2021.04.17「音楽で弔う奏葬式プラン」

おくりびとからのメッセージ

武田
武田

さて、つばさ公益社さんはまたまたユニークなお葬式を提供しているようですね?

篠原
篠原

そうなんです。来週から提供を始めるのですが、音楽を用いたお葬式を提供しようということで、「奏葬式」と言うのですが。

奏葬式イメージ 家族葬のつばさホール小田井
奏葬式の様子
武田
武田

ほぉ~、奏葬式ですか。

篠原
篠原

これを来週の22日から提供を開始することになりました。背景としては、やはり音楽でおくろうというのはこれまでも話としてはありましたし。

武田
武田

ミュージシャンの方が亡くなるとね、その方が歌っていた曲なんかを流したりなんかするよね。

篠原
篠原

そうですね。最近の話題でいくと、ちょうど一年前に岡江久美子さんが亡くなられて。

武田
武田

はい。

篠原
篠原

娘さんが来週の23日に、音楽葬を一周忌に合わせて行うということでして。

武田
武田

へぇ~!そうなんだ。

篠原
篠原

ご友人の方が主に出演されて、音で弔おうというのが企画されているのですが。やはり、音楽というのは色々な効果があると思うんです。

武田
武田

うん。

篠原
篠原

しかし、音楽を使ったお葬式っていうのは、敷居が高いものだったんですよね。そんな中で、必要としている人に手が届く形で提供したいということで、奏葬式を、端的に言えば3万円くらいで利用できるようにしました。多くの方に、音の温かさでおくるという体験をしていただきたいな、と思っております。

武田
武田

その音楽の種類と、演奏について、お葬式を行う方のリクエストも受け付けるんですか?

篠原
篠原

まず、音楽の演奏の形なんですが、一番スタンダードな形でピアノでの演奏を予定しております。そもそも、この話のきっかけになるところでもあったのですが、つばさ公益社の社員でミュージシャンの方がいまして。

武田
武田

ほぉ~。

篠原
篠原

この方、入社して一年半くらい経ちますが、実は私共の仕事を副業という形で来ていただいているのですが(笑)

武田
武田

あっそうなの(笑)ミュージシャンって、コロナ禍で大変だもんなぁ。

篠原
篠原

そうなんです。彼は軽井沢の大賀ホールでの演奏も何度かされているのですが。

武田
武田

ほぉ~、そうなんだ。

篠原
篠原

ただ、人の生き死にの最期の手伝いというものに興味を持っていて、当社に来ていただいたんです。今までも何度か奏葬式をやってみたいよねぇ~って話していたんですが、形を整えまして、提供できるようになりました。そして、コロナ禍で大変な演奏する人を、我々が支援したいという想いもありまして。

武田
武田

ああ~、なるほど!二つの意味があるんだね。お葬式を行う人と、ミュージシャンも救いたいという。

篠原
篠原

はい、そうなんです。

武田
武田

面白い発想だね!

篠原
篠原

普段であれば、軽井沢の様々な場で演奏家の方たちが活躍される場というものがあるようですね。奏葬式では、ピアノは当社のスタッフが担当しますが、その他に弦楽器、例えばチェロやバイオリンの奏者の方もお呼びできますし、もちろん組み合わせも可能です。あとは、上田の方に声楽家の方がいらっしゃいまして、歌を歌うという。歌を歌うといっても、聞くだけではなく、一緒に声を出して歌うというのも、弔いの形として、様々な感情の行き来があっていいと思っています。

武田
武田

今、チェロってお話ありましたが、「おくりびと」という映画でさ、もっくんはチェロの奏者だったじゃない。

篠原
篠原

そうですよね。

武田
武田

で、チェロの奏者が納棺師のお仕事を知る、というお話だったでしょ。当時、あの映画が上映された直後に私は篠原さんと知り合って。

篠原
篠原

そうなんですよね。

武田
武田

で、おくりびとからのメッセージっていう番組をやったらどうかというお話をしましたね。

篠原
篠原

そこがスタートでしたね。

武田
武田

で、実際にやることになったのよね!

篠原
篠原

あれから12年経ちますかね。

武田
武田

そうだねぇ、そのくらい経つよね(笑)でも、奏葬式はとても面白いアイデアで、ミュージシャンの方もすごくお喜びになるんじゃないのかね?

篠原
篠原

そうですね。事前準備の際にこちらからお声がけを何名かさせていただいたのですが、皆さん「それはいいね」とご理解していただいて。音でおくるというのは、ある意味で日本の仏教でもお経ですとか。

武田
武田

そうだよ。大体、お経っていうのは音楽的じゃない。

篠原
篠原

非常に音楽的ですよね。

武田
武田

しかも、日本語で言わないでしょ。聞いていて、意味分からないんだよ。

篠原
篠原

確かに、音読みでしていて、分からないですよね。

武田
武田

でも、なんとなく音楽っぽい雰囲気で、はは~、ありがたやって思うんだよね。あれ、不思議なもんでさぁ(笑)

篠原
篠原

実際に、国内のお葬式も音楽的ではありますし、神式のお葬式でも祝詞を挙げられるのは、音楽的に聞こえますし。そこでは雅楽での演奏というものもありますよね。

武田
武田

ありますよねぇ。

篠原
篠原

カトリックやプロテスタントでも、大いに歌を歌いますよね。演奏もしますし。

武田
武田

音楽の中にも、レクイエム(鎮魂歌)というものがあるじゃないですか。つまり、亡くなった人に捧げる歌というのが。

篠原
篠原

ありますね。そうした中で、実はコロナ禍で「お葬式の簡易化」というのが非常に進んだんですよね。本来であれば宗教者の方が来てお式をされる方々であっても、結構な割合で無宗教の形で行われた方というのがみられまして。

武田
武田

はいはい。

篠原
篠原

まぁ、それもどうなんだろうということで、無宗教の形で行う際に、「おくった」という実感を感じる時間として、音でおくる体験を、その場でみんなと共有しようというのが主題だったんです。

武田
武田

なるほど、そういうことなんだ。今日、その音楽は聴けるんですか?

篠原
篠原

はい。ご用意しております。

武田
武田

さすがでございますねぇ~!

篠原
篠原

一分ほどのものなんですが、是非聴いて下さい。

武田
武田

「ふるさと」でございましたね。実は私もね、「日曜音楽夢工房」っていうのを21年間やっていたんですが、やはりね、亡くなった自分のお父さん、お母さん、あるいはお兄さんが大好きな曲がこれで、是非聴かせてくれっていうリクエストがすごく多いの。やっぱりね、亡くなった方がお好きだった音楽というのはね、家族が覚えてるもんなんだよ。

篠原
篠原

はい。

武田
武田

だから、お葬式でそれを演奏しておくるというのは、非常にいいアイデアだと思います。

篠原
篠原

音というのは、情景とか香りとか、記憶が様々な形で呼び起こされますよね。

武田
武田

そうなんですよ。一気にね、その時代にワープするの!青春時代に流行った曲とか聴くと、あの時こうだったなぁ~って思いだすじゃん。だから、お父さんが好きだった曲とか聴けば、その人の在りし日の元気だった姿を、絶対に思い出すよね。

篠原
篠原

本当に、そうですよね。

武田
武田

だから、リクエストをお受けできればいいかも知れないね。

篠原
篠原

リクエストももちろん受け付けていて、基本は「赤とんぼ」「上を向いて歩こう」とか。最近だと、「花は咲く」とかありましたけれども。国内の音楽も様々受け付けておりますし、「Amazing Grace 」とか。

武田
武田

これもいいねぇ。

篠原
篠原

他にも、ジョン・レノンの「イマジン」。

武田
武田

これもやっぱり好きな人が多いんだなぁ。

篠原
篠原

こういったレクイエムとしての曲も様々用意しております。あとは、リクエストにお答えしてということで、結構曲のレパートリーは持っているのですが、事前にお打合せをしていただいて、できるだけ用意させていただくということで。

武田
武田

そうですね。

篠原
篠原

先程、武田先生に動画で奏葬式の演奏を見ていただいたのですが。

武田
武田

そうそう。

篠原
篠原

実際にその場で演奏を見ると、奏者の方の息遣いといいますか、背中は語るといいますか、非言語のコミュニケーションというものがありまして。今、演奏家の方たちの活躍の場が中々ない状況ですが、演奏できるというのはやっぱりすごい才能だと感じますね。私、この奏葬式のリハーサルに何度も立ち会っているのですが、心の震える体験をしましたね。

武田
武田

ミュージシャンの方も棺の前で演奏するわけね。

篠原
篠原

そうですね。お体のあるうちに。これは少し仏教的な話になるのですが、最期人が亡くなった時に、五感というものが徐々に失われていくと言われていて、最後に残るのは何か?というと、「聴覚」だと言われていて。

武田
武田

あ、そうなんだ!へぇ~。

篠原
篠原

まぁ、体験者がいない世界なので(笑)

武田
武田

必ず亡くなっちゃうからね(笑)蘇る人はいないですから。

篠原
篠原

とはいえ、枕元で話した声というものは届くのではないか、という中で。参列する方たちも立ち会いますけれども、本人の為にも、「献奏」を捧げる形で演奏をする、といった感じですね。

武田
武田

ところで、篠原さんは何か音楽をやってらっしゃいましたよね?

篠原
篠原

武田先生の前で言うのは非常におこがましいんですが(笑)ドラムをやっていたんです。

武田
武田

それはいつ頃なの?

篠原
篠原

それこそ学生の頃、高校生の頃です。

武田
武田

バンドを組んでいたわけ?どんな演奏をしていたんですか?

篠原
篠原

学園祭での演奏ですから、当時流行っていた「リンダリンダ」とか、学生さんが盛り上がるような演奏ですね。

武田
武田

中学時代からやっていたんですか?

篠原
篠原

そうですね。中学ではベースをやっていました。

武田
武田

そうだったんですね。今は楽器はやらないんですか?

篠原
篠原

そうですねぇ。社会人になってから全く触れてもいないですけれど。ただ、聴くのは本当に好きなので、以前は妻とコンサートに行く機会もありましたが。ちょっと今のご時世、難しくなっちゃいましたね。

武田
武田

忙しい時期でもありますからね。で、みなさん。4月22日から奏葬式の提供が始まるということで。申し込みの際は、お願いしたい旨をお伝えすればいいですかね?

篠原
篠原

そうですね。奏者の方、どんな演奏がいいのかを選んでいただくのですが、金額的には分かりやすくワンプライスになっておりまして、3万円+税で提供いたします。パッケージプランで、もしもの時は病院から搬送して、自宅を使わないで施設で2日間ご安置して、花祭壇なども付いて29万8千円というものもあります。

武田
武田

なるほど。

篠原
篠原

あとは、先ほど岡江久美子さんの話にもあったような、法事の場面で行いたい方向けにもご用意をしております。

武田
武田

はい。音楽というのは人生と共にあるようなものですから、亡くなった方がお好きだった音楽をお葬式の時に奏でると、遺された方たちも故人のことを深く思い出す、一つの縁みたいなものになると思いますよ。

篠原
篠原

本当ですね。音っていうのは色々な場面で人生を彩るものだと思いますので。私の祖母も、よく色々な音楽を口ずさんで聞かせてくれたものですが、そういった記憶を呼び起こすという意味でも、音楽というものは非常に温かいものだなぁと思いますね。

武田
武田

というわけで、新しく音楽を取り入れたお葬式を提供されるというお話でした。ありがとうございました!

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