DIY葬儀~注意すべきことと用意すること

現代の葬儀のほとんどは、葬儀会社など専門のスタッフが葬儀の準備や必要なものの手配、中には僧侶への連絡もやってもらうことができる、社会で行う葬儀です。

その分お金もかかり、家庭による手作り感はなくなりました。

しかし、その分施主や喪主は、棺を持つこともなく会場で葬儀会社の人に教えてもらう通りに行動をすれば、あまり困ることはありません。

そんな世の中で、お金をかけずにDIY葬を希望するとしたら、一体どんなことになるでしょうか。

DIY葬は1人ではできない

どれほどお金をかけずに葬儀をやろうと思っても、一人ですべてを行うことはできません。

まずは亡くなった場所が家の中で会った場合、必ず医師と警察の両方の確認が必要になります。
病院で亡くなると、医師がその場で死亡宣告をし、死亡診断書などを用意してくれます。
しかし家庭で亡くなった場合、それが自然死や病死でも、医師の判断なしで死亡と決めつけることはできないのです。

さらに病院以外、たとえば自宅で亡くなると、医師だけでなく警察の確認も必要となります。
日本の検死は欧米と比較するとあまり事件性を疑うことはありませんが、海外の場合は例え家の中での事故死や自死であっても、必ず遺体解剖などの手順があります。

そのため、日本では実際には事件性がある死亡なのに見過ごされていることが、とても多いのだそうです。

こういったこともあるのか、病院以外で亡くなった場合は、たとえ救急搬送の段階で亡くなっても、一応警察の調書が入ります。

次に病院で亡くなった場合、自宅などに搬送する必要があります。
しかし搬送する際、ドラマや少女漫画のように「お姫様抱っこ」で遺体を運ぶことはできません。

遺体はできるだけ体液などが外に出ないようなエンゼルケアなどを施してもらい、その後遺体袋などに入れて、車などで自宅に搬送することになります。

その時にも、死亡証明書などを持っていないと、勝手に遺体を移動させたということで、罰せられることになるかもしれません。
注意しましょう。

遺体の搬送許可書がありますので、そういったものもしっかりと受け取っておきましょう。

小さな子どもの場合は可能かもしれませんが、いくらやせ細った高齢者や病人であった人でも、それなりの重さがあります。
そこで。できれば搬送用の担架などを用意し、二人以上で車に乗せて自宅に搬送することになるでしょう。

自宅に戻った後も、布団を敷きその上に寝かせて、供物の準備をすることになります。
菩提寺などがあれば、僧侶と火葬場の両方の日程を確認して、通夜や告別式の日を決めます。

ただ、DIY葬になると僧侶のほうから断ることがあるため、その場合は直葬などになるかもしれません。
どちらにしても、火葬は法律で義務となっているため、自治体の火葬場の予約が必要です。

もし、代々のお墓などがあれば、四十九日後に墓地に納骨することになります。
そのときにも、素人が墓地の石を移動させて、中に納骨することはかなり難しいことでしょう。
どうしても、納骨のための石屋さんをお願いすることになってしまいます。

こういったことからも、DIY葬をすべて一人でこなすことは難しく、どうしても周囲の理解と協力が必要です。
できるだけ決まった葬儀ではなく、手作り感のある葬儀をしたいと自分が望むなら、あらかじめ自分でできることをDIYして、葬儀会社と相談しておくのもいいかもしれません。

家族や親族の理解と協力

一人ではできないDIY葬を行うには、絶対に必要なことが家族や親族の理解です。
とくに本人が生前にそれを強く望み、エンディングノートなどに残し、さらに必要なものを用意してあれば、親族や遺族もそれに従うことができます。

しかし、亡くなった故人はそれを望んでいなかったが、あまり余分なお金を残していなかった、という場合は家族はともかく、親族の理解は難しいかもしれません。

とくに、亡くなった親がこういった冠婚葬祭にお金をかける地域出身だったりすると、お金が足りない場合は施主にあたる子どもが負担すべき、と考えることでしょう。

この場合はあまり普段から交流のない親族や、すでに高齢になっている親の兄弟姉妹には「家族葬にする」旨を伝え、立ち入ってもらわない形式を選ぶのも一つかもしれません。
しかし家族葬にすると、それなりのデメリットもありますので注意してください。

さらに、代々続く墓地や親がすでにお寺の中で墓地を購入している場合は、そのお寺の檀家になっている場合がいあるため、DIY葬にするためには僧侶との話合いも必要です。

僧侶によっては、一般の葬儀か家族葬という形で、戒名などが必要になる葬儀以外は受け付けてもらえない場合もあります。

もし自分がDIY葬をお願いしたいと思っているなら、お寺とは無関係な公営墓地や霊園などを用意しておくのがおすすめです。

火葬や埋葬の注意

令和の現時点では、日本国内で人が亡くなった場合は、火葬にして埋葬ということになっています。
外国籍の人は宗教的な意味もあるため、母国に戻って葬儀をあげ、そちらの墓地に埋葬されることがあるかもしれません。

しかし日本では、土葬はすでに禁止されているため、火葬にすることが義務付けられています。
火葬が義務付けられていることも、アメリカなどではありえる、遺体を発掘して再度検死を行う、ということが日本では不可能になっている理由です。

とはいうものの、国土が狭い日本では遺体をそのまま埋葬するだけの土地がない、という問題もあるため、仕方がないことかもしれません。

では必ず納骨をしなければいけないか、と言うと実は絶対ではないのです。
実際に墓地を持っていない家族がなくなったため、遺灰を骨壺のまま家の中に置いてある、という家庭もあるようです。

また、墓地の中にはお寺や霊園にあるような地面の上に墓石を建てる、というものばかりではなく、都内ではビルの一室に入ったロッカーのようなお墓もあります。

さらにお墓を持つと維持費が大変だから、という理由で海洋散骨を望む人がいます。
しかし、日本での散骨は遺灰の一部で、すべてを海洋散骨することは難しいようです。

わざわざ海洋散骨をしても墓地に遺骨を納めることになるなら、普通に墓地を持っても同じではないでしょうか。

いずれにしても、遺体をそのまま放置することはできませんので、DIY葬で絶対に行わなければならないのは火葬になります。
そして、そのために用意するのが遺灰を入れる骨壺や骨壺用の箱、風呂敷ということです。

僧侶との話し合い

新しく檀家になったばかりでいきなりDIY葬にしたい、といっても周囲はもちろん菩提寺の僧侶への理解は難しいかもしれません。

しかし代々のお墓があるお寺なら、昔ながらの葬儀をしたいという意味で説明すれば必ずしも不可能ではないでしょう。
葬儀会社へのお金は節約できますが、お布施と戒名代はかかってしまいますね。

実際に、今でもお寺で葬儀を行っているところもあります。
葬儀会場はお寺か自宅で、僧侶へのお布施や戒名などは、今までの先祖と同じように行ってもらうという方法です。

通夜のときや葬儀、葬儀後に火葬場へ搬送するときはどうするか、というと、搬送だけを請け負っている会社もあります。
こういった会社は葬儀会社というより、タクシーと同じ仕事を葬儀専門で行ってくれる会社です。

葬儀専門のタクシー会社にお願いすれば、仏衣や棺の用意もあり、あとは僧侶との話し合いでDIY葬も可能になってくるかもしれません。

DIY葬を行いたいと考えたら、まずは自分の主旨をしっかりと言葉で説明できるようにしておきましょう。
そしてこういった会社への問い合わせや話合いなども行い、どんな段取りで葬儀をするのかをしっかり決めておくのが大切です。

考えや準備がしっかりとできたうえで、僧侶に理解していただくことができれば、DIY葬を仏教で行うことが可能かもしれません。

まとめ

DIY葬儀を行いたい、と考えたときにただ「お金がもったいない」というだけで何も準備をしていなければ、むしろ無駄なお金がかかってしまうことでしょう。

自分の葬儀をDIY葬で、親の葬儀をDIY葬にしよう、という気持ちがあるなら、主旨や準備など前もって考えることが大切です。

今は色々な人が、無駄のない生活に向かって支える便利なグッズや方法が作られています。
まだ葬儀会社に丸投げで葬儀を行う人が多い時代です。

しかし、徐々に自分ができることを準備したり、自分の個性を生かす葬儀にしたりと、多様性の時代に向かっていくのかもしれません。

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