今年は梅雨らしい梅雨ですね。いつ梅雨明けになるんでしょうね。
梅雨明けを楽しみに待っているという感じですね。
今日はどういうお話になりますか?
今日は不老不死の現在地ということで、「老いなくて死なない」という。
死なないっていうのは辛いと思うよ。
おっしゃる通りですよね。どういう状態で生きるかというのは大事だなぁと思うんですよね。
そうですよね。
不老不死は人類の長年の夢ですが、結論から先に言えば、現時点では実現は困難だと言われているのですが…。
お、可能性があるわけ?
実はたくさんの可能性がありまして、寿命を延ばす方法とか、健康寿命を向上させる手段というのはいくつも開発されてきています。ちょうど4年前に、エイジングテックについてこちらでご紹介させて頂いたのですが、それ以降にほぼ現実化して。
そうなんですか。
まず一つ目は、ロケット開発技術と共に開発されてきた人工冬眠技術というものがあって、言ってみたら地球から火星に行くとかなった際に、人間の通常のサイクルでいくと相当な距離になると。そうすると加齢したりコスト高になってしまうので体の活動状況を下げるという技術をずっと開発されてきていて。これは動物実験では既に成功していて。
これは成功していますよね。
冬眠していれば長生きできるんですよね。でもこれって仮死状態ということですよね。
人工冬眠技術の可能性のひとつとして、現代社会で治せない病気が未来で治せるという希望がありますね。
そういうことか。病気が治らない人は仮死状態にして未来で治してもらうと。
場合によっては特効薬があると。 そして二つ目は若返りの薬について。これは4年前にご紹介したNMNというような成分の物、もしくはメトホルミンというような、老化を病気として捉えたときにそれを改善する効果がある物質というのが少し特定され始めていて、治験も進んでサプリメントとしてすでに販売が始まっているということで。これ自体は十数年歴史があって、ただ、確固たる研究成果はこれからということなのですが。
「抗老化」、老化に対する抗いですね。
アンチエイジングですね。
抗老化という文脈で行くともう一つ、「人口幹細胞」というものがあって、これは万能細胞というものを自分の皮膚から作り出して、例えば肝臓や腎臓などの臓器を作り出すという技術、これはまだ実装されてはいないのですが、自分と同じ遺伝子から作った自分の臓器と取り換えができる、つまり老化した臓器から新しい臓器へ取り換えができるんですよね。
で、今日のお話で中心になる不老不死の現在地の一つの方法として出てきているのが、「脳の移植」。
ほぉ。
意識が寿命のない世界で生き続けるという話になるのですが。
実は今年に入ってから目覚ましい勢いで「AI技術」というのがありますよね。
今盛んに話題になっているよね。
アメリカでは役者さんがAIで自分と似たような奴が出演しちゃえば、職がなくなるとストライキをやっていますよ。
かつて画像を生成するというものはあったのですが、例えば言葉から映像を生成できたり。何もなかったところから文字や文章で問いかけることによって動画や画像を生成するというのが、今使える技術として生まれたわけなのですが。実は、今年特に注目を集めている理由が、「チャットGPT」という文章でやりとりができるAIというのが今年の1月~2月くらいから無料で開放されたというのもあって爆発的に増えたと。
はいはい。
実はこのチャットGPTという会社は、マイクロソフトという会社が半分所有しているんですよね。
マイクロソフトを紐解いていくと、2021年の1月25日に亡くなった人からチャットボットを生成するという特許を取得しているんですよね。
具体的に言うと?
例えば歴史上の偉人、国内で言ったら松下幸之助さんや本田宗一郎さんみたいな近現代の方、こういう方は資料が多かったり著書があったりしますよね。
なるほど。
そういった考え、思考プロセスというのを読み込ませて、本人が現代に生きていてこの質問をしたら何と答えるかという。
なるほどなるほど(笑)
この技術の特許を既に米国で2年前に取得していたんですよね。 チャットGPTはオープンAIという会社が半分所有していて、この先起きる未来として、亡くなった偉人を蘇らせるプロジェクトを。これは偉人に対しての話ですが、実はつい先週「インタープリター」という技術ができまして、これは、AIが昨日話したことを忘れてしまうことがあったのですが、蓄積させることができるようになってきたんですよね。それを一般の人も使えるようになったのですが。
なるほど。
つまり、一般の人の意識や思考プロセスといったものをインプットするようになったと。これは1980年代や70年代の映画の中ではまことしやかに描かれる場面があったのですが、2023年の今年、実装間もなくというところまできているということで。
なるほどねぇ。
過去の偉人や、日本でも数年前に美空ひばりさんがAIで復活するみたいな話ありましたよね。
紅白で歌ってたよな(笑)
AIがこれからできることと言えば、例えば美空ひばりさんの新曲を出す。
あ~~、分かるなぁ。声の雰囲気とかね。
あとビートルズに新曲を書いてもらうとか、そういうことが今後あり得ると。
ただ、対話型のAIでも、本人を精密に再現すると何が起きるかと言うと、おそらく違う人として受け止められるのではないかと言われていて。
あぁ~。
本当に精密にできた本人を再現したとすると、おそらく、更新されていく意識というものも持ち得るので、別人に感じるのではないかと言われているんですよね。
そうなんだ。そういうのが普通になった社会は果たして幸せなのかね?
どう思いますか?ちなみに武田先生は先程の抗老化薬を使えば近い将来人間が200歳まである程度生きる社会が来るのではないかと言われているのですが、仮に自分が200歳まで生きたらどう過ごしたいですか?
これは考えちゃいますね。亡くなるということがあるから今頑張ってみようと思えるわけで、無限の中にいると不安になるんじゃないのかなぁ。自由がありすぎると不自由なんですよ。ある種の限界があるからこそ人間は頑張っていかれるんじゃないのかね?
無限にこんなことをつらつらとやっていくとなると辛いものがあるよね、やっぱり。
3時間の生放送は強烈ですよね(笑)
これを200年やるっつったら、おいおいおいおい(笑)って感じになっちゃうんじゃないの?
確かに(笑)ただ、今研究されているのは、単純に寿命を延ばすというよりも健康寿命をどう延ばすかという文脈で、今言われているのは70歳の方が仮に抗老化薬を飲んだとして、10代の体にはなれないかもしれないけど、40代くらいなら戻れると。 そんな中で、体感地60歳頃の自分を、あと50年、60年その時間があるとすると、元気健康ならいいのかなぁというのがありますね。
篠原さんはどうなの?
僕はちょっと思ったのですが、食料問題などの他の問題が解決できないので…
そうだよな。後は地球環境だよ、重要なのは。
人間だけ生きれてもしょうがないですからね。
死ぬことがなくなればあんたの仕事なくなるよ?
そうなんですよね(笑)そうなると次に必要なのは死の選択権になるのではないかと思うんですよね。
「私は200歳で死にたい」と、そのようにしたいと。
現在の日本では死の選択権というものが基本的にないですよね。
ほとんどないと言ってもいいよな。
痛みのない中で眠るようにという選択が、もしかしたら200年時代には必要になるのではないのかなと。
ラジオをお聴きの皆さんはこういった世界が幸せだと思いますか?
私はね、マイクロソフトさんが色々考えてくれるのはいいんだけど、もっと環境問題を真剣に考えてほしいよ。
大変な問題だと思いますね。
人類は生き延びられるのか?という、最近の雰囲気見るとそういう感じするじゃないの。
本当にそうですよね。今話している話は夢物語ではなくて、私たちが生きているここ10年~20年の中で、実装された未来がやってきそうですよね。
あるだろうな。
株価についても、マイクロソフトはGAFAというところから外れていたのですが、今は世界2位の会社にまでなっていると。つまり、お金が集まっていてこれでまた開発がされているということですね。
いやぁ、なんとも異世界になってきましたね。
武田先生の意識が永遠に生きるという時代がやってくるかもしれませんね。
いいのかね、それはそれで(笑)
どうでしょうね(笑)自我が芽生えるかもしれませんね。
こういうことをたまには考えてみるのも面白いですね。