遺体に携わる従事者が安全に業務を行うための感染予防対策と遺体の感染リスクや適切な処置方法について

つばさ公益社 ユニバーサルプレコーション

ご遺体に携わる従事者は、感染症の予防対策を十分に行うことが重要です。
特に、伝染性の高い病原体やウイルスによる感染リスクが存在します。
ここでユニバーサルプレコーションという考え方が必須になります。
この記事では、ユニバーサルプレコーション、ご遺体に携わる従事者が安全に業務を行うための感染予防対策と、ご遺体の感染リスクについて詳しく解説します。

ユニバーサルプレコーションとは

ユニバーサルプレコーション(Universal Precautions)は、医療や衛生分野で広く採用されている感染予防の考え方です。
ユニバーサルプレコーションは、全ての人や環境が潜在的な感染リスクを持っているという前提に立ち、それに対処するための予防措置を取るという考え方です。
感染のリスクがあるかどうかに関わらず、すべての人に同じ予防措置が適用されることが特徴です。

手洗いと消毒

ユニバーサルプレコーションは、感染予防のために広く採用されている考え方です。感染リスクがあるかどうかに関わらず、個人防護具の使用、適切な手洗いと手指消毒、汚染物質の適切な処理などが重要です。

ユニバーサルプレコーションの重要性

ユニバーサルプレコーションは、感染症の予防において重要な役割を果たします。
全ての人や環境が感染リスクを持つ可能性があるため、感染予防対策を一律に適用することで、感染拡大を防止し、安全な環境を維持することができます。
また、ユニバーサルプレコーションは、ご遺体に携わる従事者だけでなく、一般の人々にも役立つものです。

【コラム】ユニバーサルプレコーションは汗、唾液、涙も考慮する?

汗、唾液、涙は量が少なく、すぐに乾燥するため神経質に取り扱う必要はありません。
しかし、明らかに血液、体液、排泄物等の混入が見られた場合は、ユニバーサルプレコーションの対象となります。

ご遺体からの感染リスク

ご遺体には感染症リスクが存在する場合があります。特に、感染性の高い病原体やウイルスを持つ場合には、適切な処置が必要です。以下に、ご遺体の感染リスクと適切な処置方法の一例を示します。

①ご遺体からの感染リスク

ご遺体からの感染リスクは、ご遺体によって異なりますが、以下のような感染症が考えられます。

・結核
・肝炎ウイルス
・HIV感染症
・MRSA感染症

これらの感染症は、ご遺体に携わる従事者に感染するリスクが高い病気です。
感染症の症状を持つ人や、感染症の疑いがある人のご遺体に携わる場合には、感染症のリスクが高くなります。

②適切な処置方法の実施

ご遺体の処理方法によって、感染症のリスクが異なります。適切な処理方法を実施することで、感染症のリスクを減らすことができます。
具体的な処置方法としては、以下のようなものがあります。

適切な消毒


ご遺体の処置や周囲の環境の消毒も重要です。適切な消毒剤を使用し、感染症の病原体を除去することで、感染リスクを低減させることができます。

定期的な清掃と換気


ご遺体を取り扱う場所や施設は、定期的な清掃と換気を行うことが重要です。清潔な環境を保つことで、感染症のリスクを軽減することができます。

【コラム】葬祭業従事者はご遺体が持つ病原体を確認できない

医療従事者には守秘義務があるため、葬祭業従事者はご遺体が持つ病原体について情報を得ることができません。また、葬祭業従事者は、死後時間が経過したご遺体に携わることもあり、場合によってはご遺体の腐敗が進行している可能性があるため、感染症のリスクが高まることがあります。

ご遺体に携わる従事者が安全に業務を行うための感染予防対策

ご遺体に携わる従事者は、感染症のリスクにさらされています。
感染症は、ご遺体に携わる従事者だけでなく、その家族や周りの人々にも感染するリスクがあります。
そのため、ご遺体に携わる従事者は、感染予防対策を徹底することが必要です。
ご遺体に携わる従事者が感染予防対策を徹底することで、自身の安全と周囲への感染リスクを低減できます。
以下に、具体的な感染予防対策の一部を紹介します。

①手洗いと手指消毒

感染予防対策の基本は、手洗いです。手洗いは、感染症の予防に最も効果的な方法の一つです。
手洗いは、手指を石鹸で洗い、水で十分にすすぎ、タオルでしっかりと乾かすことが重要です。
ご遺体に触れた後や作業の前後には、手洗いまたはアルコール消毒を行いましょう。
適切な手洗いの手順や手指消毒の方法を従事者に教育することも重要です。

②個人防護具の着用

ご遺体に携わる従事者は、ユニバーサルプレコーションに基づく感染予防対策を実施することが大切です。
従事者は、感染リスクのある作業時には適切な個人防護具を着用する必要があります。これには手袋、マスク、防護眼鏡、ガウンなどが含まれます。
血液、体液、排泄物等の接触や、ご遺体の腐敗が激しいと予想される場合は、防水性のあるガウンを使用することが望ましいです。

③環境の清掃と消毒

作業場や器具、設備などの環境は、定期的に清掃と消毒を行う必要があります。特にご遺体を収容・保管する場所や処理器具は、感染リスクを最小限に抑えるために清潔に保つ必要があります。

まとめ

ご遺体に携わる従事者は、ユニバーサルプレコーションに基づく感染予防対策を徹底することで安全な業務を行うことができます。
個人防護具の適切な着用や手洗い、環境の清掃と消毒、適切な処理方法の選択などが重要です。
また、感染予防対策は、私たちの健康を守るために欠かかせないものです。
私たちは、感染予防対策を実施することで、自分自身や周りの人々の健康を守り、より健康的な社会を築いていくことが大切です。
また、感染症の予防に関する情報は、医療機関や保健所、インターネットなどで入手することができます。
感染予防対策は、常に最新の情報に基づいて見直し、改善するよう心掛けましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です