家族が亡くなった後、遺品の整理をする作業があります。
故人の死因によっては遺族もある程度覚悟をし、少しずつ片付けている場合があるかもしれません。
しかし高齢で亡くなった親の場合、長い歴史の中でいろいろなものが遺されていることもあり、いつまでも整理がつかない遺族もいるのではないでしょうか。
親の遺品を整理する
高齢の親が亡くなると、80年、90年といった親の歴史を感じるものが、たくさん遺されます。
葬儀、四十九日、納骨とあわただしい日々が終わると、そのあとに残されているのが、遺品整理と相続です。
現金だけならいいですが、場合によっては家や車、土地など、相続に手間がかかったり税金がかかるものもあり、なにかと大変なことがあります。
とくに農家やお店、工場など、親の職業によっては自分が受け継ぐ意志がないものを遺されると、あとの整理が大変になるようです。
2023年までは土地の名義変更について、相続発生のときに名義を変更する期限がありません。
そのため、すでに亡くなって何十年もたった曾祖父の名義の名前になっている、といった農地や山林が遺っていたりします。
しかし2024年に法律が変更され、「相続による所有者移転登記」は亡くなってから3年以内に名義変更をすることになります。
こういった面倒を避けるために、生前に名義変更をしたり生前贈与を考える人も増えているようです。
また、父親が亡くなり母親が存命でも、父親の土地や家などの財産の名義を子にすべて相続させてしまう、ということもあります。
そこで名義変更などが必要ない、家の中にある遺品の整理をまずは行いましょう。
本や衣服、調理器具、消耗品などは早めに廃棄することもできますので、こちらから手を付けることがおすすめです。
相続税がかかるものとかからないもの
遺産として受け継ぐときに、固定資産など財産として相続税がかかるものがあります。
代表的なものは家、土地、車です。
このほかにも株式は相続税が発生します。
また、あまり知られていませんが旧電電公社(現NTT)で契約した固定電話は財産となります。
電話の名義は相続ができるため、携帯電話でやり取りをしている遺族は受けつぐことが可能です。
すぐには不要でも受け継いでおけば、必要となったときに再活用できるので、相談をしてみましょう。
他にも貴金属や金、高額なブランド品、絵画など金額によっては相続税が発生するものがあるかもしれません。
鑑定が必要なものはほとんどが相続税がかかるので、覚えておくと良いでしょう。もし自身の持ち物にこういった品物があれば、早めに鑑定をしてもらい証書などをもらっておくと遺された人も助かります。
ゴミのになるものならないもの
亡くなった人の趣味や持ち物によって、ゴミとして廃棄していいものとリサイクルショップにもっていった方がいいものに分けることができます。
ゴルフやテニス、スキー用品などあまり古くないものなら、リサイクルショップで引き取ってもらうことが可能です。
破損個所によっては無価値になってしまいますが、状態がいいものであまり古くなければ、買い取りをしてもらえるかもしれません。
本好きの故人なら、本を二つに分けましょう。
本の裏にバーコードが付いているものは、古本として売却することができます。
しかしそうでないものは古いため、ほとんど処分となります。
まずはバーコードを確認してください。
このときは紙ごみとしてリサイクルゴミに出しましょう。
紙ごみの大半は、リサイクルゴミとして自治体が集めています。
燃えるゴミで処分をしないよう注意してください。
古書として価値があるものは、神田の古書店街などにもっていったり、地元の図書館などに相談をしてみてください。
衣類は古着として引き取ってもらえるショップもあります。
また自治体によっては、古着をリサイクルゴミとして引き取るところもあるようです。
和服については、買い取りのお店があります。
着物の銘や作者の印、証紙などがあるとわずかながら引き取り額が上がりますが、どれほど良い着物でも何もないと、数百円程度です。
そこでブランド衣服や呉服は、メルカリなど個人売買ショップの方が高額の取引ができる場合もあります。
早めに処分をしてしまいたい、あまりにも古くて個人売買にも無理という場合を除いては、こういった方法での売却をしてみましょう。
家具や家電は処分をするときに、逆にお金を支払うことになります。
そこで家がそのままきれいに残っているなら、空き家バンクなどに登録してみてはいかがでしょう。
若い世代には家具や家電を新たに購入するよりも、こういったものが付いている家をそのまま購入する、借りるという欧米的な考えも始まっています。
何もかも新商品でなければ、といった古い日本人の考え方も、SDGsを学んだ世代の若者には受け入れられなくなっています。
USEDのものが受け入れられる場合もありますので、わからない場合はこういったネットショップを見て判断してみるのもおすすめです。
それでもゴミと判断したものは、しっかりと分別して廃棄しましょう。
人形供養
人形はそのまま捨てることに抵抗がないという人から、やはりしっかりと供養したいという人まで様々です。
お雛様や五月人形は、こういった人形店が常時人形供養のための引き取りを行っています。
お店によって様々ですが、段ボール一箱分で3,000円など、目安が決められているところがほとんどです。
孫に新しく購入した、というタイミングで古い物を処分すると、スムーズにお願いすることができます。
自分の子どもに購入したひな人形や、自分のひな人形がある場合、孫のために新たに購入するならこのタイミングでの処分がおすすめです。
親が亡くなってから日本人形やぬいぐるみ、こけしなどを処分する場合は、各地方に残されている寺社がおこなっている「人形供養」を利用してはいかがでしょう。
寺社が年に一回などの割合で決まった日に行う人形供養なら、一回3,000円くらいからのお布施で量に関係なく供養としてお願いすることができます。
その後人形供養に参加することもできるため、ただお願いするよりも安心して供養することができます。
人形は馬鹿にできる遺品ではありません。
昔から人の身代わりになったり、人の想いが込められたり、魂が宿るといった伝聞もあります。
しっかりと供養してあげることが一番です。
ゴミの分別は自治体によって違う
最終的にゴミと判断したものは廃棄します。
実家がすでに自治会などから抜けている場合は、遺族の地域でゴミを出したほうがいいこともあります。
実家の自治体でゴミが出せる時は、近隣の人に分別方法や日時を確認しましょう。
ゴミの分別は自治体によって違います。
また、回収をしてくれる日も異なりますので、一度にすべてのゴミをゴミ置き場に出されてしまったら、近隣の人に迷惑がかかります。
分別の仕方や回収日、それが難しい場合はどうしたらいいかなど、役所などに相談をしてゴミをしっかりと廃棄してから家の処分を考えましょう。
まとめ
人が亡くなると、亡くなった時だけが大変なのではありません。
その後の方が大変なことが次々と起こります。
そこである程度の年齢になったら、もしものことを考えて早めに断捨離をしておくのが一番です。
それでも残ったものは、財産として相続できるものとそうでないものを、しっかりと分けて家族に伝えられたらいいですね。
ゴミ屋敷になったら悲しいです。
わからないことや、ゴミの分別が遺族に無理な場合は、処分をしてくれる業者を葬儀会社や自治体でも紹介してもらえることがあります。
相談をしてみましょう。