思い出すと、「あのときこういうことしちゃったよなぁ」とか、後悔したことを思い出してしまうという。なので、過去に捉われて未来を制限してしまうんですよね。

武田
武田

ええ、確かにあります。

篠原
篠原

こういったことはやめようという。そして、なるべく一人一人が自立した人生を送ることが出来るようにしようという。自分の人生の主導権を自分が握ることが大事だと。

武田
武田

大事なことです。独立自尊ですよ。

篠原
篠原

自分自身の自信、日々の行動の厳選が、自分の人生を自分がコントロールしているなぁという感覚にあるかもしれなくて。

武田
武田

ほお。

篠原
篠原

そして、今この瞬間を何よりも大事にしようということで。

武田
武田

今が人生で一番若い時ですからね(笑)

篠原
篠原

そういうことですよね。

今のは2000年前の本の話でしたけど、去年発売されたオリバー・バークマンという人が書いた「限りある時間の使い方」という本では、先程のお話同様、人生には今しか存在しないということが書かれていて、目の前のことをとにかく楽しもうという。何故ならば、人生には特に意味も使命も存在しないからやりたいことは今やろうと著書の中で仰っていて。

やはり2000年前から現代にかけて、今に集中して今も楽しむというのは、実はすごく難しいんだと思いました。

武田
武田

難しいから著書になるんだろうねぇ。

篠原
篠原

不変の悩みなんでしょうね。

最近の本の中で、二つのことを手放すと気持ちが楽になると語っているものがありまして。

武田
武田

何ですか、それは。

篠原
篠原

ひとつは「目標達成マインド」

武田
武田

これを手放すといいんだね。大胆な発想ですね。

篠原
篠原

目標を持つのは大事ですが、目標を立てるというのは逆の言い方をすると、途上にあるというのは常に満たされない、足りなさを感じてしまうことで。

武田
武田

なるほどね。

篠原
篠原

そういう意味で、目標達成マインドを手放すと楽になれるということでした。

武田
武田

もうひとつは?

篠原
篠原

「生産性マインド」を手放そうというものでして。効率的に生きているかとか、自分が時間を有意義に使えているかと考えてしまうと、誰も自分のことを見ているわけではないのに不安になるという。

武田
武田

あ~。

篠原
篠原

このふたつから解放されるといいのではないかということですね。

武田
武田

なるほど。

今、小諸市の方からお便りいただきました。「篠原さん、毎回勉強になる人生の内容をありがとうございます。先日みつわさんの施設に伺いまして、とても整い親近感のある流れでしたよ。お世話になりました。」と。ありがたいですね。

人生は今です。今を大事にしましょうと。

篠原
篠原

そうですね。目的の達成ばかりではなくて、その途中を楽しもうという話があって、山登りでもずっと山頂を目指していくより、途中の景色を楽しみながら行こうという。

武田
武田

そうですよ。プロセスだよ。旅だって目標だけじゃなくて、行くプロセスが旅そのものなんだよね。実を言うとね。

篠原
篠原

そうですよね。

武田
武田

ありがとうございました。

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