いよいよ、つばさ公益社という会社を始めたそうですが、どういった企業なんですか?
墓じまいを主に専業として取り扱う会社です。予てから葬祭関連の仕事で色々なご家族の事情を拝見してきたのですが、お墓に困っている方って結構多いんですよね。
そうみたいですよ。
こちらの番組にお寄せいただくお便りも、お墓についてのお便りをいただくことが多くて。そういうこともあって、墓じまいを取り扱う会社として、つばさ公益社を開始しました。
墓じまいというのは、そもそもどういう概念を考えたらいいんですか?
今までの墓じまいといえば、いわゆる墓石屋・石屋さんが、役目を終えたお墓の石の撤去をしたり、供養をしたりして更地にすることを指しましたが、新しい意味での墓じまいとしては、やはり、ライフスタイルが随分変わってきていて。
そうですよね。
何故、お墓の問題が近年こうして起こるようになったかというと、人が移動するからなんですよね。
そういうことですよね。昔はほとんど、先祖代々の家に住んでいたからね。
例えば、親も子供もそのまた子供も同じ場所で一生生活していれば、こういった問題も起こりませんが、現在は子供が仕事で東京や海外にいるという方は、やはりお墓を見切れなくなったりしますよね。あと、江戸時代の日本人の人口は3000万人くらいだったのですが、ここから明治時代、現在の平成にかけて人工が増えてきている。
現在、1億2700万人なんでしょう?
そうなんです。新聞にも載っていましたね。で、お墓というのは通常、長男しか先祖代々のお墓には入らないので、そうすると、次男以降は自分でお墓を作りますが。
そうですよね。
ということは、ねずみ算といいますか、お墓が増えてきますよね。それこそ明治、大正、昭和、平成とお墓が増えてきていたのですが、人口減少の局面に入ってきて、お墓を支える人数が減ってきていて…。
そういうことですよね。
やはり、後継者や子供がいなかったり、女性だけの家庭では、お墓を最終的にどうすればいいのか?となりますよね。なので、この時代は特に墓じまいを必要としていて。
そこで、墓じまい専門をキャッチフレーズにしているんですね。
はい。実は、墓を閉めるというのは簡単ではなくて、昔は墓じまいをするということ自体、ほぼ不可能だったんです。
そうなんですか。
何故かというと、昭和23年の戦後間もなくに作られた「墓埋法」という、埋葬に関する法律があって、これが定義する墓じまいの方法というのは、”お墓の使用者と死亡者の本籍地、住所地の市町村長に照合をして回答を得なさい、又は2種類以上の新聞に3回以上広告を出して申し出がなければ処理することができる”という。
そういう法律があるんだね。勝手に墓じまいできないんだ。
このような法律があって、事実上不可能ではないかと、中々手が出ない状況でした。
しかし、平成11年に改正が行われて、現在は最短で4年あれば、お墓を閉められるようになったんです。
それでも、4年掛かるんだね。
これはつまり、無縁墓化した、つまり跡継ぎがいなくて管理する人がいなくなったお墓を閉める場合、お墓の管理者は最短4年で閉められるという意味なんですが。
法律が変わって、例えば東京都立霊園という、東京都が運営してるお墓が8ヶ所程あって、ここにはおよそ27万世帯、125万人のご遺骨が眠っていると言われているのですが、10年間で1600もの墓じまいを行なったという数値が出ていて。
ほぉ~。
使用不明のお墓もあって、使用不明の中でも正式な手順を踏んで閉じたのが1600で、現在も不明のままになっているのがまだ5000ぐらいあるそうですが。
それはあるでしょう。
東京都はこういった状況ですが、実は全国自治体でも跡継ぎがいなくなってしまったお墓を徐々に墓じまいし始めています。そして新しい使用者に分譲したりしているのですが。
ただ、家はもう後継者がいないから、お墓をどうしようかとなった際に、墓じまいの手順っていうのは、意外と分からないものですよね。
分からないよね。
そういったことの相談窓口になるために、この仕事を始めたのがスタートでして。
そういうことに悩んでいる方が、つばさ公益社にご連絡すると、ご相談に乗ってくれるという訳ですね。
そうなんです。割とお話しをお伺いして解決することが多い印象ですね。
なるほど。それから、東信地方とか埼玉県内の4ヶ所のお寺さんとも提携して事業を始めると聞いていましたが。
そうですね。永代供養墓という新しいお墓の形があって、その特徴は、後継者が必要ないんですよね。時代の事情にも合致していて、後継者で悩んでる人の助けになるお墓だと思いますが、永代供養墓と言っても、様々な提供の形があって。
なるほど。
永代供養墓というのは、本来的に後継者がいなくなることを想定してのお墓なので、管理費が掛からないのが通常でした。通常、お墓は所有ができなくて借りるものですから、毎年管理費を納めますよね。
そうですね。
例えば、長野市や上田市の自治体では、1万円くらい。この管理費、通常の永代供養墓では一度納めたら終わりですが、中には毎年管理費を納めるタイプのものもあります。近年では、お墓自体も色々なタイプがあって混乱すると思います。それも踏まえてご相談を伺って、その方が求めているところに辿り着けるようにしていきたいと思っております。
実は、通常お墓を提供できるのは宗教法人か自治体だけなんですが、最近、長野市内のお寺と提携することができまして、つばさ公益社でも永代供養墓の提供を開始するようになりました。
よかったですね!
永代供養墓といえば、お墓参りをする必要がありますから。
法要だってするよね。
なので、お寺との提携先が増えると、利便性が向上するので、ご説明して歩いているというか。
なるほどね。それから、直ぐにお墓に入れない方だって沢山おりますよね。遺骨をどうするかという問題も出てくるでしょ?
そうなんです。実は、お葬式が終わってからご自宅で遺骨を保管しているご家庭が最近増えてきていて、例えば愛知県では、火葬場から一部だけお骨を持ち帰るのが通例なので、骨壺が小さいのですが、長野県では全骨持ち帰るので、骨壷が非常に大きくて。
深さもありますよね。
通常7~8寸という、既製品では一番大きいサイズを使うのですが、家に置いておくには大きいですし、骨壷というのは密閉できないので、湿気が入ってきてしまって。
風入ってきちゃったりするもんな。
ご自宅で一時的にご安置することは法律的に問題ないですが、ご自宅に置くのであれば、安心して保管できるようにしたいですよね。
そうだね。
そこで、手元遺骨供養と呼んでいるのですが、小さい仏壇のパッケージを提供しています。
つまり、現在お墓を巡る色々な諸問題がこの時代の彗星と共に大きな問題になっていると…それを総合的に何とか解決をしましょうということですね?
そうですね。つばさ公益社は、悩んでいる時に相談できる場所として開設したような意図がありますので、お墓でお困りの方がいれば、ご相談いただけると幸いです。
今もご相談の電話が沢山あるということですね。
おかげさまで、沢山のご連絡をいただくようになりましたし、直接足を運んできて下さる方もいらっしゃいますね。信濃毎日新聞でも取り上げていただきまして、本当にありがたいです。
そうなんですね!悩んでる方は是非ご連絡いただいてご相談していただければと思います。お話ありがとうございました。