葬儀の祭壇には故人の写真のほか、色々な人からの献花や果物などが飾られます。そのなかで一番目立つのが花になります。
花は葬儀のあと棺にも入れられるので、たくさんの花が祭壇を彩り、最期の舞台を美しく仕上げることでしょう。しかしこういった花や果物などにも、何か決まりごとがあるのでしょうか。
葬儀会社の方にお任せではなく、故人の思い出深いものを飾ってはいけないのでしょうか。そんな疑問を持つ人のために、祭壇に飾ってはいけないものについてお話をしましょう。
自分が好きなものを飾って欲しい
最期くらいは故人が好きなものをたくさん用意して送り出してあげたい。そう考える遺族もいることでしょう。
また終活を始めた人の中にも、最期は自分が好きだったものを飾って欲しいと願い、書き留めている人もいるかもしれません。
ゴルフに囲碁、盆栽や陶芸、手芸など好きなものはたくさんあります。しかし趣味の品の中には、棺には入れてあげられないものや入らない大きなものなどもあります。
そんな時は葬儀のときに祭壇に飾ったり、葬儀会場の入り口にメモリアルスペースを作ってもらうことができます。こういったことは葬儀会社の担当者から提案がある場合もありますが、何も言われない場合は聞いてみましょう。
棺に入れられない故人と遺族や親族などの家族写真は、葬儀場の入り口のメモリアルボードなどに貼ったり、飾ることができます。
祭壇には飾りませんが、参列した人が思い出話に花を咲かせたり、故人を偲んだりすることができるので、葬儀会社の方もおすすめしているようです。
副葬品として棺に入れることができなかった、ゴルフクラブや楽器、衣類なども飾る場所があれば、飾ってみるのもいいかもしれません。
お酒なども可能ですが、周囲に不快感を与えないくらい少量にしてください。また「香水」など独特の香りがあるものは仏様を浄化させるための「香」と反してしまいますので、飾ることは避けましょう。
故人が好きだった香水は遺族が後々遺品整理などで、受け継いでもらうようにするといいですね。祭壇に乗せるものには制限がありますが、入り口のメモリアルスペースには、故人が好きだったものを飾ることができます。
参拝に着てくださった方や親族全員に不快感を与えるもの、危険なものを避けて、故人の思い出の品や好きだったものを飾ってみてはいかがでしょう。
大好きな飲食物は飾れるのか
食べることが大好きだった故人のために、缶詰や果物の盛り篭を祭壇に供えることがあります。地方によっては最期に遺族たちが持ち帰ることができるように、調味料のセットなどもありなかなか興味深いです。
またお酒が好きな故人のために、ワイン葬や最期の精進落としでお酒を振舞うことがあります。それと同様に祭壇にビールやお酒の盛り篭を用意する人もいるようです。
ジュースなど缶に入っているものなら、液体のものでも盛り篭として祭壇に飾れます。ここでも供えることができる飲食物とできないものがあります。いくらスイーツ好きの故人のためでも、冷凍冷蔵保存をしないとダメなものは飾ることができません。
アイスやケーキが好きだった故人のためには、生クリームのように溶けてしまう食材や腐敗しやすい食材、氷菓子のように水分の多い食材は残念ですが避けてください。
和菓子も同様です。羊羹や饅頭など和菓子の種類によっては棺に入れることができるものもあります。蜜豆なども缶詰に入っていないものなら可能です。和菓子好きな故人の場合は、棺に入れてあげてはいかがでしょう。
また形を変えて、焼き菓子や果物を祭壇に飾ったり、返礼品として使ってください。同様に肉や魚も飾ることはできませんので、加工肉や缶詰などを返礼品として用意してはいかがでしょう。
趣味の品物は飾れるのか
ゴルフが好き、音楽が好き、ゲームやアニメ、手芸が好きと、近年趣味も多様化しています。しかしゴルフクラブやギター、ゲーミングPC、ミシンなどを棺に入れることはできません。
棺に入れることができないなら、せめて祭壇に飾って欲しいと願う遺族もいることでしょう。大きな葬儀場であれば、好きなお酒や果物を盛り篭にして飾る、ということができます。
しかし祭壇の上に楽器やパソコン、ゴルフクラブを飾ることはできません。そこでこういった物は、上記にもありますがメモリアルスペースを作ってもらいます。
大きな斎場で部屋が複数あり、他の葬儀も複数個所で行われる場合は会場の入り口に、葬儀場内の会場が一つなら葬儀場の入り口付近に設えてもらうことが可能です。
スペースや用意する机の数によって、金額が変わることもあります。前もって葬儀会社の方に相談をしておくと、故人縁の品々をたくさん飾って、弔問客に故人の人となりを伝えることもできます。
親族や近所の方が訪れれば、みんなで故人の生前の思い出話をして偲ぶのもいいでしょう。趣味仲間が弔問に訪れてくれれば、親族も知らなかった故人の一面を教えてもらうこともできます。
しかし、宗教や宗派、葬儀場によっては避けてほしいものがあるかもしれません。そこで飾りたいものがある場合は、まずは葬儀会社の担当者に相談をしてから、用意することがおすすめです。
好きな花と嫌いな花
棺の中に入る花や仏花というと、必ず入っているのが「菊」の花です。しかし近年は菊ではなく、百合やカスミソウ、カーネーション、ガーベラなど故人が好きだった花を飾る祭壇が多くなっています。
菊はきらい、百合が嫌いという人もいます。生前に言葉に出して置いたり、エンディングノートに残されていたら、故人の意向を生かすのも大切です。
こういったときは、故人が生前好きだった花で祭壇を飾ってみてはいかがでしょう。しかし、故人がバラ好きだった、バラに縁のある人だった場合は祭壇や仏花にバラを選ぶことはあまりありません。
基本的に祭壇や仏花として「とげ」のある花は使わないとされています。例えば、バラのほかにもアザミやランタナ、柑橘類の花などがあげられます。
・バラ科 バラ、野ばら、モッコウバラなど
・ブーゲンビリア
・ランタナ
・ミカン科 山椒、ゆず、ミカンなど
・アザミ
・ベリー系 ラズベリー、ブラックベリーなど
ほかにもサボテンがありますが、故人がサボテンを育てることが趣味だった、という場合は残念ながら祭壇に飾るには不向きのようです。
同じように毒を持つ花も祭壇に「毒」を盛るという意味で、使うことはあまりありません。毒のある花で有名なものが「スイセン」です。またスズランやチューリップにも毒があるのです。毒を持つ植物というと「トリカブト」が有名ですが、根や葉の部分に毒を持つものは多く、飾る分には問題がなくても食するには危険なものがたくさんあります。
・スズラン科
・アジサイ
・夾竹桃
・スイセン
・クリスマスローズ
・福寿草
・ヒガンバナ
・桔梗 他多数
身の回りによく見られる花だけでも、これほど多くの毒を含む花があります。
話は反れますが、野山に入るともっと多くのジギタリスやトリカブトなど、さらに多くの毒植物がありますので気を付けてください。
「きれいな花にはとげがある」「きれいな花には毒がある」ということかもしれません。どれほど故人が好きでも、こういった花を仏花として利用する場合は気を付けましょう。
もしバラを飾るときは、遺族からの意向ということを伝え、とげを取り除いて飾ってもらうようにしましょう。
まとめ
花や盛り篭と、たくさんの品を飾って故人を送りたい葬儀会場ですが、もちろんシンプルな形が悪いということではありません。
故人が大切にしていたものを、スッキリと飾ったり想いだけを胸に秘めて葬儀を行うということも良い形です。
一番は故人を偲ぶという、残された人の想いが詰まった葬儀になるよう工夫をしてください。
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