葬儀の形式が多様化している昨今、一日葬を検討している方も多いのではないでしょうか。
しかし「1日でちゃんと弔えるの?」「どんな流れになるの?」など不安な面も多いですよね。
中には葬儀を簡略化することに抵抗がある方もいらっしゃるでしょう。
今回の記事では一日葬がどのような葬儀か流れと内容についてご紹介していきます。
後悔のない葬儀を選択できるように、ぜひ最後までお読みいただければ幸いです。
一日葬ってどんな葬儀?
一日で「告別式」「火葬」を行う葬儀
一日葬とはお通夜を行わず、告別式と火葬のみを執り行う葬儀です。
一般的な葬儀は一日目にお通夜を行い、2日目に告別式と火葬を行いますが、一日葬はお通夜がないため一日で必要最低限のことを行うことができます。
「一般葬」「家族葬」との違いは?
一日葬と一般葬の大きな違いは葬儀にかかる日数です。
お通夜はありませんが、葬儀・告別式は一般葬と同じように執り行われます。
一日葬は参列者の制限もないため、故人と縁のある方を幅広く呼ぶことができるでしょう。
家族葬は一般葬と同様に2~3日かけて葬儀を執り行います。
しかし、参列者は家族や親しい人たちに制限して行われることが多く、仕事関係の人や近所の方など一般の方をお呼びしないのが一般的です。
一日葬と家族葬の違いは、葬儀にかかる日数と参列者の範囲といえます。
「直葬」との違いは?
直葬はお通夜や告別式は行わず火葬のみ行う葬儀です。火葬のみ行うため、より短時間での葬儀となります。
コロナ渦では感染のリスクを軽減するため、直葬の形式を取る方も増えました。
一日葬と違い、直葬は告別式も省かれる葬儀となります。
一日葬が選ばれるようになった理由

近年、葬儀の形は多様化しており故人や家族の意思で一日葬を検討されている方が増えています。
では一日葬はどのような理由で選ぶ方が多いのでしょうか?
遺族や参列者の負担を抑えたい
近年ますます高齢化が進み、喪主や親族が体力的に不安を持っている方が多くなりました。さらに住まいが遠方であれば、宿泊が必要な場合もあるでしょう。
こうした方々にとって葬儀にかかる2日間は負担が大きいです。
一日葬であれば一日で葬儀が完結するため、遺族や参列者の負担を減らすことができます。遠方であっても日帰りで参列することが可能でしょう。
2日間の日程を調整するのが難しい
葬儀は約2~3日間かかるため、仕事をしている人は休まなければいけません。
共働きの家庭が増えているため、仕事の休みを調整することが難しい場合もありますよね。
一日葬であれば全ての工程が1日で済むため、休みを調整する必要がなくなります。
葬儀にかかる費用を抑えたい
葬儀の費用面で不安がある方は多いのではないでしょうか。
一日葬はお通夜を執り行わないため、その分の会場利用費などが抑えられます。
食事や返礼品の準備も少なく済むため、一般葬や家族葬と比べて費用が抑えられるでしょう。
一日葬の流れとかかる時間

一日葬はお通夜を行わないため、亡くなった翌日に告別式から火葬まで執り行います。
葬儀の前日から火葬までどのような流れで行われるか、解説していきます。
一日葬の流れ
一日葬の流れはお通夜がないだけで一般葬とほとんど変わりません。
大まかな流れは以下の通りになります。
【葬儀前日】
- 逝去後、遺体を安置場所へ移送する
- 葬儀の担当者と打ち合わせを行う
【葬儀当日】
- 納棺の儀式を行う(約30分~1時間)
- 葬儀・告別式を行う(約1時間)
- 火葬(約1時間)
- 骨上げ(約30分)
- 初七日法要(約30分)
- 精進落とし
亡くなった後は葬儀を行うまで遺体を安置しておく必要があります。
病院で亡くなった場合、長時間霊安室に安置することはできません。一般的には自宅か葬儀社の安置所まで移送されます。
そのため葬儀は一日で済みますが、ご安置のために会場を何日間か使用することになる場合もあるでしょう。
葬儀当日は告別式、火葬の流れとなります。
昨今では葬儀と同じ日に初七日の法要を行うことも多いです。また、精進落としの会食を行う場合もあります。
一日葬はどれくらい時間がかかる?
火葬場の利用状況や移動時間によって個人差がありますが、約5時間ほどで一日葬は終わります。
朝早くから納棺の儀式を行い、昼頃に出棺し火葬ということもあるでしょう。
一日葬にかかる費用はどれくらい?

葬儀費用を抑えるために一日葬を検討されている方は多いと思います。
実際には他の葬儀形式の費用とどのぐらいの差があるのでしょうか?
一般的な葬儀費用は以下の通りになります。
葬儀費用 | 飲食費 | 返礼品 | 総費用 | |
一日葬 | 約90万円 | 約20万円 | 約20万円 | 約130万円 |
一般葬 | 約150万円 | 約40万円 | 約50万円 | 約250万円 |
家族葬 | 約100万円 | 約20万円 | 約20万円 | 約140万円 |
直葬 | 約45万円 | 約20万円 | 約20万円 | 約80万円 |
一日葬は一般葬や家族葬と比べて費用が抑えられることがわかります。しかし葬儀費用全体では家族葬と大きな差がありません。
一日葬であってもご遺体は前日から会場に安置するため、2日分の会場費が発生することが理由と考えられます。
一日葬で注意する3つのポイント

一日葬は遺族や参加者の負担を軽減できるメリットの多い葬儀です。
しかしながらスムーズに葬儀を行うためには注意が必要なポイントがあります。
ここでは3つのポイントをご紹介していきます。
①菩提寺の許可が必要になる
一日葬はまだ新しい葬儀のスタイルです。そのため本来のお通夜・告別式・火葬式の流れを行わないことに反対される可能性もあります。
菩提寺がある場合は一日葬に対応してもらえるか事前に相談が必要です。
②その日に予定がある人は参加できない
一日葬は期間が短いため参列できる日が限られています。
故人にとって親しい人であっても参列が困難になる場合があります。
③費用は変わらない可能性がある
一日葬の費用は家族葬と大きな差がないことをお伝えしました。
予想と違い会場費は変わらないことがあるため、事前に確認しておく必要があるでしょう。
まとめ
今回は一日葬の特徴や流れについて説明しました。
一日葬は葬儀による体力的、時間的な負担が減らせるためメリットは多いでしょう。
しかし費用面では家族葬と大差がないことや菩提寺への確認が必要になるなど、注意点がいくつかあります。
人生の最期のお別れの時間は悔いの残らないものにしたいですよね。
ぜひ今回の記事を参考に、どのような形式で葬儀を行うかもう一度検討してみてください。