2020.08.15 おくりびとからのメッセージ「終活の意味について」

武田徹のつれづれ散歩道「おくりびとからのメッセージ」

武田
武田

ちょうどお盆ですね、篠原さん。

篠原
篠原

そうですね。しかし例年のお盆とは様相が変わってきていまして、ニュースではオンラインによる法事ということで、例年であれば檀家の方や今年の新盆の方たちが集まって法要するところを、遠隔からの参加という形でネットから行っているようですね。

武田
武田

やっぱり変わってくるねぇ、世の中は。

篠原
篠原

変化のスピードの速さも感じますよね。

武田
武田

本当にそうですよね。

篠原
篠原

お盆の前に、お寺のオンライン化もニュースになりましたし、あとはお墓のオンライン化といいますか、実家に帰省できない方向けに宗教法人や霊園管理の方が手入れをして、遠隔でお参りができるようにすることが行われていますね。

武田
武田

それから、お墓の掃除に行かれない方、タクシー会社が委託を受けて実際にお墓に行って綺麗にしてお花を添えてくるという。しかも写真やオンラインでその状況を依頼人にお見せするというサービスもあるみたいだね?

篠原
篠原

なんというか、時代に合ったサービスですよね。体験したことのないコロナ禍でみんな手探りの中ですけど、この比対面、非接触の弔いというものが徐々に始まってきていますよね。

武田
武田

特に、このコロナ禍で一気にそういうものが進んだという感じがあるよね。

篠原
篠原

そうですね。以前はオンラインでの供養というのがやはりイロモノのような…不謹慎さを感じさせるものでしたけど。

武田
武田

確かに、そういうのありましたよね。

篠原
篠原

今の環境下ではそういうものが自然と受け止められて、そういうのも必要かもしれないね、というような大きな環境の変化が起きていますね。

武田
武田

まあ、世界的にこういった病気が蔓延すると世界の様相が一変するということを今我々はその端境期というか、現に目撃しつつ生きているという感じがするよね。

篠原
篠原

本当ですよね。歴史の教科書に載るような、転換点にいると感じます。今日はお盆ということで、帰省されている方、できなかった方、様々な思いで過ごされていると思います。この中で、終活のお話をしたいと思っていたのですが、昨晩ニュースで渡哲也さんが。

武田
武田

亡くなられましたね。

篠原
篠原

少し気になって調べてきたのですが、渡さんはご自身の意志で、自分のお葬式が終わるまでは知らせてくれるなと奥様に言っていたようで、10日に亡くなったのですが、お葬式が終わった頃の14日に公表したそうですね。

武田
武田

しかも、お別れ会のようなことはしないということらしいね?

篠原
篠原

葬儀、お別れ会、社葬も行わないというのがご本人の意思だったようですね。どうも、話の経緯からすれば9日に緊急入院をされて、1日という短い中で旅立たれたようです。

武田
武田

肺炎ということだよね。巷に広がっている話ではね。

篠原
篠原

ある程度ご本人が認識されていた中で、おそらく準備もされていた中での旅立ちだったんだろうなぁというのが感じられまして…。と、いいますのも、今年に入ってニュースになった石原プロダクションの解散。

武田
武田

はいはい。

篠原
篠原

本来だと、石原裕次郎さんがお亡くなりになった時に石原プロは解散するという話だったそうですが、それ以降続けてこれたのは、奥様をお守りするためだと言われていまして。

武田
武田

なるほどねぇ。

篠原
篠原

奥様のまき子さんの生計を立てていくために、石原プロダクションを引き継いでやってこられたようですが、実はここに昨年変化があったと。

武田
武田

うん。

篠原
篠原

2019年に石原裕次郎さんの33回忌を総持寺というお寺で行ったようですが、この33回忌の席でまき子さんが、これで石原裕次郎さんの弔いについては弔い上げにすると仰ったようで、例年とは法要の形も違ったのが昨年だったようです。

武田
武田

ふーん。

篠原
篠原

そういった中で、今回渡さんが亡くなったという発表がありまして、石原プロダクションは来年1月16日が解散の日ということですが、最期に道筋を整えて、自分自身の旅立ちについても奥様にお伝えして、おそらくご自身の死後の家族のライフデザインといいますか、相続関係もある程度整えられてお旅立ちになったんだろうなぁと推察しましたね。

武田
武田

しっかり計画をお立てになって、立派と言えば立派ですよね。

篠原
篠原

そうですね。おそらく、渡さんは2017年に弟の渡瀬さんを亡くしまして。

武田
武田

亡くなられましたな。

篠原
篠原

72歳で先に弟さんがお旅立ちになられていて、ご本人は2015年から癌の関係で闘病していらっしゃったり、心筋梗塞の手術をしていらっしゃったりという中だったので、おそらく色々お考えになった中での最期だったんだろうなぁと思いますね。

武田
武田

そういうことですね。でも、これだけしっかりと道筋をつけて亡くなる例っていうのは珍しいんじゃないかなぁ?

篠原
篠原

そうですね。難しく、珍しいことだと思いますね。ただ、これからの時代に関して言えば、所謂シニアの方たちで「アクティブシニア」といいますか、渡さんも78歳に見えないくらいお若い印象がありましたが、今、お若い70~80歳の方って多いんですよね。

武田
武田

そうですね。

篠原
篠原

こうした方たちが以前にもまして、自分自身の最期を考えるようになってきていますね。2~30年前は、長男や跡継ぎが考えることだという風潮がありましたが。

武田
武田

はい。

篠原
篠原

現在は当事者が割と健康なことが多いから、そうなってきたのかなぁと思いますね。

武田
武田

当事者が元気な時に、自分の終活の道筋を周りの方々にしっかりお伝えしておくということですね。リビング・ウィルじゃないけど。そういうのが一般的になりつつあるよね。

篠原
篠原

そうですね。とてもいい傾向にあると思います。といいますのも、よく平均寿命と健康寿命という話がありますが、例えば、男性は平均寿命が約81歳くらいで、健康寿命は72歳くらいと言われていて。

武田
武田

10年くらいの期間だよね。

篠原
篠原

ですので、誰にとっても終末期のプランは必要で、いずれ人の手を借りながら生活していく時間が誰にとってもやってくるので、個々の計画を立てるということが大切ですね。

武田
武田

はい。

篠原
篠原

終活にあたって、まず一歩目に何をしたらいいのかということですが、パッと思い浮かぶのが遺言を書くことかと思いますが、これだと不十分なんです。

武田
武田

ほぉ?

篠原
篠原

遺言というのはあくまで亡くなって初めて効力を発揮するもので、終末期の医療、生活、生きている内のお金の問題というのは、亡くなってからの話よりも批准が多くなっているところがあると。ですので、一歩目にやっていただきたいのは、生前中の環境整備なんです。

武田
武田

なるほど。

篠原
篠原

私は、環境整備が終活の到達点だと思っていまして。

武田
武田

具体的にはどういったことなんですか?

篠原
篠原

まず、自分の健康、医療について、もしもの時に誰に相談すればいいかという窓口を確保しておくことですね。

武田
武田

なるほど!

篠原
篠原

これは、かかりつけ医の先生であったり、場合によっては自治体の包括センターや、地域のケアマネージャーがあたるかも知れません。他に、生活に関することで人手が足りず助けが必要であれば、介護関係の職員や社会福祉協議会、住民課、生活課などへの相談が必要かも知れません。あとはお金の心配ですね。いつまでも自分が健康な中でお金の管理ができるとは限らないので。

武田
武田

そうなんですよ。

篠原
篠原

場合によっては、後見人やリーガルサポートのような支援について具体的に話を進めなくても、誰に話を聞けばいいのか決めておく、この環境整備が大事だと。あとは、「スピリチュアルペイン」という、死と相対した時に生まれる心への痛みというものがありまして。

武田
武田

スピリチュアルペインですか?

篠原
篠原

これは、意識的に感じなくても身体を蝕むことがあると言われていて、朝起きて元気が出ないとか、曇りの日は気持ちが落ちてしまうとか、具体的な症例がなく、なんとなくの調子の悪さで発現することも多いそうです。特に、高齢男性で周囲にコミュニケーションが取りづらい状況の方に発現しやすいと言われていますね。なので、メンタルヘルスといいますか、精神科のようなところに気軽に行ってみて、少し話をしてみるということも男女問わず重要なことだと思います。

武田
武田

そういう相談場所を用意するのも探すのも、結構大変だよな?

篠原
篠原

確かに、適切な窓口を見つけて聞くということは大変ですね。例えば、武田先生が困ったことがあれば、一旦私のところに電話していただければ(笑)

武田
武田

(笑)

篠原
篠原

色々な状況に応じて、ここに聞けばいいかも知れないと行動できたり、ご家族にアドバイスができたりすることは大切なので、全ての窓口を一手に自分で管理するというか、どなたかお一方信頼できる方や、いろんな手を借りながら準備するということをやっていくことをオススメします。

武田
武田

なるほど。しかし、終活って言葉では簡単に言えるけれども、実際にやるとなると…実際にやる人って少ないんだろうなぁ。

篠原
篠原

そうなんですよ。手を動かして始める人というのは中々少ないですね。そんな中で、今回の渡さんのニュースというのは、立つ鳥跡を濁さずといいますか、生き様として美しいなぁと感じました。

武田
武田

かっこいいね。そういう先輩もいますし、我々世代はそういった時期が迫っていますから、こういうことを真剣に考えていかなければならないですね。ちょうどお盆で家族揃っていらっしゃるだろうから、そういう話をしてもらうといいよね。

篠原
篠原

是非。私もできるところでお力になりますので、なにか心配があればお気軽にお問い合わせください。

武田
武田

いつものように篠原さんのお話でした。ありがとうございました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です