初めての喪主 親の遺品の片付け方~環境負荷にならない方法

両親が亡くなって家が残されると、驚くほど大量のゴミが出てきます。
衣類に趣味の道具、食器類、家具や家電。

3LDKのマンションならトラック1台ちょっと、4LDKの一戸建てなら2台分くらいの物を処分しなければなりません。

そのまま分別することなくゴミとして処分すると、CO2の排出や海洋汚染の原因となって、環境に悪影響を及ぼします。

一人くらい一件くらいと思っても、すでに100歳を超える人が一万人いる現代日本では、それだけ高齢者が亡くなった後のゴミが出る可能性が高くなるのです。

次の時代を担う若い世代の人が困ることがないように、環境を考えた家の片づけをしてみましょう。

親の家の片付け方

戦後間もない頃の日本は、まだ物があふれることもなく、シンプルな生活をしていました。
親が亡くなった後、長男など子の一人が家を引き継ぎ、遺された家族は故人の着物や貴金属、思い出の品物を形見分けとして受け取っていました。

引き継ぐ子や孫の数も多かったので、故人の遺品がゴミになることもありませんでした。

昭和中期は高度成長期、後期にはバブル期となり、安く購入できる物が溢れ、家電もどんどんと新しく作られるようになりました。

逆に受け継ぐべき子の数が一人や二人、孫の数も数名という家庭が増えてきます。
さらに子どもたちは親の家とは別に自分の家やマンションを持ち、親の家すら不要となってしまったのです。

すると、親の家や家財道具、衣類は不要とゴミ扱いになってしまい、最期には廃棄処分を選択してしまうことになります。

こういった時代が続き、温暖化やゴミ問題が起こった今、まさに亡くなっていく世代がやらかした結果のツケを、若い世代が背負うことになってしまいました。

子どもたちや10代の若い世代は、学校で3つのR「recycle(リサイクル)」「reuse(リユース)」「reduce(リデュース)」を学び、物の大切さを知っています。
家電を廃棄するときに、家電リサイクル法でお金がかかることも知っています。

そのため1人暮らしをするときに、先輩から家電を譲り受けたり、リサイクルショップにある家電を利用する人が増えてきました。
家具や家電付きの古い家をそのまま購入したり、借りる人も増えているそうです。

中でもエアコンが各部屋についていれば、そのまま購入したり借りた方が、新しく住む人にとってありがたくなります。

そこで親の家を処分する前にまずは内覧をしてもらい、使ってもらえる家具や家電はきれいにして引き渡しましょう。

不動産会社に売却する場合は、家具付きのままでも大丈夫というところが増えています。使ってもらえるような家具があれば、そういったことも含めて、不動産屋さんに相談して決めてください。

親の遺品を再利用する

親が残した家具や家電、道具などを再利用してほしい、という場合に一番便利な場所がリサイクルショップとメルカリです。

あまり汚れていたり、壊れているものを売却するわけにはいきませんので、比較的新しく、まだ使えるものを出すと良いでしょう。

家電のほかにも、家財道具が多く残されていることもあります。
今の80代、90代が若い頃は冠婚葬祭も派手で、引き出物などが使われることなくしまわれていることが多いようです。

バスタオルや食器、シーツやお盆などが押入れにたくさん残されているかもしれません。
使用済みの食器や調理器具は廃棄することになります。

しかし新しい食器やきれいなカラーボックス、比較的新しい家電は、リサイクルショップに持ち込んでみましょう。

また未使用の食器や使用済みでもきれいなおもちゃ、キッチン用品を寄付する団体もあります。

送料はかかりますが、引き取り料などがかからず、しかもこちらを送ることで世界の子どもたちへの寄付につながるものもあります。

そのほかにも、自治体によって不用品の譲渡を紹介するタウン誌などがあります。
捨てる前に色々なところに聞いてみて、そのあとに処分を決めましょう。

親の服をどうするか

親の服がたくさんある場合、まずは下着とそれ以外に分けましょう。
使用済みの下着は、残念ながらゴミとなります。

それでも、もったいないと思ったら、雑巾代わりに使ったりてんぷらや揚げ物のあとに油をしみこませて捨てましょう。

未使用の下着や靴下、寝巻などはリサイクルショップでも引き取ってもらうことができます。
不要な衣類を引き取ってくれる古着屋さんでは、ブランド衣服や季節にあった洋服を引き取ってもらうことは可能です。

しかし季節外れのものやノーブランド、Tシャツなどは引き取り不可というお店もありますので注意してください。
季節はずれのものは在庫となってしまうため、店舗が狭いお店では引き取りを断っています。

古着のチェーン店では、セーターやスカート、ズボンなどで店頭には並べられないものでも、原料にもどして再利用しているところもあるようです。

こちらでは古着をキロ何円で引き取るので、ブランド物や高級品は別のお店でリサイクルすると良いでしょう。

ゴミの分別で下着以外の服を、古新聞などと一緒に集める自治体もあります。

和服を引き取るお店では、古い着物でも銘があるものや大島紬など、無形文化財となったものはそれなりの金額でも引き取ってもらうことができます。

それでも多くは何十円から何千円です。
購入した時の価格の「万」の字が抜けたような価格で買い取られてしまいます。

さらに和服の多くは、海外からのブローカーや観光客に販売されるため、派手な柄が人気です。
日本人好みの風情を感じる柄や、落ち着きのある柄は好まれないようです。
そこで良い着物と自信があるものなら、メルカリなど直接自分で売買してみる方がいいかもしれません。

できれば良い着物であればあるほど、母親や祖母の着物を子や孫が着るというのが一番でしょう。
手芸が得意な人なら、親の服や着物を使って、バッグやパッチワークなどを作るのもおすすめです。

親との思い出が詰まった、自分だけの一品になります。

人形の整理の仕方

親世代の家には、お土産でもらったこけしや羽子板、日本人形などそのまま捨てることが難しいものも多くあります。

人形や羽子板などは、全国にある人形供養ができる寺社にお願いすることが一番です。
長野県内ではお寺で受け付けている場所もありますので、調べてお願いすると良いでしょう。

人形供養の多くは一つの寺社が供養を受けていますが、人気アニメ「その着せ替え人形は恋をする!」の舞台となっているひな人形の街岩槻(さいたま市)では、11月3日に岩槻城址公園内で人形供養を行っています。

一般的な人形供養は1箱3,000円、何キロいくらなど決まっていますが、こちらは市の人形組合が請け負っている供養となるため、一人お布施として3,000円を目安にしています。

岩槻区内の僧侶が一同に集合しての人形供養は地元の観光行事の一つとなっているようです。

遠方や日程が合わない場合のみ、事前に1箱4,000円となってしまいますが、直接行く場合は、上記の金額で充分です。
人形は供養されるとお焚き上げをして燃やされます。

しかしこれは環境には良くない、という人は家財道具を寄付として受けている法人が、ぬいぐるみや人形なども受け取ってくれます。

海外の方は日本人形を大切にしてくれるので、寄付をしてみるのもいいかもしれません。

まとめ

日本は本当に物があふれている国です。
亡くなった人のあとの遺品整理をすると、それが良くわかってきます。

そこで50代、60代のまだ元気に身体が動くうちに、断捨離をして不要なものはリサイクルをしたり、購入をしないことを考えていくようにしましょう。

また親が残したもので、利用できるものは利用してゴミにしない、ということを考えるのも大切かもしれません。

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