終活に向けて 高齢になる前に用意しておくもの

わたしたちは、いつ自分の最期の時が来るかわかりません。それは周囲の人も同じです。

病気など一部の人は、あと一か月や一週間と期限を告げられ、それまでに用意をしておこうと考える人もいるでしょう。

しかしほとんどの人は、心構えをすることもなく自分の最期を迎えてしまいます。

それでも、少しでも自分の気持ちが伝えられる最期を迎えられたら、自分らしい葬儀をお願いできたら、と思っている人もいるのではないでしょうか。

自分が迎える最期の瞬間 

ホスピスで働く看護師さんたちは、末期のがん患者さんの最期はこういった流れで迎えるだろうということが予測できるようです。

徐々に弱ってきた患者さんが、

「今日はとても気分がいいので庭を散歩したい」

「元気になったから家に帰りたい」

と言いだしたら「最期の時が来た」と言います。

しかし元気だった人が、明日の約束をしていた友人が、来週の約束をした家族が突然、というのもよくあることです。

2023年現在の平均寿命は87歳ですが、健康寿命は70歳代です。そして、昭和初期の平均寿命は50代でした。

北海道大学に銅像のあるクラーク博士が「少年よ大志を抱け、この老いた私のように」という言葉を残して日本を去ったときは、50代だったそうです。

今の私たちは50代で「老人」という人はいません。しかし昭和初期の50代は老人だったのです。

残された10年から20年の間に仕事をやめて家督を継ぎ、子や孫と過ごし、寿命になっていました。60代はもちろん、50代になれば人の体は限界を迎えます。

食生活の改善や医療の発展で、限界を超えても元気に生きることができる世の中ですが、自然に生きている人は、75歳くらいで自然に寿命を迎えます。

まして糖尿病や高血圧などの持病がある人は、さらに短くなる可能性を持っています。

「自分らしい最期を迎えたい」

「病院でいろいろなチューブや機械につながれるのは嫌だ」

「お墓は家族と同じところに入れてほしい」

など色々な希望がある人は元気なうちに準備をしておきましょう。

自分らしい葬儀をお願いするために 

親が突然亡くなった時、残された家族のほとんどは病院に紹介された葬儀社にお願いして、そのまま葬儀を行うことが多いようです。

しかし生前にしっかりと家族と話をしていれば、自分が望む葬儀社にお願いしたり、葬儀を行ってもらうことができます。

さらに墓地を用意している、葬儀費用を用意しているという場合も、きちんと子どもたちに伝えておくことが重要になります。

そして一番安全な方法は、書面で残しておくことです。あまり知られていないことですが、結婚して子どももいた人が、パートナーと子の方が先に逝ってしまった場合は、独身者と同じ扱いになってしまうことがあるのです。

何も残していないと、パートナーや子と同じお墓に入れてもらえないどころか、どんなに財産があっても、葬儀は自治体が行うことになります。

兄弟姉妹や甥姪と連絡などを密にとっていて、きちんと話をしていればいいです。しかし親族との関係が疎遠になっている、親族がいないという人は、孤独死と同じ扱いになってしまいます。

子や孫がいない人はもちろん、自分らしい葬儀をお願いしたい人は必ず「書面」に残しておきましょう。終活ノートでもいいですが、子や孫がいない場合は公的な文書がおすすめです。

国の制度で「遺言書保管制度」というものがあります。これは各自治体にある法務局で受付をしている制度で、自分が書いた「自筆」の遺言書を原本はもちろん、画像データとしても残しておくことができる制度です。

この制度で守られた遺言書は、自分が指定した人以外がこの書面を見ることはできないので、不正に利用されることもありません。

弁護士さんや司法書士さんにお願いするのが一番ですが、お金をかけたくない人は法務局の相談窓口に問い合わせしてください。

自分で書く方法も丁寧に教えてくれます。こんなこと「国に何のメリットがあるのか?」と思われるかもしれません。しかし無縁仏のお骨は自治体が管理しなければリません。

葬儀も火葬のみですが税金で行います。国も無駄に時間や税金を使いたくはないのです。独身者が兄弟姉妹や甥姪などの親族を指定しておけば、葬儀や相続をその人に任せることができます。

相続人を探すという手間を省くこともできるのです。兄弟姉妹や甥姪などが指定されていれば。本人が亡くなった時に連絡が行くことになっています。

葬儀の喪主になり、相続を受けることになります。兄弟姉妹が少ない、一人っ子が多い、未婚者が多い現代、無縁仏になってしまうご遺体が増え、自治体も苦労をしてるのです。

また、事前に葬儀会社に相談して、自分が亡くなった時の葬儀の希望をお願いしておくこともできます。

生前葬以外にも、こういったことができるサービスは色々ありますので、まずは信頼のおける人に相談してみましょう。

そして必ず「書面」に残すことを忘れないでください。

身寄りのいない人の喪主

亡くなった人の遺言や、亡くなった人に一親等以内の家族がいないときは、親子関係以外でも喪主になることがあります。

一親等以内の親族というのは、婚姻関係にある夫婦、そして親子関係です。兄弟姉妹、祖父母と孫は二親等、おじおば甥姪は三親等になります。

この場合の親等には、実子だけでなく養子縁組に関する親子関係でも、同じ条件です。二親等以内の親族は扶養の義務があるため、未婚の兄弟姉妹が亡くなった時は残された人が喪主をすることになります。

また身寄りのない人が亡くなった時は、遺言で指定した人が喪主を勤めてもらうこともあります。この場合は、親族以外の人でも喪主を勤めることもあり、そのほとんどは亡くなった人の遺産を引き継ぐ立場の人です。

喪主をお願いされた人は、亡くなった人の遺書に基づいて、遺産から葬儀やその後の供養を行います。さらに身寄りのない人が、遺言を残すことなく亡くなってしまった場合は、喪主がないまま自治体から依頼された葬儀会社が、直葬のみの火葬を行います。

親族がいなくなったら

自然の摂理を考えると、高齢の祖父母、両親、そして子と年齢が高い人から最期の時を迎えます。しかし災害や事故で、一人だけ残されてしまうこともあります。中には、離婚が原因で親族を失ってしまう人もいます。

また、食生活や労働環境、親の介護などを考えると、現代社会で仕事をしている50代、60代の中には、親を残して先に逝ってしまう人もいるようです。

この場合、たとえ結婚しかつては子どもがいたとしても、家族全員に先立たれた人が身寄りのない孤独死を迎えてしまいます。

もともと結婚していない、離婚をするときに子どもがいないという人は、早めに遺言書を作成し自分の最期をどのようにするのかを残しておきましょう。

もちろん遺言書は書き直しができますので、高齢になってから結婚をした、再婚をした場合は書き換えたり、廃棄することもできます。

全く親族がいなくなってしまった場合、たとえ自分の家があっても、先祖代々のお墓があっても何の書面もなければ、家は空き家になります。墓地に入れてもらうこともできません。

*永代供養と墓じまい

また、先祖代々のお墓に関しては、年間管理費の支払いがない、管理をしていたはずの遺族と連絡が取れない場合、お寺や霊園によって墓石にその旨の張り紙がされるところもあります。

その後何の連絡もなければ、菩提寺の住職が墓じまいをすることになるようです。逆に自分が生きている間に、管理する遺族がいなくなった場合のことを考えて「永代供養」をお願いしておくと、一定の期間お墓を維持することができます。

このときの永代供養は、菩提寺や霊園によって異なりますが、お墓に入っている人一人あたり年間10万円弱、10年で30万から100万円くらいのようです。

逆に自分がお墓に入るのが最後になるなら、墓じまいを考えることもあります。この場合、墓じまいは墓石屋さんが行ってくれますが、広さによって金額がことなり15万円から30万円くらいです。「立つ鳥跡を濁さず」という言葉もありますので、墓じまいを選ぶというのも、一つの選択かもしれません。

永代供養のお金を支払っていると、その金額期間内はお墓が残されますが、その後は霊園やお寺が墓じまいまで行ってくれるところもあれば、それは別料金になる場合もあるようです。心配な人は必ず信頼おける葬儀会社の方や、菩提寺に相談をして、きちんと最期の準備をしておきましょう。

まとめ

人はどれほど望んでいても、自分が決めた日に最期を迎えることはできませんし、自分の最期の形をあらかじめ決めておくこともできません。

だからといって、雑誌や広告のように見たら捨てられてしまう最期より、自分が生きていたという証を残しておきたいと望む人も多いはずです。

そのためにも高齢になったら、残ったお金や家をどうするのか、お墓をどうするのかを早めに決めて、文書に残しておくと良いですね。

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