2016.07.16「新盆の迎え方」

そうですね。昨日の7月15日が東京のお盆の中日でしたが、長野県では、来月お盆を迎えますね。

本日は、近親者を亡くした方が迎えるお盆のことについてお話していこうと思います。新盆（にいぼん、はつぼん）、東信でいくと新盆（あらぼん）と呼ばれていますが。

そうなんです。お盆は地域差があって、時期についても、全国で4つあるようです。

東京、関東の一部では、7月15日を中心に、13～16日の期間で行っていますね。ですが、一般的には、8月13~16日ですよね。

沖縄や鹿児島県の一部では、未だに旧暦の7月15日に行われているそうですが。

東信でも一部そういうところがあるようで、8月1日をお盆として行っているところもあるようです。

ありますね。呼び方が、はつぼん、ゆいぼん、もしくは新しいと書いてあらぼん、にいぼん、しんぼん、と様々あるだけに、地域での解釈も様々な形があります。

ということで、本日は、近親者を亡くされた方は、どうやって新しいお盆を迎えればいいのか、お話したいと思います。

新盆というのは、親しい方を亡くされて49日を過ぎてから迎える、初めてのお盆のことを言いますが。

49日を過ぎ、仏様になられてお帰りになるのをお迎えするということですね。つまり、今年の6月の下旬ぐらいまでにお亡くなりになると、今年がお盆になって、逆に、今の時期や来月の初旬(7～8月)に亡くなられると、翌年が初めてのお盆ということになります。

そして、お盆と言えば提灯ですが、県内ではあまり見かけないですが、白門天と呼ばれる、真っ白な提灯を飾るのが全国一般的に行われていますね。

今の時期、関東圏の仏具屋さんに行っても手に入らないくらい、各家庭が用意してお盆を迎えますね。ましては、東京は7月がお盆ですから、今の時期は本当に提灯が手に入りにくいです。

白門天は使わなくても、兄弟やお身内で提灯を贈り合うという文化はありますよね。

初めてお盆を迎えるにあたって、県内でいくと、近しい方が家紋を入れて贈ったりしますね。提灯は灯明ですから、夜に照らしてくれて、お盆の期間を過ごすには一番相応しい物だということで贈り合ったりします。

で、お盆の期間は、ご近所の方、会社の関係など、色々な方がお越しになりますよね。家族として、自宅でどのようにお迎えしたらいいかというお話なんですが。

まず、服装についてのご質問をよくいただきますね。

見るからに、暑そうですよね。しかし、喪服を着て来られる方がほとんどなので、男性はワイシャツにネクタイを。最近はクールビズで、ネクタイをしなくても正装になりますが、ワイシャツと黒いパンツなどで迎えることが多いですね。女性の方も、生地が夏仕様で、涼しそうな黒っぽい服装ならいいと言われています。

これは招かれた側にも同じことが言えまして、やはり喪服を着ていくのが一般的ですが、男性の場合はジャケットを一応手では持っていくけれど、ワイシャツとネクタイで行くことが多いですね。

あと、迎える側のお家の準備についてですが、多くの方がお越しになられるので、ご供養ができる準備をします。盆棚や段飾り、ご先祖様のお位牌を出してきたりもしますが、やはり、その年に新たに仏様として帰られた方を中心に、ということで、その方のお写真などを中心に飾ります。そして、お線香があげられる準備をしたり、盆棚に、その時期に採れたお野菜や精霊馬を供えると。

迎え火の煙に乗って、精霊馬で来られる、そのための準備をするわけですね。

で、近年は省力化、省略可してきているといいますか、家によっては、何十件とご挨拶に周らなければいけないところもあるという中で、ご自宅に靴を脱いで上がらなくてもいいように、佐久では縁側にお線香の準備をして、玄関先でご挨拶をして、御参りをして、お帰りになる形もあります。

ましては、喪服で行くということは、革靴で、脱ぎづらかったりしますからね。

省略化が進んできているという意味では、以前は初めてのお盆を迎える方の家に、供養の印として、表書きを御仏前の形にして。

割と、お葬儀の席では御霊前が多いですが、49日を過ぎて仏様になったということで。

そうなんです。通常はご仏前の表書きで持って行くのですが、これも省略の流れの中にありまして、ご近所さんなど、お互い様というところがあるので、徐々に包む形が変わってきていますね。ましては、受け取り側が辞退することが増えてきましたね。

長野県では、生活改善委員会というものがありまして、そのご指導の元、包むことを辞退されて、お返しもなく。

増えてきましたよね。

そうですね。やはり、今時期から8月にかけて、そういった取り決め事項が、自治体などから送られてくることもありますよね。やはり、地域でやり方が違うので、分からなければ地域の詳しい方に聞いて行くといいと思います。

あと、お迎えする側として考えることとして、菩提寺との関係というのがあって。

お盆といえば、昔は棚経と言って、自宅にお寺さんをお招きして、お仏壇の前、もしくは仮設した棚飾りのところでお経を頂きましたが、近年は亡くなられる方も増えてきていますし、お盆の時期は、施餓鬼供養をお寺でされていますので、それに合わせる形でお勤めをいただく形もありますね。ですが、未だに自宅に来てくださったり、お寺へ出向いたり、お寺によって違うとは思います。

もしご自宅へお越しになる場合は、お礼のお布施をご用意しますが、全国一般の、僧侶の方への御礼には、およそ1万円～3万円掛かると言われていますね。

あと、施餓鬼供養と合わせる形でお寺へ出向いていく場合は、供養の印として卒塔婆を書いていただいて、それをいただいて帰るのが代表的な形ですね。その場合、塔婆料という形で、事前にいくら包んできて下さいと言われるケースもあるようですね。他にも、会食を設けることもあったり、色々な形で行うようです。

やはり、時代と共に新しいお盆の迎え方も変わってきていると感じますね。しかし、お盆の基本的な知識などを知る意味では、お寺様と準備して、お盆を迎えるのがいいと思います。

ご近所であれば勝手知ったるところでしょうからね。もし不安があれば、近所の方にご相談するのも一つの方法かと思います。