初めて喪主になったら何をすればいいの?喪主の仕事を解説

喪主は故人にとって、最も近い親族のことで、葬儀や葬式などをとり行う遺族の代表者になります。最近は、戦前戦後と違い兄弟の数が少なくなりました。

そのため、ほとんどの人は一度は喪主をつとめる可能性があります。そこで、突然喪主になったら何をしたらよいのか、というお話をしましょう。

喪主とは

喪主は故人に最も近い親族の可能性が高いため、夫婦であれば配偶者が、親子であれば子や親がつとめます。                                 しかし親が高齢になると、いくら夫婦でも配偶者がつとめるのは難しく、実際には息子や娘といった子がつとめることになるようです。 

喪主と施主はどう違う?

喪主や施主は誰がつとめる?

ところで、喪主・施主ということばをよく耳にしますが、実際にはどう違うのかわからずに、親族が受けていることがあります。

葬儀会社の担当者に喪主や施主は誰がつとめるのかを聞かれた場合、喪主や施主をどう区別したらよいのでしょうか。

喪主と施主は別な人がつとめることも

一般的に親が故人となったときは、残された長子(長男、長女)が喪主や施主を受けます。この喪主、施主というのは葬儀に必要なお金を用意し、支払い、さらに葬儀全般を仕切る人のことです。

しかし、親の配偶者である父や母が元気な場合は、別になることがあります。

例えば、残された親は高齢で葬儀全般を仕切ることが難しいが、財産はあるので葬儀費用全般は支払うという場合です。 

この場合、葬儀費用全般を用意する親が施主、葬儀全般を仕切る長子が喪主となります。

施主である親は葬儀費用を負担するのが役割で、喪主になる長子が僧侶へのあいさつや参列者へのあいさつ、葬儀社との打ち合わせなどをします。

喪主が準備すべきこと

葬儀会社を決める

親や親族が亡くなり喪主となった場合、まずは葬儀社を決めます。

病院で亡くなると病院と懇意の葬儀社を紹介する場合もあります。

しかし親が高齢になったら、いつこういったことがあっても困らないよう、あらかじめ決めておくのも必要です。

故人の生前の希望がかなう、そういった葬儀も大切になります。

 日程や僧侶を決める

葬儀会社が決まったら、担当者と打ち合わせをします。

まず決めるのは葬儀の方法や日程、お願いする僧侶の手配です。

菩提寺があれば、そちらの僧侶にお願いするのが良いでしょう。

僧侶の日程や火葬場の日程もあるため、喪主がのぞむ日程を選べない場合もあります。
季節によっては火葬場が混み合い、何日も待たされる場合もあるようです。

そこで可能な限り、早めに希望日程を決めて関係各所に連絡をしてもらうようにしましょう。

 喪主の忌引き

火葬場や僧侶の日程によっては、通夜や告別式まで一週間くらい空いてしまうこともあります。        

近年、仕事を持つ人が喪主になった場合、忌引きをとる日が亡くなってから何日ではなくなっている職場も増えてきました。

親族が亡くなってすぐに忌引きをとるのではなく、葬儀の日程に合わせて通夜や告別式が近くなったら忌引きをとる、こういったことができる勤務先もあるようです。

職場によって条件は様々なため、担当部署に確認してみると良いでしょう。

故人の意志

次に行うことは、故人の希望を確認することです。
元気な時に就活ノートなどを作ってあればそちらを確認します。

中には親族以外に親しい人や、連絡をしてほしい人の名前などが書いてある場合もあります。

故人の意外な一面を知る機会となり、喪主の挨拶や弔問客への挨拶などで参考になるかもしれません。 

子どもではわからない、故人の生前の意志を確認して、それに合わせた葬儀をおこなってあげましょう。 

また子や孫の数が少ない場合は、故人の兄弟姉妹や甥姪などに連絡をし、お手伝いをお願いするというのも大切です。

喪主の服装

喪服には洋装と和装があります。
どちらも黒を基調としますが、それぞれに決まりがあります。

洋装と和装では格の違いはないので、季節や動きやすさを考えて決めるのがおすすめです。

男性の場合

男性は黒の礼服に黒ネクタイを身につけます。

このとき、就職活動などで使用した黒のスーツは礼服となりませんので気を付けましょう。

男性の正式礼装は黒のモーニングコートにズボンは黒またはグレーでストライプが入っているものが正式礼装となります。

白無地のワイシャツに黒ネクタイ、ネクタイピンなどは石が付いてないものか、真珠だけの黒、またはシルバーでネクタイピンとカフスが同じものを合わせます。

正式な礼装を自分で持っているという人は少ないため、こちらは大きな会社や公の場での葬儀の喪主をつとめる人の服装と考えて良いでしょう。

一般的な礼装は準礼装といい、黒の礼服になります。

黒の礼服は通夜、告別式はもちろん、自身が喪主ではないときも利用することができます。

そのため、高校を卒業したら一着は持っていることをおすすめします。

もちろん男性の和装もあります。

男性が和装をする場合は、通夜は黒の礼服、告別式は黒紋付袴が正式な礼装となっています。

女性の場合

女性が喪主になると男性以上に和装をする人が増えますので、こちらでは洋装と和装の両方をご紹介します。

洋装

女性の洋装はブラックフォーマルと呼ばれる、ワンピースやアンサンブルスーツを着用します。

黒のウール、シルクが一般的でアクセサリーは一連の真珠のみ、光沢のある生地やアクセサリーは裂けます。

靴も革靴で低めのヒール、黒のストッキングというのが喪主の礼装です。

喪主は正式な礼装を身に着けるので、黒のパンツスーツや黒でも革のバッグなどは好ましくありません。

通夜の席は略礼装も大丈夫なので、通夜のときパンツスーツを利用してください。

そのときも、インナーは地味な黒ブラウスを着用しましょう。

バッグは黒の布製でフォーマル用のものを利用します。

つけても良いアクセサリーは一連の真珠のネックレスで、腕時計や結婚指輪以外の指輪などははずしてください。

和装

和装の喪服は、黒無地染め抜きの五つ紋付という和服を身につけます。

この時、既婚の女性がつける家紋は「女紋」といい、嫁ぎ先ではなく女性の生家の紋を付けるのが一般的です。

帯留めや帯飾り、髪飾りなどはつけず、帯は黒無地の九寸名古屋帯になり、一重の御太鼓結びにします。

帯紐、帯揚げは黒、帯板は白または黒が適切です。

長襦袢、肌襦袢、裾除けも普段使いやおめでたいときと違うので、白の地模様がないものを選びます。

足袋は白、草履は黒の布製のものを履きます。

和装の場合は関東と関西では生地が異なるようです。

関東は黒の「羽二重」、関西は「一越ちりめん」という着物地が多くなります。

夏物は盛夏のみ使用する「絽」という生地で、帯も「絽」をつかった薄手のものになります。

和装の場合、夏生地の喪服を着るのは7、8月という限られた時期だけのため、あらためて作らない人も多いようです。

和装に馴染みがない人でも、喪服は浴衣の次に簡単に着ることができる和装です。

和装の喪服用の小物が、セットで販売していることも多くあります。

数か月でマスターできる着付け教室などもありますので、親が高齢になったら身に着けておくことをおすすめします。

学生

学生が喪主になる、ということはほとんどありません。

しかし2022年4月に18歳成人が正式にスタートしたことで、高校三年生でも場合によっては喪主をつとめることが可能になっています。

この場合は学生服を着用します。

学生服が黒以外でも学生の正装は制服です。

ネクタイに華やかな色が入っていたり、ズボンやスカートがチェック柄になっているおしゃれな制服も増えています。

しかし入学式、卒業式に着用するよう学校から指定がある場合は、それが正装ですので気にすることなく着用してください。

靴が自由な学校のみ、スニーカーではなく革のローファーを履きましょう。

喪主・施主が用意するお金

喪主と施主が別な人が担う場合は、葬儀費用全般を施主が用意します。

しかし同じ人がつとめる場合は、葬儀の打ち合わせと同時進行でお金のことも考えなくてはなりません。

葬儀社へ支払うお金は式全体が終わってからになりますので、あまり焦らずに用意してください。

すぐ用意すべきお金は僧侶に渡すお金と、火葬場に支払うお金、さらにいろいろな場面を想定して予備のお金を用意しておきます。

僧侶への支払い

僧侶に支払うのは、通夜と告別式を通して「御布施」「御車料」「御膳料御前料」です。

御布施は戒名そのものの格もありますが、地域や僧侶、お寺の格によっても違います。

葬儀の前に僧侶と打ち合わせがありますので、必ず確認をしておきましょう。

最近は「この戒名ならいくら」と決めているお寺も多くなっています。

一番困るのは「御心で」といわれることです。

この場合は葬儀担当者に相場を聞いて、包むのが良いでしょう。

御車代、御前料も指定してもらえるお寺は助かりますが、指定がない場合は、合わせて1万円から2万円となります。

遠方から僧侶に来てもらうときは、御車代を多めに支払って下さい。

そのほかの支払い

葬儀場で支払う可能性があるのが、祭壇にあげるお花や果物などお供え物のお金です。

遠方で来られない人の分を立て替えることもありますので、用意しておくといいでしょう。

火葬をしている間に、火葬場では火葬料金や親族の飲食代を支払う場所もありますのでこちらも、数万円を想定して用意しておいてください。

葬儀会社への支払い

葬儀が終わると、数日または一週間後くらいに葬儀会社から葬儀費用全般の明細や請求書が届きます。

最後にこちらを支払って終了となります。

葬儀費用の一部(5万円程度)が自治体から喪主や施主、葬儀を行って支払った人に支払われますので、役所で手続きをしておくのも忘れないでください。

まとめ

初めての喪主は誰もが「初めての経験」です。

昭和以前のように親族が大勢集まって、近所の人が葬儀を行ってくれる時代ではなくなりました。

誰もが素人なのですから、わからなくて当然です。

初めての喪主になってしまってわからないことだらけの場合は、不安に思う気持ちよりも親族を亡くした悲しみを優先しましょう。

わからないことは葬儀会社の人にお願いしたり教えてもらいながら、悲しい気持ちや故人の思い出に浸りながら、喪主であることに身構えることなく葬儀をとりおこなってください。

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