2018.03.17「時代の変化と葬儀」

おくりびとからのメッセージ

武田
武田

つばさ公益社さん、まだ発足間もないですけれども、随分お忙しいようですね!

篠原
篠原

オープンして3ヶ月という時期ですが、おかげさまで30件弱ぐらいご依頼をいただいておりまして、反響の大きさに驚いています。

武田
武田

つばさ公益社さんは、葬儀代金の予算が見える化されていて、非常にお客さんとしてはありがたいことでしょう。

篠原
篠原

ありがとうございます。そうですね、葬儀費用というのは、分かりづらいし、聞き辛いというものですから。

武田
武田

うん。

篠原
篠原

なので、つばさでは定額のお葬式のプランや、何人で総額いくら、といった、398,000円くらいの金額でお葬式を承っているのですが、割とそういったことを必要としてる方が多い印象ですね。

武田
武田

しかも、お葬式というのは、突然起こることだからね。急に何百万って言われても、出せないよね。

篠原
篠原

本当にそうですよね。一頃はお葬式の平均価格が、全国平均でも200万円を超えていた時代がありましたが…。本当に急なことですし、しかも現金払いで、というようなことも。

武田
武田

そうなんだよ。こういう背景もあって、家族葬が最近盛んになってきてるんだと思いますよ。

篠原
篠原

本当に、最近になって家族葬が非常に増えてきていますよね。体感的には、3割くらいが家族葬になってきたかなぁと言う感じでしたが。

武田
武田

そうなんですね。

篠原
篠原

佐久地方では、最近、佐久平斎場という火葬場ができまして、年間で大体3000人前後の方が、火葬に付されるそうで。

出入り業者ですと、火葬場の稼働状況が見てとれるのですが、実は、現在新聞のお悔やみ欄に載せる方というのは、半分以下で。

武田
武田

そうでしょうね。

篠原
篠原

しかも、新聞に掲載された内、一割くらいが近親者のみで、という表記になってきていますよね。実際問題、蓋を開けてみると、既に半数かそれ以上が、告知のないお葬式になってきているんですよね。

武田
武田

ご商売やってらっしゃる方とかは、多くの人達に顔を見てもらいたい部分もあるだろうけれども、一般的な家庭では、広めたって…というのはあると思うよ。

篠原
篠原

そうですよね。高齢化してきていることもあると思いますし、付き合いを段々と畳んでいこうかな、という中で、いわゆる大々的に告知しないケースも増えてきていると思います。

年々、周辺でお葬式の話題って増えてきてると思いませんか?

武田
武田

増えてきてますよ。葬式どうしようかとかね、そういう話もあります。

篠原
篠原

2000年頃は、まだ年間96万人が亡くなる時代で。

武田
武田

18年前だね。

篠原
篠原

2017年は134万人程の方が亡くなられたそうなのですが、この十数年の内に、大体1.44倍になっていますね。

武田
武田

これから、もっと増えるでしょう。

篠原
篠原

そうですね。実際の件数だけ見ても、全国で大体1.5倍ぐらいになっていて。

長野県は長寿県で、より高齢の方が多く、元気でいらっしゃる訳ですので、長野で暮らしていると、体感的にもう少し亡くなる方が多く感じると思いますが。

武田
武田

はい。

篠原
篠原

昔は、お葬式を1回経験すると、次経験するのは30年後、なんてこともありましたが。

武田
武田

今はそうでもないんだろうなぁ。

篠原
篠原

今では、割と最近の記憶というか、非常にお葬式を身近に感じるようになりましたよね。

武田
武田

私も、つい最近知人の方が亡くなられてお焼香に行ったんだけれども、そこにいた私の先輩が、最近葬式ばかりで大変なんだと言っていましたよ。

篠原
篠原

本当に、大変ですよね。

武田
武田

受付も多いし楽じゃねえぞ!と言ってましたねぇ、確かに。

篠原
篠原

様々な付き合いで葬儀に参列する回数も多い方もいらっしゃると思いますが、これがともすれば、一月(ひとつき)の間に下手したら5~10回なんてことがあるかも知れなくて、そうすると告知しなくてもいいんじゃないか、というような思いにもなってくるかもしれないですよね。

武田
武田

お友達沢山いるけど告知したらご迷惑掛けるから、こっそりとこちらで葬儀をして、後日はがき1枚でお知らせしましょうと。こういう気持ち、分かりますよ。

篠原
篠原

そうですね。実は、関西、特に大阪では、「香典辞退」というのが、かなり広まってきていて。

武田
武田

なるほどねぇ。

篠原
篠原

これは大阪に限らず、いわゆる都市圏では増えてきているのですが、家族で静かに行いますということで、告知をせず、香典も受け取らず、お互いにお金の出費を無くしていこうという流れも始まってきていますね。

武田
武田

質問なんだけど、お香典を貰って、返礼品をお渡しするじゃないですか。あれって、何人分用意しておけば良いのか、分からないじゃないですか。

あれってどうやってやったらいいの?

篠原
篠原

例えば、返礼品というのは大体が返品可能なものなので、多めに準備しておいて、あとで返品するという方法もあります。返礼品に付ける挨拶状などは、印刷してしまうもので返品がきかないので、予想に近いところで準備すると良いと思います。

武田
武田

家族葬だと、大体人数の把握ができるから、準備がしやすいですね。

篠原
篠原

そうですね。そういったこともあって、家族葬が増えてきているのかも知れません。

お葬式に関して、この十数年の中で最も変わったのは、こうした返礼品の関係だと思っております。

武田
武田

そうなんですか?

篠原
篠原

例えば、最近は返礼品の代わりに寄付をするケースもあります。日本財団など有名な団体がありますけれども、例えば福祉向けのものに使ってくれとか、用途を指定したような寄付をお葬式の上に利用される方がいたり。

武田
武田

なるほどねぇ。

篠原
篠原

お葬式には当然香典があって、返礼品が切っても切り離せない状況でしたが、最近ではカタログギフト形式で好きなものが選べるようになったり、先程の寄付の形も増えてきていて。

武田
武田

香典を寄付に回すってことですか?

篠原
篠原

そういうことです。それも一つの社会貢献と、お考えによるところですかね。

武田
武田

う~ん。

篠原
篠原

このように、ここ僅か10年の間でもお葬式の形はかなり変わりました。昔のお葬式はこういう形だったという考えがある方も、それとは違うお葬式を経験するようになってきたと思います。

武田
武田

そうですよねぇ。

篠原
篠原

最近凄く増えているのは、「一日葬」というお葬式で、いわゆる、通夜式のないお葬式と言えば分かりやすいでしょうか。

武田
武田

そうですね。

篠原
篠原

お葬式の当日に集合して、お葬儀を行って、火葬場に行って、ちょっとした食事を以て解散、という流れのお葬式なんですが。

武田
武田

例えば老夫妻の場合、片方の連れ合いが亡くなった時は、負担もあるから、長期間かけてできないじゃないですか。そういった方にはありがたいですよね。

篠原
篠原

そうですね。この一日葬が生まれた背景があって、長野県民はお通夜が無いことを割と受け止められますが、東京の人にとってお通夜のない葬式はつまり、告別式がないのと一緒なんですよね。

武田
武田

そうなんですか。

篠原
篠原

東京だと、お葬式といえば、お通夜に行かないといけないという考えがあって、本葬の日に行くと、親族だけで場違いな感じになってしまうんです。ですので、関東近郊で一日葬で通夜が無いということは、つまり家族だけで行なうんだな、となる訳ですね。

武田
武田

なるほどね。

篠原
篠原

なので、通夜だけ行って、本葬の日は火葬しか行わないというような形もあります。関東圏の方にとって、お葬式を行なうということは、人を呼んで、食事を共にするという認識なので、通夜を家族だけで行うことが多いですが。

武田
武田

そういうこともあるんですね。お葬式で初七日もやってしまうとかね。

篠原
篠原

そうですね。やはり短い期間で何度もお呼びするのは、中々心苦しいですから。

武田
武田

呼ばれるほうもそうだし、呼ぶほうだって大変なことですから。

篠原
篠原

人の行き来や移動は負担が掛かりますし、当然、食事諸々準備しなければいけませんし。

武田
武田

篠原さんのお話を聞いてると、お葬式の昔の伝統的なものが、今の時代に合うような雰囲気で変形をしていくのも、やむを得ないことだと思いますね。

篠原
篠原

そうですね。家族の形、地域の形も変わってきた中で、お葬式も大きく変わってきてますよね。

武田
武田

ということで、こういったお葬式の知識はなるべく知っておいた方がよろしいのではないかと思います。今回は、家族葬最近増えてますよ、というお話でした。

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