諏訪市の方からお便り届いております。去年、「スピリチュアルペイン」のお話をされましたよね。入院中のお父さんがお亡くなりになったということで、スピリチュアルペインのお話にとても心を惹かれたそうで、ありがとうございましたとのことです。コロナ禍ですから合うこともできないままお父さんとお別れとなってしまって、とても残念ですと。確かに、このご時世ではそういうことが多いですよね。この方もそのお一人ということで、お便りありがとうございます。
ありがとうございます。何といいますか、悲しみの消化不良といいますか、終末期は病院で付き添ったりだとか、色々やれることはあるのですが、今はそういったことが難しい状況ですよね。
大変ですよね。この諏訪市の方は、お父さんの影響で音楽が大好きになって、生涯の趣味となったということで。まぁ、お父さんの想いがちゃんと伝わっているということだと思いますのでね。
そうですね。
こんな世の中だから非常に残念だけど、多分お父さんも分かっておられるからね。
仏教的なところで追善供養というものがあります。一度関係がなくなって途絶えてしまうかも知れないですが、またその先、これからも想いながら供養をしていくことはできると思いますね。
そうですよね。さて、今日はどんなお話になりますか?
今日は「LIFESPAN」と言いまして。
老いなき世界ですな。
人類は老いなき体を手に入れるという。
ほぉ~。確かに、現在は日本で人生100年時代なんて言われていますが、昔を考えると、人生50年って言われていた時代もありましたからね。
そうですよね。昭和初期まで、人生50年時代だったのに、今ではもう倍近く生きるようになったわけで。ただ、人類で変わっていなことが一つありまして、平均寿命というのは年々伸びているのですが、最大寿命というのは中々伸びないという。
なるほどね。
人類史でいくと、ジャンヌ・カルマンさんという方は122歳で亡くなられて。
そうだったね。
ただ、このLIFESPANという本の中で、デビッド・A. シンクレアさんが言っているのは、120歳まで生きる人がこれから続々と増える時代にあると。
大隈重信もそう言ってたよ。脳が成長するのに25年かかるんだって。その5倍は125年なんですよ。だから早稲田大学の時計塔の高さが125尺あるんです(笑)
由来があったんですね。どうも、120歳を超えて生きていくというのは、遠い先の未来ではなくて、この著者の方が言っているのは30~40年の内にはそういった時代が到来しても、全くもっておかしくないと。
すごい!還暦2回だね(笑)
そうなると、人類が手に入れる時間というのが、いわゆる人間らしく生きる時間をよりよく延ばしてくれると言っていまして。例え話で出てくるのですが、ある宗教学者の予備軍の神学者の方たちをいくつかのグループに分けて、1つ目のグループは目的の場所に行くのにゆとりがあるというグループで、2つ目のグループは今出るとちょうどですよと。最後のグループは、今出るとちょっと急がないと間に合わないというグループで。で、その間に具合の悪そうな役をする役者さんを置くんですよね。
ほぉ。
そうすると、時間がないというグループの人は、2割くらいの方が助けて、8割の方が素通りしてしまうという現象が起きたという。これ、時間にゆとりのある人はみんな声をかけて助けてくれるというのですが。人生80~120年時代になりますと、人に対して労りの気持ちを持ったり、ゆとりが生まれるのではないかと言っていまして。
優しくなれると。確かにそれはあるよね。
特に、10代で詰め込まれた時間を過ごしたり、20代でストレスを抱えながら就職活動をしたり、人生の転機で結婚をしたりして色々と環境が変わったり。更には60歳になってから新しい人生を始めるという。もう一回り60年の人生があるわけですから、そこから新しい変化を、みたいなことをできるようになれば素晴らしいと言っているんですよね。
ふ~む、そういうことですか。今、やることがなくて困っているという人は困っちゃうね(笑)
ただ、人によって時間の過ごし方というのは様々なのですが、このライフスパンという本の中で老化というのは病で、治療することができると書いてありまして。
老化は病と。面白い考え方ですね(笑)
この、老化が治療できると言ったのがこの本のエポックメーキング、発明でして、その中でも「老化を治す行動」と「老化を治す薬」という2つのアプローチを示しておりまして。
ほう?
まずは治すための行動についてなんですが、実はこの本、辞書くらい厚い本なんですよね。
そうなんだ。
まず、確実に老化を治すために効果があるのは、「食事を減らすこと」だと。
これはアカゲザルの実験で30年前くらいに学者さんが証明しているんだよね。
その通りでございまして、その実験のことも載っています。これは食事の量と回数を減らすという。
そうなんですよ。
これが何故体にとっていいかというと、体の組織を破壊せずに負担をかける、適度にストレスを与えるというのが、いわゆる原始のサバイバル回路というものが活性化されるという。
そうなんだ。我々人間は、大体20万年でしょ。20万年の中でず~っと生き延びてきた最大の理由は、いかに飢餓を乗り越えるかということだと思うの。だから、脳は飢餓に対して耐久性があるのだけど、飽食に対しては全くの無力なんだってさ。
そうなんですよ。
つまり、食うなということは、こういうことです。
飢餓状態になると体がストレスを感じて、サーチュイン遺伝子という救急隊が出動するそうなんです。そこで、特に体に外傷があるわけではないといって組織が戻っていくのですが、サバイバル回路が活性化されると、体が若返っていくと。
そういうことなんだそうです。
これは、老化が止まるのではなくて「若返る」ということなんだそうです。
ほう。つまり、蘇るんだね。
本の中で面白い部分が、「6歳にはなれないけれど、例えば50~60歳の人が26~36歳になれる可能性はある」と言っていて。
確かに、テレビのサプリメントのCMとかでやってるけどさ、70歳でも50歳に見える女性の方とかいっぱい出ていますよね。
そうですね。これは食事の回数を減らすという、習慣を変えるのと、やはり運動をするという事が重要なようで。
これも人類の歴史と似ているよな。やっぱり運動しなくちゃ駄目なんですよ。
運動がどれだけ必要かというと、実は本ではそこまで運動が必要ではないと言っていて、大体一週間で8kmくらい。換算すると、10~15分くらいのジョギングをすればいいとのことなんです。
あ、それだけでいいんだ。
で、量より頻度が大事だと言っていまして、結構ゼーハーするくらい、心臓がドキドキして苦しいくらいを少し感じる程度でいいということだったんですね。
そういうことだ。
他に、老化を治して若返る為の行動として大事なのが、体を寒さにさらすのがいいと。
それ、いいんだ?(笑)
そうなんだ!と思いましたね(笑)本ではフィンランドのサウナの話が紹介されていたのですが、温めるということに関してはあまり影響がなくて、適度に暖かい所から寒い所へ行くということが大事だと。
それを上手くやるということなんだね。
寒さに体をさらすというのが、体の組織を破壊せずに負荷をかけるのにとてもいい方法らしいですね。
なるほどね。
ですので、食事の量と回数を減らす、運動をする、体をちょっとした寒さにさらすというのは、体のサバイバル回路というのが活性化すると書かれていましたね。
皆さんも、寒いから散歩をするのやめようではなくて、寒さの中でも散歩を適度にするという方が、刺激を与えられていいんだろうね。
そうですね。体は適温ではない環境に置かれると、細胞が活発に活動するそうですので。
負けちゃいけない!って、体が元気になってくるということなんでしょうね。
あとは、先般「アンチエイジング」というお話でもご紹介しましたが、「老化を治す薬」というのが、かなり検証が進んできていると。この中でも、「メトホルミン」。これは二型糖尿病の方用の薬です。
ほう。
一型が先天性のもので、二型というのは加齢とともになるというものなんですが。
なるほど。
それがどうも、破壊せず負荷をかけるのにいいらしいと。ただし、これは健康な人が処方してもらうのは中々困難だということで、アジアのタイなどでは簡単に手に入るようですが、国内だとNMNというサプリメントがあります。少し高額で、効果という意味ではまだ少し検証が必要だとは言われていますが。
まぁ、糖尿病もどちらかというと、栄養の摂りすぎでしょ。そういったことに注意をするということですね。
この飽食の時代に、むしろ食べないことが健康に繋がるというのは発見ではありますが(笑)昔からエビデンスのある方法だそうですね。
はい。今日の篠原さんのお話、知ってたってやらなきゃ意味がないから、できたらおやりになってみてはいかがかと。
はい。是非、お試しください。