看護師が解説!家族が病院で亡くなった後の流れと知っておくべきこと

現代は核家族化のため近親者を看取り、おくるという経験をする機会が少なくなりました。

そのため「何をすればいいのかわからない」「具体的なイメージが沸かない」という方は多いのではないでしょうか?

大切な家族と過ごす貴重な最期の時間を、慌ただしく過ごしたくはありませんよね。

この記事ではご家族が病院で亡くなった後の流れや知っておくべきことについて解説します。

最期の時間がつらく悲しいだけではなく、かけがえのないものになるよう参考にしていただけると幸いです。

大切な家族との最期の時間をどう過ごすか

病院では残念ながら最期のお別れの時間をゆっくりと過ごすことが難しい場合があります。

亡くなった時間帯や病院によっては、慌ただしく退院の準備を進められる場合もあるでしょう。

ご家族の中には「亡くなった後は触ってはいけないのでは?」「遺体の扱いは決まりがあるから口をはさんではいけない」などと思っている方もいます。

最期の時間の中心はご家族です。気になることや希望があれば看護師に伝えましょう。

ゆっくり触れることができる時間

近年では時代の変化で直葬や一日葬を選択する方も増えました。

直葬や一日葬は一般葬と比べて圧倒的にご遺体と接する時間や機会が少なくなります。

また喪主や親族側であれば葬儀の準備や参列者の対応で故人とゆっくり過ごせない場合もあるでしょう。

病院で亡くなった後の数時間は故人と過ごす最期の貴重な時間になります。

特にエンゼルケアに参加することは故人へ感謝の気持ちを伝える機会になるでしょう。すべてのケアに参加せず、お顔の清拭やメイクだけでも構いません。

その人らしく整え、触れる時間はかけがえのない体験になるはずです。

病院で亡くなった後の流れ

病院で亡くなった場合、退院までどのような流れになるのか説明していきます。

医師による死亡確認

まず医師による死亡確認が行われます。

「心臓拍動の停止」「呼吸停止」「瞳孔散大・対光反射停止」の3つの兆候があるか医師が確認します。

場合によっては、医師から亡くなるまでの経過について説明があるでしょう。

お別れの時間を過ごす

死亡確認が行われた後、ご家族だけでお別れの時間を過ごすために医療者は席を外します。

お別れの時間として30分程度の時間をとる病院が多いでしょう。

この時間は慌ただしくお帰りの準備をする必要はありません。大切な人の「生」の余韻を感じながら、水入らずで過ごしてください。

退院までの流れの説明

看護師から退院までの流れや手続きについて説明があります。

説明は亡くなった方とつながりの深いキーパーソンとなる方が望ましいです。

しかし亡くなった直後は強い悲しみで、冷静に話を聞くことができない場合もあるでしょう。状況によっては話ができそうな別の方に説明することもあります。

エンゼルケアを行う

看護師がエンゼルケアを行います。

エンゼルケアは身体を清潔にし、エンゼルメイクや更衣をしてご遺体をきれいに整えることです。状況によっては洗髪をしたり、入浴をする病院もあります。

時間は30分~1時間ほどかかることが多いです。

退院時の服はどんな服でも問題ありません。着物やスーツ、ドレスなどその人らしさが表現される服があれば持参しておきましょう。

葬儀会社の手配をする

葬儀会社へ遺体の搬送を依頼します。

葬儀会社が決まっていない場合は、病院から紹介を受けることも可能です。

病院は長時間ご遺体を安置できない場合が多いので、退院までの説明を受けた後にすぐ連絡をしておきます。

葬儀会社からはお迎えの時間を確認されるので、看護師に退院の準備が整う時間はいつか聞いておきましょう。

死亡診断書を受け取る

死亡診断書の原本を受け取ります。

病院外へご遺体を搬送するときは必ず死亡診断書が必要です。特に自家用車でお帰りになる場合、死亡診断書を持たずに検問に遭遇すれば死体遺棄の疑いをかけられてしまいます。

亡くなってから退院までにかかる時間は、葬儀会社のお迎えやご家族の都合で変わりますが、3~4時間ほどのことが多いでしょう。

また入院医療費は後日の支払いで問題ない病院がほとんどですので、当日の支払いは不要です。

病院を出た後の流れ

ご遺体の安置と僧侶への連絡をする

ご遺体は自宅もしくは葬儀式場へ搬送され、翌日まで安置します。
安置した後は菩提寺に連絡をし、葬儀の日程調整をしましょう。

葬儀会社と打ち合わせを行う

葬儀会社と葬儀の日程や会場の相談を行います。

訃報の連絡をする

親戚や故人の友人・知人へ訃報の連絡をします。
家族葬の場合、参列を辞退して欲しい方へは葬儀の日程連絡は控えておきましょう。

葬儀の案内をされると参列をした方がいいのか混乱してしまいます。

 

亡くなった後に家族がすること

亡くなった後の身体の変化に対処する

ご遺体は時間の経過とともに様々な変化があらわれます。特に自宅で安置する場合は、身体の変化に驚いてしまう方もいるでしょう。どのように変化していくか、対処方法については看護師や葬儀会社のスタッフから説明があります。

主な変化は以下の通りです。いずれの変化も異常ではなく自然現象ですので慌てず対応しましょう。

  • 肌が乾燥してくる
  • 血色が失われ青白くなる
  • 身体が硬くなり、やがてゆるむ
  • 鼻や耳、口から体液が流出する
  • においが発生する
  • 腹部が膨らむ

亡くなった後の届け出や手続き

亡くなった後は様々な手続きをする必要があります。期限のあるものも多いため、いつまでにどのような手続きが必要か把握しておきましょう。

必要な手続きや届出は下記のようなものがあります。

【必要な手続き】

  • 医療費の支払い
  • 高額医療費の還付請求の手続き
  • 故人の諸契約の解約手続き

【必要な届け出】

  • 死亡届の提出(7日以内)
  • 年金受給停止の手続き(10日以内)
  • 国民健康保険資格喪失届(14日以内)
  • 介護保険の資格喪失届(14日以内)
  • 世帯主変更届(14日以内)

まとめ

大切な家族を失うことは人生で最もつらい体験のひとつだと言われています。

そんな深い悲しみの中で、葬儀の準備や手続きなどを進めなければいけないご家族の負担は計り知れません。

病院で亡くなった後の数時間がこれからの人生でかけがえのないものになり、心を癒すきっかけになることを願っています。

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