今日は、健康寿命の話だそうですね。
そうなんです。「健康寿命」と「寿命」という言葉がありますが、寿命は生きている期間を指しますよね。
「平均余命」という言葉もあって、例えば、現在60歳の方が、あとどのくらいまで生きるのか、という推計が出ていまして、男性の平均は、22.7年は生きますということで。
ということは、82.7歳まで生きられるということですね。
そして、女性は28.1歳は生きられると言われています。
88歳くらいだね。大変なことですね。
そして、70歳の男性の平均余命は、15年くらいで。
私70歳だから、あと15年かぁ…(笑)
平均でそれだけあるということは、当然それより長生きされる方も多くいらっしゃるということですが。女性は19.3年。もしかしたら、20年くらいという結果が出ています。
凄いですね。
平均寿命というのは、0歳から何歳まで生きられるかなので、男性だと79.4歳で、今現在70代の人は、そこから15~20年あるよ、ということなんですが。
ただ、余命がそれだけあったとしても、その期間を健康に過ごせるかどうかというところが大きな問題で、みなさんの関心事ではないかと思います。
そうですよ。
そこで、今月の11月1日に発売された「目的の力」という本をご紹介したいと思います。「幸せに死ぬための”生き甲斐”の科学」というサブタイトルが付いているのですが、これは翻訳本で、アメリカのヴィクター・J ストレッチャーさんが著者になります。
内容について端的に説明すると、目的がある人は、強い目的を持たない人に比べて、健康寿命が大幅に伸びるということが、科学的に証明されたという。
分かりますね。
著者のヴィクターさんは科学者で、大学の教授をされている方なんですが、この方がまだ50代の頃に、19歳の娘さんを心臓病で亡くされて、そのことをきっかけに、生きる目的を失ってしまったんです。
そっか、娘さんが亡くなっちゃって…。
そして、目的の喪失をしたことにより病気にかかったり、死に向かうような精神状況を経験されたようなんですが、現在は新しい目的を見出して活動されているようですね。
その経験の中で、目的というのが、健康寿命に密接に関係するのではないかと思い、調査をしてきた結果を、書籍で出版されたようですね。
なるほど。
まず、目的を持つと病気にかかりにくくなると、数値を用いて紹介されていて、健康的で満ち足りた生活を送らせてくれる要因にもなると。
なるほど~。
実際に、心臓病にかかるリスクが30%近く減ったりするようです。
じゃあ、凄いことだねぇ。
そして、脳卒中にかかるリスクは22%くらい減ると。
これは、相当なものですよ!
これは変な話ですが、目的を持つというのは、特に何かを摂取したり、薬を飲んだりしなくても、効果が出るということで。
お金も掛からないし(笑)
そうですね、医療費も抑えられるでしょうし。
生きる目的が明確にある人たちは、生きる目的が弱い人に比べて、様々な点でよく過ごせるということですね。
なるほどねぇ。
病は気からという言葉もありますが、最初に病になるのは気持ちで、それから身体が弱っていく過程があるので、気持ちを明るく前向きに保つことが、いかに大切なことか、ということですね。で、どうすれば健康的に過ごせるか、目的を持って活発に過ごせるのかという要因が、具体的に5つあって。
何でしょうか?
個人的には意外だったのですが、「睡眠」ですね。
確かに、十分に睡眠をとっている人の方が、長生きすると証明されていますな。
実際に、睡眠時間を長くとることにどれだけのメリットがあるのかというと、睡眠の時間の前半は、主に肉体の回復に使われ、後半は、脳の休息に当たる時間だそうで、睡眠を毎日規則正しく長めにとれるような環境であると、身体と心の負担が少なくなる。
なるほどねぇ。
そして二つ目は、「プレゼンス」。
何ですか、それは。
存在感のことですね。今、自分がここにいて、どう感じているのかを意識して過ごすというか、主体性を持つというか。これが習慣的に大切だそうです。
なるほど。
そして、三つ目が「運動」です。やはり、健康な精神は健康な身体から、ではないですが、病気になりにくい身体や体力を養うためには運動が大事だということですよね。
そして四つ目が「創造性」だそうです。料理とか、音楽に親しむとか。
分かるような気がするねぇ。音楽家でボケてる人、あんまりいないよ?芸術家だって非常にボケないね。
そういった方は、繊細に色々と感じ取れる能力があると思いますが、創造性を養う意味でも、様々な工夫をしたり、音を感じたりして脳を使うことがいいそうです。
俳句やったっていいしさ、そういった趣味で色々と考えるということが、大事なんだろうねぇ。
そして最後に「食べること」。これは非常に大事だと思うのですが、歳をとってからの楽しみというと、割と多くの人が食事と答えるそうです。やはり、食べるということは口を動かしますし、味覚で様々なことを感じたりするので、身体にとって非常に重要な要素のようですね。
「食べることは生きること」という言葉がありますが、食べることというのは、健康寿命にとっても重要らしいですね。
そうだと思いますよ。胃瘻なんかになってしまうと、一気に老衰してしまうそうですから。
そうですね、活力が失われてしまいますから。
自分の歯を大切にして、噛んで食べるってことがいかに大事か、と言われていますからね。
そうですね。食べることによって、脳や口が刺激されると思います。やはり、長寿化が進んでいくということは、長い間自分の体と付き合っていくということですが、健康でいられる期間を長く保つということは、とても重要なことですね。しかし、何をしたからすぐに良くなるというものではなくて、日々の習慣の中でそういったことを継続していくことが大事ですね。
継続は力なりってよく言いますが、これができないんだよなぁ。まぁ、それが人間なんですけどね。
そうですね。
でも、先程の5つを習慣化していくということが、大事なんですよね。
そういった、目的を持つというのが大事だということですね。で、この目的の力という本の中で紹介されている印象的な言葉で、「目的を持つことで100年の寿命が保証されるわけではない。でも、どれだけの年数を生きるのであれ、また、何を経験するのであれ、目的のある生き方というのは、私達に回復力を与えてくれて、場合によっては成長、進化をさせてくれる」と。
それはそうですよね。
昨日できなかったことが今日できるようになるというのもそうだと思います。長寿でも、速いタイムで走れるような方もいらっしゃいますし、まだ見ぬ自分に会える可能性があるということですね。
実は、人間の寿命に頭打ちが見えたという、今月のニュースがありまして。
ほぉ。
これは、Natureという科学誌、2016年10月13日に発表された論文の中にあるのですが、人の寿命というのは、最新の研究結果でいくと122歳までに制限されているらしいと。
なるほど。
122歳というと大還暦ですよね。そのあたりが人間の限界ではないかと言われているそうです。ちなみに、122歳を超えて生きられる人というのは、仮に122歳の人が1万人いたとしても、1人いるかいないか。
そうなんですね。
そもそも、122歳まで生きられる人が何人いるのか、という世界ですが、その壁を超えることは不可能ではないかと言われています。
う~ん。
寿命が延びるというニュースは、健康寿命を考えることが大事になってくるなぁ、と思って今回このお話をさせていただきました。
睡眠、存在感を持って生きる、運動、創造性、食べること。確かに、大事なことだと思いますよ。
目的を持って生きていると、使命感を感じると言われていて、子育てや孫の成長に触れている人は、なるほど、と思うこともあると思いますが、この使命感が大事で、命をどう使うか、自分の残されている時間をどう使うか、そこに自分自身の命の輝きを感じるかどうか、ということになるそうですが。
日々の中で、自分を精進したいだとか、もっと上達したいということがあれば、創造性にも繋がるんだろうけど、それだけでも生きがいになってくるからね。
そうですね。
あるいは、何か人の為になるとか、孫が成長するまで頑張るんだとか。問題は成長した後どうするのかと考えるのも、目的として大事ですよね。
そうですね。これからの時間をどう過ごしていくのか考えて、健康に過ごせるようにしていくことが大事ですね。
私も音楽をやっていてよかったと思うことがありますよ。日々楽しいもん。
ということで、趣味を持つというのも大事なことだと思います。お話、ありがとうございました!