2016.01.23「葬儀屋さんの選び方」

おくりびとからのメッセージ

武田
武田

篠原さんは、長野県第一号おくりびとでございますね。あれから何年経つんですか?

篠原
篠原

11年ですかね。

武田
武田

もうそんなになるんだね。

篠原
篠原

はい。結構経ちました。

武田
武田

さて、今日はどんなお話ですか?

篠原
篠原

今日は「葬儀屋さんの選び方」といったお話をしたいと思います。

武田
武田

冬は亡くなる方が結構多いんだよね。

篠原
篠原

そうですね。冬寒くなってくると増えますし、特に自宅の中で寒暖の差が大きくなるような時期というのは、多いですよね。

武田
武田

そうだなぁ。

篠原
篠原

今年は異常な気候で、最近暖かいと思っていたら、急に寒くなってきたりしましたが、こういった状況になると忙しくなる印象です。

武田
武田

お年寄りの皆さん方は、トイレや風呂場で倒れないように注意が必要ですよね。そして最悪の場合亡くなってしまわれたら、葬儀屋さんを一体どうやって選んだらいいか、ということでございますね。

篠原
篠原

やはり葬儀は避けられないものですから、利用しなければならない葬儀屋をどう選んだらいいかというお話をしたいと思います。

実は、昨年2015年に、お葬式のトラブルによる相談が国民生活センターに寄せられて、相談件数が700件を超えたとNHKニュースで発表されていましたが、こういった相談が年々増えているそうなんです。

武田
武田

どういうトラブルが多いのかね?

篠原
篠原

やはり、お葬式というものは購入頻度が低いというか。

武田
武田

そうだよね。初めての人だって多いでしょう?

篠原
篠原

そうですよね。下手したら、一生のうちで一度も喪主をやらない方もいらっしゃいますからね。

武田
武田

そうそう。

篠原
篠原

つまり、よく分からない高額な買い物になりがちなんです。変な話、こうしたよく分からない高額な買い物というのは、衝動買いしてしまうことが多くて。葬儀の他には、住宅、車、生命保険などの高額なもので、知人の勧めなどの色々な経緯で購入することもあると思いますが。

武田
武田

葬式の衝動買いかぁ。

篠原
篠原

で、どうやって葬儀屋さんを選んだらいいかというところで。一番多く起きる問題は「思っていた以上にお金が掛かった」という。近年、家族葬を希望する方が多いそうですが、そういった方というのは、およそ100万円いかないぐらいの金額でお葬式を行うということを念頭に置いている方が多く、その金額を超えてしまって、という。

武田
武田

なるほどなぁ。

篠原
篠原

他には、お葬式を選んで購入する消費者と、提供する側の間の情報量に格差があってトラブルになるとか。お葬式って、冷静に判断できない状況が多いですよね。

武田
武田

色々な内容が詰まっているし、忙しいしなぁ。

篠原
篠原

忙しさという意味では、大切な肉親を失って動揺しているときに、例えば速やかに病院から移動しなきゃいけない状況で、葬儀屋さんどうしますかという話になって、みたいな。葬儀屋さんに頼まなくても自家用車で運べますが、近年はそのような方は多くないですね。

武田
武田

自家用車だと難しいでしょう。普通の車では無理だものね。

篠原
篠原

中々大変だと思います。

死というのは時間を置いて考えるということができないものです。腐敗してしまうし、放置すると刑法に触れてしまいますから。そして、人が亡くなったと聞きつけた様々な方がお弔いに来ますから、失礼があってはいけないと、煩雑になりますよね。

武田
武田

接待をしなきゃいけないでしょ?

篠原
篠原

他にも色々なことに気を取られる場面があります。「火葬場の予約はどうしよう」とか、「宗教者の方のご予定は大丈夫か」とか。急かされるような気持ちになりますよね。こうした冷静に判断ができない状況下で、お葬儀が上手くいかないことがあるということでして。

武田
武田

そうでしょうね。

篠原
篠原

逆に、葬儀屋さんを選んだときのポイントはどこかという、日本消費生活センターのアンケート結果があるのですが。

武田
武田

興味深いですな。

篠原
篠原

まず一つ目が、「距離の近さ」。ご近所さんのことも配慮して、距離の近い場所を選ぶそうですね。

武田
武田

なるほど。

篠原
篠原

二つ目は「以前利用したことがある」「足を運んだことがある」ということで選んだり。一度も行ったことがない所は不安ですから。

武田
武田

確かに、それはあるな。

篠原
篠原

そして三つ目は「知人や親戚の勧め」ということで。3つ見てきて分かりますが、サービス内容だとかはあまり考えられていないようですね。

武田
武田

考えていないね。

篠原
篠原

もしかしたら、お葬式って選ぶものという感覚があまりないのかも知れないですね。

武田
武田

篠原さんは「お葬式は高額な買い物」って言ったけど、買い物のイメージがないよね。

篠原
篠原

そうだと思います。

武田
武田

でも、サービスが全部違う訳だから、実際これは買い物だよな。

篠原
篠原

高額になればなるほど人は衝動買いしてしまいがちだと思っていまして、ましてはお葬式って割と考えたくないことですよね。よく「認知バイアス」なんて言いますが。

武田
武田

そうなんです。日本には言霊が信じられていて「そんな縁起の悪いこと」「生きてるのに葬儀屋のことを考えるなんて」と思うかも知れませんが、本当は考えておいたほうがいいんだよな。

篠原
篠原

そう思います。考えたり調べたりしないと、思うようにならないことってありますから。でも、言葉にしたり行動したりすると、現実になってしまいそうな気がしますよね。

武田
武田

そうそう。本当は、そんなことはないのだけれどもね。

篠原
篠原

しかし、言葉の重みってありますから、非常に難しいところですよね。

武田
武田

難しいところだよな。

篠原
篠原

こうしたこともあって、率先して調べたり、自発的に動く人は中々少ないですので、どうしたらお葬式によるトラブルを回避したり、納得のいく形にできるか、というところなんですが。

武田
武田

大事なところですよね。

篠原
篠原

一番大切だと思うのが、葬儀社に行って、見学して、お話を聞いてみるということで。電話もそうですが、直接自分の耳で感じたこと、接してみて表情から伝わることって、想像以上に大切ですから。まぁ、気は進まないと思いますが、葬儀屋さんを選ぶには、是非一度お会いしてみるのがいいと思います。

武田
武田

なるほど。

篠原
篠原

そして、できれば2社以上足を運んでみてはどうかと思います。どなたかのお葬式の時に行ったことがある葬儀社でも、実際に話を聞いてみると違うところもあると思います。自分の目で見て、聞いて、話してみるということは、商品やサービス以前に大事だと思いますね。

武田
武田

確かに、そうですね。

篠原
篠原

あと、よく「複数から見積もりを出してもらいましょう」というお話があって、もちろん事前に見積もり出してもらうことは可能であると思いますが、お葬式の見積もりって、難しいんです。

武田
武田

難しいんですか?

篠原
篠原

複数の細かな項目に及びますし、どこまでカバーされているのか一見して分からないこともあります。全く見積もりを取らないよりは取っておいた方がいいとは思いますけれどね。そこで、この一点を見てほしいという、オススメポイントがありまして。

武田
武田

何でございましょう?

篠原
篠原

葬儀屋さんが「選択権を与えてくれるかどうか」という。

変な話ですが、お葬式って不自由なので、選択肢を与えてくれたり、選べる環境を提供する気があるかというところが見極めポイントだと思うんですよね。

武田
武田

なるほど、確かに。

篠原
篠原

お葬式って情報に格差が生じたり、冷静さを欠きやすかったり、もしくは次にお葬式をするのは30年後というのもあり得ますよね。変な話、売り逃げのような状況も生じやすい訳で。

その中でも、対等な立場で、お客様に対して選択肢を選ぶ権利を与えてくれるかというのは、非常に大事なポイントだと思います。

武田
武田

なるほど。

篠原
篠原

現在、一日葬など様々なおくりかたがあって、色々な事情を抱える家庭に対して選択肢がありますから、そういった意味でも大事なポイントですね。

武田
武田

亡くなった時に忙しくなるから、事前に葬儀屋さんの見学や見積もりをとってもらうくらいの余裕は持った方がいいね。親戚や大親友の方が中心になってやっていけるといいですよね。

篠原
篠原

当事者だと、どうしても冷静になるのが難しいので、冷静な判断をするために第三者と一緒に行くのは大事だと思いますね。

武田
武田

そうですよね。

篠原
篠原

人間は死を前提に考えて行動し辛くできている訳ですが、「見えないから恐い」ということはあると思うので、葬儀社に行って、見て想像ができると、少し気持ちにゆとりができたりしますので、世間話をするぐらいの気持ちで一度行ってみるといいと思います。

武田
武田

これから高齢化社会が到来し、団塊の世代の皆さんや、それ以上の方々も沢山おられる。そういう社会の中で葬儀屋さんの選び方というのは、実に重要なポイントだと思います。

なので、変な言い方かも知れないですが、遠慮しないで、葬儀屋さんとはどういう感じなのか、日常的に知っておくことも大事なことだな。

篠原
篠原

そうですね。やはり知識がないと「そういうものです」と言われたら「そうですか」ってなってしまいますし、自分の目で見て学んでおくと、いざという時にドシッと構えていられるようになるかもしれませんよね。

武田
武田

選択肢があるかどうかというのが、葬儀屋さんを選ぶポイントであるということだそうでございます。いつものように、篠原憲文さんのお話でした。

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