2018.09.15「タンス預金」

おくりびとからのメッセージ

武田
武田

さあ、皆さんタンス預金はいくらありますか?今日は「タンス預金」のお話。

篠原
篠原

そうですね。

武田
武田

まあ、金利が低いから銀行に預けてもお金増えない。だったらタンス預金にしようかという方多いんじゃないかね?

篠原
篠原

本当ですね。一頃1980年代ですかね…7年ぐらい銀行に貯金を預けていると、複利で倍になったなんていう時代があったようですね。

武田
武田

7年で倍かねぇ。

篠原
篠原

6~7%という金利の時代のようですが、現在でいくと良くて0.1%とかですから…そうすると、720年かからないと倍にならないんですね。

武田
武田

なるほどね。

篠原
篠原

そういう時代ですが…。今日は、意外と知らないタンス預金の世界ということで、タンス預金、要はお家の中で保管、管理してる現金ですね。

武田
武田

今タンスあるお宅って…それでも多いか?

篠原
篠原

現在で言えば、例えば金庫や床下に隠すというのもタンス預金。このタンス預金が急増しているというのが昨今のニュースでも目にするようになってきたところなんですが、実は2016年に日本銀行が調査をまとめて報告をしたところによりますと、タンス預金が78兆円ほど国内にあると言われてまして。

武田
武田

本来ならこれ、流通しなきゃいけないお金なんだけどねぇ。

篠原
篠原

そうですね。貯めてしまう心理は多いんですよ、理解できるところではあるんですけど。

武田
武田

分かりますよ、これも。

篠原
篠原

ただ、今はマイナス金利みたいなところもあると思いますし、それから2015年以降は特に増加ペースが上がっていると言われていまして。と、言いますのも、2015年にあったこととして、相続税の改正で随分相続税が上がったというところと、それから2016年にはマイナンバーが導入された。

武田
武田

ああそうだね、うん。

篠原
篠原

こうやって預金が紐付けされてしまうと、場合によって不利になるんじゃないかという気持ちが働いて。

武田
武田

確かにあるよ。銀行なんかに貯めておくと、数字でちゃんと証拠が残っちゃうからね。

篠原
篠原

そうですね。

武田
武田

このタンス預金は誰も知らないから、そのまんまじゃあ、これ孫にやっちゃおったって分からんからね。

篠原
篠原

追いかけられないっていうか、分からないんですよね。

武田
武田

相続税逃れ。あるなぁ、これは。

篠原
篠原

で、そういったお金が今国内には78兆円位あると言われている訳ですが…。

武田
武田

凄いね!

篠原
篠原

実は、タンス預金が増えたと見られる2015年以降に、家庭用の金庫が売れに売れているというニュースが話題になったんですよね。

武田
武田

う~ん。

篠原
篠原

実際の2016年に、1万円札が例年よりも1兆8千億円分増刷されたという。

武田
武田

そういうことですか。

篠原
篠原

ですので支柱資金が。

武田
武田

少なくなっちゃったんだ。

篠原
篠原

少なくなった。そのぐらいのインパクトがあったんですね、そのマイナンバーと相続税というのは。

武田
武田

なるほどね。

篠原
篠原

で、合わせて伝えたいところで、タンス預金が増えるに従って、現金遺失物が毎年増えてきているんです。落とし物も現金なんですよね。

武田
武田

分かるような気がするよ。大体貯める人はお年寄りだから忘れちゃうんだなぁ。

篠原
篠原

そうなんです。入れておいたけども例えば見つからずに誰にも分からずにゴミとして捨ててしまって、それが出てくるというのが、最近のニュースとして非常に多いんですね。

武田
武田

ゴミもしっかり見ないといけないねえ。

篠原
篠原

本当にそうなんですね。警視庁による現金の落とし物の調査というのがございまして、因みに2016年1年間で全国で177億円ほど現金遺失物があったと…。

武田
武田

大変な額だよ、これね。

篠原
篠原

大変な額ですし、この2016年だけ多かった訳ではなくて、実は直近5年遡って見ましても、毎年150億円以上が落とし物として出ているんですよね。

武田
武田

なるほど、これが現金で出るの。

篠原
篠原

はい。宝くじ7億円からすると、実はそのゴミに目を傾けた方がいいんじゃないかというぐらい落とし物として現金が出ていると。

武田
武田

ということは、日本人は真面目ですね。届けるんだよ、現金の落とし物。

篠原
篠原

その通りなんです。

武田
武田

届けてない分含めたら大変だよね。

篠原
篠原

仰る通りですね。届け出が出て、警察庁、警視庁の方で把握してるだけで、これだけあるということなんですよね。

武田
武田

200ぐらいあるんじゃないの、本当は。可能性としては、もっとあるかもしれないね。

篠原
篠原

あるかもしれないですね。昔にあったんですが、覚えてますかね…竹やぶに2億円の落とし物があったことがあって。

武田
武田

なんかあったなあ~、そういう事件ありましたね。

篠原
篠原

ありましたよね。 1990~2000年代にかけてというのは、表に出せないお金ということで話題になったことがありましたが、近年はステージが変わって、どちらかというとゴミ処理場に出てくるという。家族が知らないで捨ててしまったタンスの中や、様々な家具の中、もしくは自宅を解体する時に出てくるんですね。

ということで、いわゆる現金が出てくる場所は変わってきたのですが、やはりその原因として辿っていくと、昨今の核家族化といいますか、親と子供が一緒に住んでいないことによって伝えられないでいるケースだとか、もしくは高齢になるに従って外出を躊躇うようになって、自宅にタンス預金というか、手元に置いておくという。

高齢の方の特徴として、銀行などで一度で沢山の現金を引きおろすというのが特徴としてあるようなんですが。

武田
武田

うん。

篠原
篠原

こうしたものが巡り巡って発見されないというのが最近のニュースですね。

武田
武田

いや、お年寄りの皆さんも昔みたいに家がしっかりしていてね、次世代の人が自分の面倒ちゃんと見てくれるという保証がある。そんな心配全くなかった頃はそれほどタンス預金やる必要ないけどさ、今見てくれるかどうか分かんないじゃん。いざとなったら困るってのがあって、そういう心理がやっぱりタンス預金の増えている心理に繋がってると思いますよ。

篠原
篠原

そうですね。そして実はそういったご高齢な方の特徴で、暮らしぶりはそんなに派手ではない、質素な生活をしているので、家族にしてもまさかそんな現金があったなんて知らなかったという、こういう例が実は非常に多いんです。

今、終活ということで様々整理や片付けを進めたりするのですが、日頃のコミュニケーションを取りながら、これも1つの家族の希薄化の中で起きてきてる問題だというのも非常に感じるんですね。

武田
武田

驚きですね、そんなにあるんだねえ。

篠原
篠原

因みに、落とし物として届られた現金は、実際にどうなるかなんですけれども、因みに東京都で36億円ほど2016年に落とし物があったようなんですが、そのうち27億円は落とし主に返還されたと。

武田
武田

立派だねえ。

篠原
篠原

立派ですよね。この落とし主が見つからなかった現金が9億円ぐらいあったということなんですが、これはいわゆる財政もしくは国保に入っていくものになるかと思うのですが、もし仮に廃棄物から大金が出てきたり、ゴミ処理場からお金が出てきたらどうしたらいいかという案内を。

武田
武田

どうしたらいいんですか?自分のものにしてもいいんじゃないですか(笑)

篠原
篠原

自分のものにしちゃうと、遺失物法というところに。

武田
武田

引っかかっちゃうんだな。

篠原
篠原

横領罪みたいなものになってしまうのですが。

武田
武田

でもどうせ捨てたんだからいいと思うんだけどねえ、庶民感情としてはだよ?

篠原
篠原

感情的にやはり思ってしまうところなんで。今一応これ届けたとします。

武田
武田

はい。

篠原
篠原

一応、3カ月間経って落とし主が現れないと、届けた人が所有権を獲得できるんです。

武田
武田

そうか、3カ月の間、祈りたいね。

篠原
篠原

そして、3カ月間仮に落とし主が見つからなかったとして、2カ月以内に受け取りに行かないと所有権がまた移ってしまうという。

武田
武田

なるほど。

篠原
篠原

ですので、落としたら3カ月間待って、そして2カ月の内には申請に行かないといけないという。

武田
武田

これ、2カ月の内に行かなかった場合は国の物になっちゃうんだ?

篠原
篠原

そうなんです。2007年の改正からですね。昔はもう少し長かったのですが、現在の法律ではそんなルールだそうで。因みに、落とした人が見つかった場合にお礼を請求する権利があるんです。

武田
武田

法律で決まってる訳?何パーセントってのは。

篠原
篠原

そうですね、100分の5~20という。

武田
武田

100分の5~100分20。

篠原
篠原

はい。それで最大20%ほどの受け取る権利があるということで、この請求する権利も実は期限があって、落とし主が現れてから1カ月以内には請求しないといけないものなのですが、なるべく正直に届けて、落とし主が見つかったら少しお礼として若干受け取ってもいいのではないかと思います。

武田
武田

なるほどねえ。いやぁ、まずは落とさないように注意しないといけないね!

篠原
篠原

そうですね。最近、所在の分からない財産っていうのが、タンス預金の他にも色々あって、例えばネット銀行とか。

武田
武田

はいはい、そうだよね。

篠原
篠原

こういうものも、ものによってはメールでだけ来るような銀行もしくは証券会社等もあって、家族として非常に把握が難しい財産が出てきてるのですが、タンス預金もそうですし、目に見えづらいネット金融なんていうところにも、最近は段々と家族でも情報共有しないといけないような状況なんじゃないかと思いますね。

武田
武田

なるほど。篠原さんは、お金落としたことありますか?

篠原
篠原

財布を20歳前後の頃落としたことがありますね。

武田
武田

どうなりましたか?

篠原
篠原

出てこなかったんですよね…。

武田
武田

そう…。うちはね、最近カミさんがね、車から降りる時にねぇ、財布落としちゃったんだよ。

篠原
篠原

そうなんですね。

武田
武田

ところが、その財布を拾ってくれた信州大学の学生さんがね、伊那でね、伊那署の方にちゃんと届けてくれて、カミさん気が付かねえんだよ。もうしょうがないもんな、気がついたら伊那署にあるって伊那署へ行きましたね。

篠原
篠原

凄いですね!

武田
武田

しっかりとありましたね。長野県ってのは治安がいい。

篠原
篠原

本当ですね。

武田
武田

本当素晴らしいよね。いや、皆さん是非お金落とさないようにして下さいませ。

篠原
篠原

そうですね、お気をつけて。

武田
武田

今日はタンス預金のお話でした。


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