親の葬儀をDIY葬にしたい!周囲への説得と準備

親が亡くなったあと、次々と葬儀の準備をするよう病院の関係者や葬儀会社の人が声をかけてきます。
しかし、葬儀はけっして簡単にお願いできるほど、安価なものではありません。

もし亡くなった人が全く蓄えがない、施主にも蓄えがない場合、葬儀代がかなりの負担になることが多々あります。
そこで家族葬にすることになりますが、家族葬でも数十万円かかることでしょう。

そんなときにもう一つの選択肢として、DIY葬を選ぶという人が徐々に増えているようです。
しかしあまり聞きなれないDIY葬とは一体どんなものでしょう。

DIY葬の施主

DIY葬はご遺体の搬送や葬儀の手順、ご遺体の仏衣、ご遺体の火葬から墓地への納骨まですべて葬儀会社を通すことなく行う方法です。
一般的に葬儀会社にお願いすると、そのすべてを行ってもらうことができます。

葬儀会社の担当者が、ご遺体を病院から自宅に搬送し、通夜や告別式、火葬までの手順をすべて設定してもらうことができます。
僧侶への連絡や四十九日、納骨などの手配もお願いすることができるので、遺族はマニュアルに沿って行動したり、担当者の指示に従うだけです。

施主が行うのは、僧侶への挨拶や通夜、葬儀での挨拶などで、負担のほとんどは金額的な問題になります。

DIY葬でも搬送の車の手配や棺、仏衣、骨壺などの準備は必要ですが、僧侶はどうしたらいいのでしょうか。
親族などへの挨拶などはあるのでしょうか。

DIY葬でも施主が行うことは、一般葬とほぼ同じです。
ただいくつか異なる点があります。

たとえば、通夜や葬儀を行う手順を誰かが指示してくれるわけではありません。
僧侶への連絡も自分で交渉することになります。
そのため、親しくしている僧侶でもなかなか受け入れてくれない場合もあるようです。

僧侶に受け入れてもらえない場合は、僧侶なしで無宗教の葬儀の形になるかもしれません。
場合によっては、元々あった墓地に納骨することができないかもしれないのです。

墓地が決まっていない場合は、公園墓地など宗教や宗派には無関係な墓地を選べば可能です。
しかし昔から繋がりのある菩提寺などがある場合は、事前に相談をしておかないと、DIY葬が難しいこともあります。

火葬場が自治体運営の場合は、宗派に関係なく利用できるため、予約が取れればDIY葬を上げることも可能です。
しかし火葬場のスケジュールなど、葬儀会社の担当者のように前もって知ることが難しい場合もありますので、都合にあった日程や時間が選べないこともあるでしょう。

また、大きな自治体で複数の火葬場がある場合も同じで、自分の希望する場所が選べず、空いているところにお願いすることになるかもしれません。

火葬場によっては、通夜や告別式が行える場所を設けているところもあります。
こういうところであれば、葬儀会社を通さずに借りることは可能です。

自治体が運営している葬儀場兼火葬場の場合は、一般のセレモニーホールよりもご遺体の搬送の手間がかからず、施主の仕事も一つ少なくなります。
さらに自治体が運営しているので、私設の葬儀場より安く借りることも可能です。

DIY葬の施主となったら、こういった葬儀場と火葬場を兼ね備えた場所を前もって把握しておくことも大切になります。

また、できるだけ簡素な形で手間をかけずにDIY葬の方法をとるのが、施主としても一番いい方法です。
亡くなったあと比較的すぐに火葬場の予約を取ることができれば、家での葬儀も良いでしょう。

搬送の際に、自宅の車でご遺体を搬送することも可能ですが、こういった葬儀関連専用のご遺体を搬送するだけの会社もあります。
DIY葬にするときは、すべてを自分たちの手でというのが難しいこともたくさんあります。

そこで前もってこういった会社を把握し、いざというときに搬送のお願いをするだけでも負担が少なくなります。

また昔ながらの葬儀をしたい、と希望すれば親しいお寺や菩提寺の僧侶は理解してくれるかもしれません。
その場合は、葬儀会社を通すことなく自宅やお寺でDIY葬をするという選択肢もあります。

施主となる人が一人っ子や長子で、親が亡くなった後施主となる可能性が高い場合は、早めにこういった情報を集めて、DIY葬の準備をしておきましょう。

高齢者にこういった話をすると、忌み嫌われるかもしれません。
しかし誰でも高齢になれば、順番に「死」が訪れます。
その時に施主となって慌てたり、お金がなくて困るのは施主側となる子です。

親の葬儀をDIY葬にしたいと考えたら、前もって準備をし、色々と情報を集めておくことをおすすめします。

生前の親にDIY葬をすすめる

以前は、高齢者を前にその人が亡くなった時の話や、その後の話をするのはタブー視されていました。

しかしそれは平均寿命が70代くらいだった時代の話です。
今は60代で現役を退いた後、20年、30年、中には40年もの年月をエンディングだけで過ごす人がいます。

現役を70代まで続ける人、70歳を過ぎても続ける人も増えてきました。

年金だけでは生活が大変、色々なものを残してしまうと遺族に迷惑がかかると、断捨離ということも勧めています。
エンディングノートを作ったり、自分の人生の整理整頓を始める人も多くなっています。

その一つとしてDIY葬の話をしてみてはいかがでしょう。

DY葬をする理由に「お金」のことだけを強調すると、嫌がる人もいます。

しかし高齢者の中にも環境問題などに関心を持つ人は増え、SDGsの考えからも無駄なことをしない方がいいという意見を持つ人も増えました。

どうしても、一般的な葬儀では献花や祭壇など、葬儀が終わると廃棄してしまうものもあります。
こういった無駄をなくすためにも、自分らしい葬儀がいいのではないか、と生前のうちからDIY葬を行うことに前向きになってもらうのはいかがでしょう。

親の中には自分の葬儀代として何百万円も残している人もいます。
立派な戒名を付けてもらいたいと、戒名代を別に用意している、という人もいるようです。

しかし亡くなった後どれほど立派な名をもらっても、華やかな葬儀をしてもらっても、兄弟姉妹や近所の人、親族がほとんど参列しない葬儀も増えているのが事実です。

現役時代ならまだしも、現役を退いて何十年も経ってしまうと、仕事の同期や仲間、友人や兄弟姉妹も他界してしまうこともあります。
昔のように会社の上司の親、といったかなり遠い関係でも「義理」で参列する時代ではなくなっています。

お歳暮やお中元は収賄になる可能性がある、年賀状はSNSで済ませる、という時代です。
義理で会ったこともない人の葬儀に参列する時代ではありません。

それなら親の希望に沿った、家族や本当に親しい人だけがお別れをする、DIY葬というのもいいのではないでしょうか。
DIY葬なら、昔ながらの親しい人だけの手作りの葬儀になります。

親が元気なうちに、こういった相談をして無駄のない葬儀をしたい気持ちを伝えておきましょう。
亡くなった時の葬儀代のためにお金を貯め込むのではなく、孫の進学の支援をしたり、自分が行きたかったところへ旅行したりと、老後のお金の有意義な使い方を考えてもらいましょう。

DIY葬というと、聞きなれない言葉で違和感を感じられてしまいます。
そこで親に説明するときは、昔ながらの手作りの葬儀をしたいと伝えてみてはいかがでしょう。
一緒に話し合ってDIY葬の準備をしておくのも、良いかもしれません。

遺族にDIY葬を説得する

若い世代なら、DIY葬にしたいと伝えれば納得してくれるかもしれません。
しかし難しいのは、高齢の遺族です。

ほとんどは高齢の親の兄弟姉妹になります。

とくに、色々な慣習が残る地方になればなるほど、葬儀のやり方も決まっていて、奇をてらったものは好まれないかもしれません。

しかしそういった場所だからこそ、昔ながらの自宅で行う葬儀にしたいと話をしてみてはいかがでしょう。
高齢の親の兄弟姉妹なら、自分が子どものころの葬儀といえば、家の仏間の僧侶を招いて行っていたはずです。

とくに自分の親が家督を引き継いだ長子で弟妹の実家であれば、そこでも葬儀は違和感なく行えることでしょう。
そこで用意するのは、棺や仏衣、僧侶とご遺体の搬送の手配などになります。

DIYでも手作りというわけにいかない物に関しては、前もって準備をし、他の遺族の負担にならないようにしてください。
中でもご遺体の搬送は普通の車ではできませんし、かといって昔のように敷地の一角にある墓地に土葬するわけでもありません。

通夜ぶるまいや精進落としの料理は、施主の家族と遺族が作ることになります。
遺族には色々と手伝ってもらうことがありますが、昔ながらの葬儀と同じ、と言って理解してもらうと良いかもしれません。

周囲が反対したら?

まずDIY葬と言われて「何それ?」と質問されるのは仕方のないことです。
しかし、50代、60代の人なら「昔と同じ葬儀方法にしたい」と伝えれば、どんな内容かは理解してもらえるはずです。

ところが、昔ながらの葬儀がすたれたのは、女性への依存度が高く、遺族の協力が不可欠だったからです。

故人の遺族が少ないと、それだけ遺族の負担も増します。
こういった理由も重なって、昔ながらの葬儀はすたれてしまっているのです。

しかし地方によっては今でも故人の自宅を使っているところもあることでしょう。
DIY葬にしたい、DIY葬を上げてみたいという人は、こういったところで一度昔ながらのらの葬儀方法を学んでおくのも大切です。

しかしそれでも周囲の反対にあってしまったら、なかなかDIY葬を行うことは難しくなります。
DIY葬は、施主一人でできる葬儀ではありません。
できるだけ遺族や親族の協力の元、行うものです。

また菩提寺の僧侶の理解もなければ、DIY葬は行うことができないため、僧侶にも理解してもらえるよう、しっかりと自分の考えをまとめましょう。
なぜDIY葬にしたいのか、ということをしっかりと伝えられないとDI葬を行うことができないかもしれません。

DIY葬は周囲に反対され、僧侶からも断られてしまうと施主一人でDIY葬を行うことはかなり難しくなります。

もし、すでに故人となった親が自分らしい葬儀を行うためにDIY葬をしてほしいといったことを文書などに残しておけば違ってきます。
生前に、自分が入るお墓の僧侶にも考えを伝えることで、DIY葬で読経してもらえるかもしれません。

遺族も故人の考えならと理解してもらえますし、僧侶も生前からの約束ならDIY葬が可能となるかもしれないのです。
このようにDIY葬は、故人の意志や周囲や親族、僧侶など関係のある人の理解ができたうえで行えると考えるようにしましょう。

まとめ

DIYというと、手作り感がありとてもシンプルで聞こえがいいです。
しかしDIY葬というと、なかなか難しく周囲の理解や協力が得られない場合もあります。

DIY葬で親の意志を生かした個性的な葬儀や、温かみのある昔のような葬儀にしたいという時は、親が元気で自分の考えを述べられるうちに、周囲への理解などを含め準備をしておくと、良いでしょう。

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