2016.06.18「実家の片付け問題」

おくりびとからのメッセージ

武田
武田

本日はどういうお話ですか?

篠原
篠原

本日は、近年注目を集めるといいますか、社会問題化してきました「実家の片付け問題」について考えてみたいと思います。

武田
武田

つまり、実家に人が住んでいない場合?

篠原
篠原

そうですね。高齢単身者の世帯が増えてきてしまって、子供たちが離れて暮らしている場合、面倒を見きれない中で物が溜まっていってしまうという。

この問題、国民的アニメのサザエさんをモチーフにした「カツオが磯野家を片付ける日」という本が2016年の4月に出版されまして、狭い界隈ではありますが、話題を集めています。

武田
武田

そんな本があるんだ(笑)

篠原
篠原

実家の片付け問題の対処法について書かれているものなのですが、こういった問題が、どの家庭でも起こり得る時代になってきています。この問題が社会問題化してきている原因に、社会環境が変わってきたということがあります。高齢者が増えてきて、高齢者がいる世帯が年々増えている。つまり、親と子が離れて暮らすことで、世帯の数も増えてきている。そして、高齢単身の方や夫婦だけで暮らしている人が増えてきているのが問題化してきているということなんですが。

武田
武田

なるほど。

篠原
篠原

先般、2009年に高齢者のいる世帯が2千万世帯を超えたというニュースがありました。日本の人口は1億2~3千万ですが、世帯の数という意味では、5050万世帯くらいあるそうです。

武田
武田

そうなんですね。

篠原
篠原

というと、5件に2件ぐらいが高齢者(65歳以上の方)だけの世帯。少し内訳を見てみると、2千万世帯くらいの中で、およそ3割は夫婦だけで暮らしていて、24%ぐらいの方は単身で暮らしていると。

武田
武田

一人で暮らしてるんだな。

篠原
篠原

そして、親と未婚の子供で暮らしている人が20%くらい、残りが子供や孫と暮らしているということになるのですが。

武田
武田

つまり、大家族というのは圧倒的に少ないんですね。

篠原
篠原

そうなんです。三世代で暮らしている人たちは少数派になってきていまして、現在は高齢のご夫婦だけとかが主流になってきていますね。

武田
武田

うちもそうだよ。

篠原
篠原

まぁ、様々な事情があっての事だと思いますが。高齢の方がいらっしゃる世帯半数が、お一人もしくはご夫婦だけの世帯なんですが、歳をとると体力が衰えて、片付けというのが億劫になりますよね。

武田
武田

そうだね。

篠原
篠原

そうすると、物がどんどんと溜まってきてしまいます。

他にも、車の免許がなくてお買い物を自由にできない方がいると思いますが、そうすると、次に買い物に行けるのはいつになるかなぁということで、一度の買い物の量が増えるんですよね。そして使わない物もつい備えて購入してしまい、賞味期限が切れて何年も経って…そういったことが重なって、ゴミ屋敷化してしまうケースもあるみたいですね。

武田
武田

なるほどなぁ。

篠原
篠原

この社会問題化しつつある実家の片付け問題というのは、約20年前から兆候があったと言われていまして、核家族化が非常に進んでいると言われていた頃には、今のこの様相が、ある程度予測できていたんです。

現在も、ある意味で、例えば親が100歳で子が80歳の世帯になってくると、どちらも片付けがままならないというのは当然想定できますし、ましてはお一人暮らしの方でしたら、片付けが進まないと思います。

武田
武田

確かに。

篠原
篠原

ここで、どうやって片付けていこうかというところなんですが。

実家に中々帰れないという子供も多く、例えば、親御さんが還暦を迎えて、仮に85歳くらいまで暮らしたとして、その間いったいどのぐらい親と子は会えるのだろうかという数値があるのですが、「実家にいつ帰るか」という問いかけに対して、子供たちの最多回答が年間6日。

武田
武田

まぁ、お正月とお盆だろうなぁ。

篠原
篠原

仰る通り、お正月とお盆の3日ずつなんです。仮に25年間6日ずつで考えると、わずか150日ですね。ということは、いつでも会える気がしているけれども、実は半年ぐらいしか会えないのではないかという計算にもなります。親と子のコミュニケーションが不足したり、帰ってきて会う機会がないと、片付けをやるぞという時に、手がつけられない問題になってしまうんです。

武田
武田

だからって、すぐ片付けてくれって訳にはいかないからなぁ。

篠原
篠原

そうなんですよね。実は、親の世代と子の世代で、決定的に考え方が異なる点があると言われていまして。

武田
武田

なんでしょう?

篠原
篠原

子供が考える片付けというのは、ある意味シンプルで、物が少ない生き方とか、割と合理的に考えがちなんですが、親の世代というのは、物がない時代の考えで、物を持っていることこそが豊かさの象徴という理念がありますから、中々物を捨てづらいんですよね。

武田
武田

全くその通りだね。物を大切にするというのは道徳で習ってきたわけだから、捨てるというのは相当抵抗あるなぁ。

篠原
篠原

親が「廊下まで物がいっぱい」とか言うと、子供は「何故捨てないんだ」と、言い合いになってしまいがちですが、そうするとにっちもさっちもいかないというか、お互いの考え方が違いますから。

武田
武田

そうそう。

篠原
篠原

そこで先程ご紹介した「カツオが磯野家を片付ける日」という本で、どう片付けていったらスムーズに片付けられるのかということを案内していまして。

まず、気を付けるべきことというのがあって、親が生きているうちは、ある意味物が捨てられなくて、亡くなってから整理したらいいじゃないかというのがよくあるパターンなんですが、これが落とし穴なんですよね。親が生きているうちに本人の意思を元に整理してもらうことで捨てると判断ができるわけで、亡くなってしまうと遺品になってしまうので、以前にも増して捨てづらくなってしまう。

武田
武田

確かに。

篠原
篠原

あとは、子供が親の物の片付けをした時に、何に困ってるかというアンケートがあるのですが。

武田
武田

何に困ってるの?

篠原
篠原

写真や手紙に困ってるんですね。

武田
武田

それはあるかもしれないなぁ。

篠原
篠原

まず、若かりし頃の手紙が出てきて、はてさて困ったと。

武田
武田

取っておいたって、もうご本人が見るわけじゃないんだけどね。写真だってそうじゃない。一枚あればいいって感じするよなぁ。

篠原
篠原

そうですね。写真は家族と写っているようなものなど、大切な思い出になりますが、手紙に関しては、ご本人以外が整理するのは難しいかも知れないですね。

他に、子供が困るものの筆頭で上がってくるのは、布団らしいんですよね。

武田
武田

なんで困っちゃうの?

篠原
篠原

意外と、親の世代、実家に行くと布団が何組みもある家が多いと感じませんか?今、こういった大きい物が非常に捨てづらい時代になっていて。

武田
武田

お金掛かっちゃうからねぇ。

篠原
篠原

もしくは、お金を掛けずに渡せるときが年に何回かしかないとか、その周期に合わせて家に帰って来れるのかという問題も出てきますし。

武田
武田

でも、この布団さ、子供が帰ってきて泊まれるように用意していたということなんだよな。

篠原
篠原

ご実家、古くからの家だと、特にたくさん用意してありますよね。

武田
武田

一年に6日しか帰ってこなくたって、布団がなきゃ困るじゃない。で、用意しちゃうんだよ。

篠原
篠原

滞在できるようにという、親心ですよね。

武田
武田

本当に、親心ですよこれは。難しいところだよね。

篠原
篠原

親の心子知らずといいますか、お互いギャップが埋まらないような場面もありますよね。親子の間で、どうやって一緒に片付けをしていけばいいのかというところなんですが、やはり、「物があることをよしとする」または「もったいないからと物を大切にする」親の目線と、「スッキリとした生活」「どうせ使わないでしょ」という目線で捨てに入ってしまう子では分かれ道になってしまうので、例えば、安全な家を一緒につくるという目標を持ったり。つまり、揺れで物が落ちてこないように物を減らして減災する。他にも、床に物があれば転倒の可能性もありますし…こういうお互いに共有できるところから、一緒に目的やゴールを見つけて、生前に整理を進めるのがいい解決法だといいます。

武田
武田

なるほどね。

篠原
篠原

親と子が一緒に片付けをするときに、親に言ってはいけない言葉というのがあるそうで。

武田
武田

なんだね?

篠原
篠原

こういった言葉は非常に言ってしまいがちですが、「いつか使うっていつだ」とか「どうせ使わないんでしょ」と言うと、喧嘩のもとになるそうですね。あなたのために取っておいてあるんだという親心とぶつかってしまうという。

武田
武田

なるほどね(笑)

篠原
篠原

「物を残されて困るのは私なんだから」とか「私が片付けてあげているのに」という言葉はよろしくないと。

他にも、通帳や権利書など、いきなり財産の話はしてはいけないという注意が書かれています。年に何回かしか帰ってこれない中で、いきなりそういった話をすると、会えない期間にお互いの不信が募るのではないかと。

武田
武田

そうだろうねぇ。

篠原
篠原

親と子の片付けというのは、お互いに共通点を見出しながら、歩み寄りながら進めるということが大事なんですね。

実は、片付いている家というのは、ある意味片付けられる習慣があるという。正論よりも習慣を優先しようということがあるそうなんです。

武田
武田

どういうことでしょうか?

篠原
篠原

例えば、整理をするときに、現代の考えだと仕切りがついていて使いやすい便利な収納グッズや、おしゃれな籠などを用意して片付けようとしますよね。親の世代にとってみたら、使い古しのクッキーの缶の方がうまく整理がいくこともあったり。あとは、最新の多機能型掃除機や片付けロボット、スイッチを入れておけば掃除をして勝手に充電してくれる掃除機もありますが、親の世代からしてみたら、使い慣れた掃除機の方がいいという考えがある。子供の目線からしたら「このほうが便利なのに」と思ってしまいがちですが、相手の生活習慣に合わせた方が上手くいくんです。つまり、片付けというのは、長年の習慣を変えずに進めていくのがコツのようですね。

武田
武田

なるほどなぁ。

篠原
篠原

あと、親子間で上手くいく片付けの要諦として「捨てるか迷ったら一時保管する」というルールを作ることで、幾分スムーズにいくそうです。これは、捨てる=悪だと親に受け止められてしまうこともありますので、3秒かけて判断がつかない時には、一旦保管しようということで妥協点を探るといいようです。

武田
武田

なるほどね。

篠原
篠原

実は、この一時保管、言葉を返すと親が亡くなったら捨ててもいいものという意味らしくて、親が元気なうちは大事にして、亡くなられて日が経ってから整理すると、非常にスムーズにいくそうですね。

武田
武田

難しい問題だね。私は、日本の状態がこのままいけるかどうかって凄く心配なのね。つまり、物不足がこれから絶対ないということはないわけだよ。世界情勢見ると、人口増えてるでしょ?日本は人口が減ってるんだけどさ。それで石油とかが来なくなったら一体どうなるんだろうと、寒くなって電気が来なくなったらどうなるんだろうとか考えるよ。

篠原
篠原

仰る通りですよね。そういった考えや理由があって物を大事にしてきていて、尊重すべきだという考えが根っこにあって。

かといって、大災害が起きたらどうするんだとか。

武田
武田

そうそう、そういう事も考えちゃうからね。

篠原
篠原

一番いいのは、やはりお互いに相談し合って、妥協点を探りながらやっていくということのようですね。

武田
武田

皆さんのお宅はどうでしょうか?歳をとって片付けが億劫になってからじゃ困るんです。でも、元気なうちにちゃんと仕分けできればいいんだけど、これが難しいんですよね。考えなければいけない問題なんだろうな。

篠原
篠原

少しお考えになってみてはと思います。

武田
武田

来年にしようか、みたいなのはだめなんです(笑)

篠原
篠原

そうですね。

武田
武田

ゴミ屋敷化、困ったもんでございますね。本日は、そういった問題についてお話しをしてもらいました!

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