喪主と親族が決める通夜と告別式の日程

葬儀をするとき、通夜と告別式、火葬を分ける方法と、直葬といって火葬式のみをする方法があります。

直葬はお金をかけずに葬儀を行う方法で、遺族がゆっくりとお別れを行うことはできません。

直葬は、宗教的な理由や遺族親族がいない、故人の希望や葬儀にお金をかけられない、事故などで遺体が形を保つことが難しいなど様々な理由によって行うようです。

しかし、高齢や病気を理由に亡くなり、遺族がお別れに時間をかける時は、
「通夜→告別式→火葬」の順に摂り行うのが一般的です。

通夜と告別式の日程

通夜や告別式の日程をきめるとき、まず優先するのは喪主のスケジュール、僧侶のスケジュール、会場です。

喪主なら誰でも葬儀を優先すべき、と思われるかもしれません。

しかし男性も女性も仕事を持つことが当たり前の時代、誰もが親が亡くなってすぐに、忌引きでお休みをとることができるわけではないのです。

また、菩提寺の僧侶の法事などがすでに決まっている、火葬場が希望の日程が満杯ということもあります。

参列者の人数も考えると、会場の規模も考えなければなりません。

そこで、葬儀会社の担当者との打ち合わせで一番に考えることが、通夜や告別式、火葬の日時になるのです。

とはいえ、昔ながらの慣習で「六曜」を無視して日程を決めるわけにもいきません。

通夜や告別式と六曜

冠婚葬祭を考えるとき、必ず出てくるのが「六曜」というものがあります。

六曜は日の吉凶をしめす「暦注」の一つです。

暦注には六曜のほかに、六十干支(ろくじっかんし)などがありますが、いずれも中国伝来のものという説が強いため、仏教の場合は六曜や六十干支を用いて吉凶を決めたり、占ったりします。

六曜には「先勝」「友引」「先負」「仏滅」「大安」「赤口」があり、言葉の意味を考えて、冠婚葬祭の日に選ぶことがあります。

先勝

先勝はその言葉のとおり「先んずれば即ち勝つ」という意味になるため、勝負ごとや商談など、午前中に行うことを良しとしています。

友引

友引はその言葉のとおり、「友を引く」という意味になるため、おめでたいことは周囲にも良い影響を与えるが、逆に不幸なことには向かない日になります。

先負

先負は先勝の逆で「先んずれば即ち負け」という言葉から、焦りは禁物、急がば回れのような意味合いとなり、午後に行動を起こすと良い日になります。

仏滅

仏滅は「仏も滅する最悪な凶日」ということになります。
しかし、逆に「悪いことをすべて滅してくれる」ことから葬儀や法事など仏事を行う最適な日とされています。

大安

大安は失敗をすることもない「大いに安し」、何事にも良い日という意味になるため、吉も凶もどちらにも使われる日となります。

赤口

赤口は仏滅以上に「万事に用いない凶の日」となり、この日は一日中で午の刻「午前11時~午後1時まで」のみが吉となります。

近年おめでたいことに関しては、仏滅に結婚式をあげたほうが安くできる、といった若者も多く「気にしない」人も増えています。

しかし葬儀や法事を考えたとき、とくに高齢の親族がいると「友引」や「赤口」は不幸な事柄を避けて日程を決めるというならわしがあります。

また火葬場も「友引」はお休みだったり、葬儀会社も友引は休業にしたり、職員を減らして業務を行うというところが多くあります。

火葬場や葬儀会社も人間が運営している以上、「労働基準法」を守るのは当然のこと。24時間365日営業ではありません。

こういったことからも友引を避けて、「通夜」と「告別式」「火葬式」の日程を決めましょう。

しかし、どうしても日程が合わない場合は、「通夜」だけなら友引でも大丈夫、という人もいます。

葬儀や告別式、火葬式の日だけは六曜を考えて、日程を決めてください。

さらに宗教によっては、六曜を考えないという葬儀もあります。
代表的なものではキリスト教です。

西洋には六曜という考え方はないため、教会や墓地の日程を考えて決めてください。

通夜までの日が空いてしまったら

子どもが多く高齢者が少なかった時代は、人が亡くなった日やその翌日に通夜、そしてその翌日が友引でなければ葬儀という家庭が多くありました。

しかし季節の変わり目など亡くなる人が多い時期は、火葬場が混みあったり、葬儀場がとれないということもあります。

通夜や葬儀の日まで5日以上空いてしまった場合はどうしたらよいでしょうか。

ご遺体は病院などで最後に血液を抜き、防腐しないような薬剤を代わりに入れるエンバーミングという防腐処理がされます。

その後自宅に帰ると、周りにドライアイスを置きご遺体をより良い状態を保てるようにします。

さらに葬儀会社の担当者は、毎日ドライアイスを交換しご遺体が腐敗しないよう注意します。

しかしあまり時間をおいてしまうと、死後数時間ではじまった死後硬直がとけ、臓器や筋肉などに残されていた水分や常在菌によって腐敗が始まってしまうのです。

そこで、日程が合わず通夜まで5日以上空いてしまう、遺族が日中不在でドライアイスが交換できないとなると大変です。

そんなときは先に納棺し、葬儀会社の霊安室で預かってもらえるか、葬儀会社や担当者に相談をしてみましょう。

葬儀会社や火葬場にはこういったことを想定して、冷蔵室のような部屋を用意している場合もあります。

すでに棺に入っていますが、希望すれば毎日線香をあげたり、故人の顔を見に行くことができる、というところもあるようです。

通夜をしない方法

通夜をしない方法では、告別式と火葬を行う「一日葬」と、火葬式のみ行う「直葬」があります。

まず、どちらも故人が希望する場合です。

終活ノートや生前に遺族に希望している場合は、一日葬になることがあります。

参列者は自由で、家族だけでも知人を招いても行えます。

希望が通る葬儀会社なら、「音楽葬」や「ワイン葬」など生前の自分らしさを表現した一日葬というのもできるようです。

ただその日に火葬まで行いますので、火葬場の都合を考えると友引を選ぶことはできません。

しかし一日葬は葬儀場や菩提寺によってできない場合もあるので、生前に話し合っておくのがよいでしょう。

直葬は火葬式になりますので、こちらも火葬場の都合で友引以外の日になります。

結婚をしていない、子どもや兄妹がいないうえにパートナーに先立たれた、といった場合、何も残すことなく亡くなると、自分の意志とは関係なく、自治体が火葬式のみ行うことがあります。

どんなに信頼できる友人がいても、葬儀は親族以外が決めることはできません。

この場合は通夜をおこなわない「火葬式」だけになってしまいます。

元気な親族がいない場合は、必ず自分の最期のことを決め、あらかじめ遺言書を公正証書で法務局などに残しておきましょう。

元気なときにどれほど財産があっても、葬儀を行ってもらえないどころか、先だたれたパートナーと同じ墓地に弔ってもらうこともできなくなります。

まとめ

通夜は仏滅の日の前の夕方で、告別式は仏滅に行う。
こういったことが当たり前の時代ではなくなりました。

葬儀場も火葬場も僧侶のスケジュールも、都合がつかないこともあります。
そして、遺族の意志や故人の希望も生かすことができる時代です。

遺族はいろいろな事情を考えて、通夜や葬儀の日、時間を決めることができます。
高齢になったら、元気なうちに自分の最期を決めるのもよいでしょう。

昔ながらの吉凶にこだわるより、遺族にとってよいお別れになるように、ご遺体が安らかに最期を迎えられる日にしましょう。

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