香典返しの金額の目安
身近な誰かがこの世を去るとき。それはいずれ来ると知ってはいても、向き合って臨むのはとても難しい瞬間です。
突然のことなら尚のこと。しかし例え備えていたとしても、その後のお葬儀・告別式・火葬に至るまでの膨大な準備・行程はご家族にとって大きな負担を強いるものになります。
そしてようやく終わって一段落、とはいきません。
まだ通夜・葬儀頂いた香典への「香典返し」が残っています。
そこで、いざそのような場面になってしまったときに香典返しについてどの程度の額をお返しするのが最良かわからないという方も多いのではないでしょうか。
結論からお話しすると、香典返しの金額の目安は香典の半額だと言われています。
ただし、家主が亡くなった場合には今後の生活が苦しくなる可能性が高いため、三分の一を返せばいいと言われています。
精神的、肉体的疲労がかさなる中、のしかかる作業に困ってしまったとき。多くのサイトを検索して調べるのは精神的にも時間的にも困難かと思います。
こちらの記事では一括して香典返しについての不安を解決できるようになっています。
ぜひ本記事をご参考にして頂ければと思います。
香典返しとは?
香典返しとは、「いただいたお香典で四十九日の法要も無事に執り行うことができました」という報告と感謝の思いを込めたお礼です。
従って、本来であれば香典をくださった方のお宅を訪問して直接お礼をお伝えするのがマナーです。
ところが、現在では親族以外の方が集まってくださったり、親族でも遠方から訪れてくださったりすることも多いため、直接すべての方に香典返しをお渡しするのが困難なのが実情です。
そこで、郵送で香典返しをすることが現在では通常になっています。
しかし、本来直接お渡しするべきである香典返しを郵送するので、お礼状を添えて感謝の気持ちを伝えることが必要になります。
そこで、お礼状には
- 故人の名前
- お礼の言葉
- 故人の戒名(いただいていれば)
- 略儀であることのお詫び
- 差出人の名前
を記載するようにしましょう。
香典返しの金額の目安
香典返しで半額をお返しする場合
昔は関西では三分の一、関東では二分の一をお返ししていました。
ところが、現在では遠方からの参列者も多くなっているため、半額の香典返しをすることが一般的となっています。
この香典返しの金額には送料も含めてよい、とされています。
なお、のし紙の表書きでは上段に「志」と記載します。
そして、下段には「○○家」「○○(姓のみ)」を記載します。
ただし、関西地方では上段に「満中陰志」と書くのが一般的と言われています。
不安な場合は事前に親族に確認しているとよいでしょう。
また、こののし紙には品物に直接のしをかける内のしと、商品を放送してからのしをかける外のしがあります。
通常直接持参する場合には外のし、郵送の場合には内のしにすることが一般的です。
香典返しで三分の一返しをお返しする場合
家主や一家の稼ぎ頭が亡くなった場合には、香典には「生活の助けにしてください」と言う思いが込められています。
従って、半額返しではなく、三分の一返しかそれよりも少ない額でも構わない、とされています。
一般的に言われる三分の一返しをしたい、と思うかもしれませんが、葬儀自体にも四十九日もお金がかかるのが実情です。
そして、遺族にも生活がありますので、ありがたくいただき、無理に三分の一返しをせず、故人のために充実した法要ができるようにしましょう。
また、親族から高額の香典をいただいた場合にも半額返しではなく、三分の一返しで構わない、と言われています。
高額の香典とは5万円以上を指すと言われていますので参考になさってくださいね。
香典返しを送るタイミングはいつ?
四十九日後に香典返しを送る
先ほども述べたように、香典返しには「四十九日の法要を無事に執り行えました」と言う感謝の気持ちを込めて「忌が明けて」からお送りするのが一般的です。
多くの場合は四十九日から1か月以内にお返しすることがマナーと言われています。
もちろん、参列者が多かったり、法要の用意で忙しかったりする場合には遅れてしまうこともあるでしょう。
その場合には香典返しが遅れてしまったことに対してのお詫びもお礼状に沿えるようにしましょう。
葬儀当日に香典返しを渡す
近年では葬儀当日に香典返しをお渡しすることも増えてきています。
当日香典返しをお渡しするので、送料を負担する必要がないことがメリットです。
また、同じ額の香典返しを用意しておくことで、四十九日後に個別に香典返しを選ぶ手間が省けることもメリットと言えます。
当日の香典返しには3000円前後の品を事前に用意しておくといいでしょう。
ただし、この場合は高額の香典をいただいた場合には四十九日後に不足分の香典返しをする必要があります。
また、香典返しではなく、会葬返礼品だと思われてしまう恐れもあるので、当日に香典返しをするメリットとデメリットを理解したうえで四十九日の後にお渡しするか、当日にするかを選択するようにしましょう。
返礼品の選び方
返礼品としては感謝とお礼の思いとともに「不幸が繰り返さないことを願っている」という意味が込められています。
そこで不幸を断ち切る意味で無くなるものを選択することが良いとされています。
主に賞味期限の長いお菓子や海苔などの食べ物やせっけんなどの日用品が多く選ばれています。
ところが、それぞれの家の状況によってほしいものや必要なものが異なるため、最近では返礼金額に応じたカタログギフトを送ることも増えています。
おすすめの返礼品の例3つ
食品
先ほどもお話ししたように、返礼品としてはなくなるものが良いとされています。
そこで良く選択されるのが食品です。
お菓子のほかに、コーヒーや紅茶なども好まれます。
逆に肉や魚は「四つ足生臭もの」として避けられています。
同時に、お酒などの嗜好品やかつお節など、慶事に用いられる商品は避けるようにしましょう。
日用品
洗剤やせっけんなどのように使っていくうちに無くなるものはもちろん、タオルやシーツなど長期的に使用して破棄するものでも構わないとされています。
タオルは多く持っていても困らないものですが、もらうシーンも多いのも特徴です。
そこで、陶磁器や漆器が選ばれることもあるようです。
陶磁器は故人が亡くなって土にかえることを意味しており、漆器には不幸を塗りつぶすことを意味しています。
ただし、陶磁器や漆器は誰もが喜ぶ品ではないため、送る相手はよく考えた方がいいでしょう。
カタログギフト
ここで注目されているのが、カタログギフトです。
好きな物を自分で選べる、と言う点でカタログギフトを受け取った方が最も欲しいものを選択することができます。
また、カタログギフトも様々な値段ごとに分類されているため、香典で受け取った額に応じてカタログを選択すればいいので、遺族側も個別に好みを考えずに済みます。
遺族側の負担を軽減する効果もあるのです。
返礼品はインターネットショップで購入することもできますし、実店舗でカタログギフトを取り扱っているお店もあります。
また、葬儀場で相談にのってもらえることもあるため、最も活用しやすい方法を選んでくださいね。
まとめ
今回は香典返しについてご紹介しました。
- 香典返しは四十九日を執り行えたことを報告するために贈るが、葬儀当日に渡すことも増えてきている
- 香典返しの金額の目安は半額だが、家主や稼ぎ頭が亡くなった場合には三分の一でも構わない
- 香典返しは本来直接お渡しするもののため、お礼状をつけ、略式であることをお詫びする
- 返礼品としては消え物を選択するのが一般的だが、最近はカタログギフトを送ってお好みのものを選択していただくことも増えている
以上が香典返しにおいて重要な点となります。
上記にご注意の上、お香典をくださった方に失礼のないお礼ができますことを願っております。
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