今日はどういうテーマになりますかね?
本日のテーマは「単身化」です。
家庭で一人になっちゃうという。単身赴任の単身ですか?
その単身ですね、一人身になるという。単身化についてのお話をしていこうと思います。この言葉、耳慣れない方も多いかと思うのですが、実は、近年社会問題化しつつあることなんですよね。
そうなんですか。
何故、この単身化という言葉が深刻な問題だと言われるようになってきているかというと、これからかなり急速に進む見込みが立っていて。
我々団塊世代ですね。子供も一緒に住まない時代になってきたじゃない。夫婦だけで住んでる方とかも多いよ。
そうですよね。
つまり、どちらかが亡くなると一人になる。
そうです。まぁ、いつどうなるかというのは、当然分からないことではありますけれども。
ええ。
実は、高齢者の単身世帯というものが、年度を重ねるごとに増えてきているのですが。
でしょうねぇ…。
1975年、この当時は単独の世帯が男性で1.9%ぐらい。
昭和50年の頃ですね。
女性だと6.6%ぐらいということで…本当に極一部ですね。高齢になって一人という人はそれほどいなかった訳ですが。
男性が1.9%、女性が6.6%。まぁ、女性の方が長生きするということも関係してるんだろうなぁ。
その通りですね。これが2013年になると、男性女性合わせて25.6%になるそうで。
4人に1人ってことですね。
65歳以上の4人に1人が単身化して、これが今後更に、急速に増えるという見込みがありまして。
そうなんですね。
実は、世帯の人数と直接的に関係している一つの数字があって、「生涯未婚率」と言うのですが。
ほぉほぉ。
これは、現在50歳の方で、まだ一度も結婚した経験がないという、その割合が生涯未婚率というものになるのですが。
なるほど。
これは、1950年、戦後まだ間もない頃ですね。この頃の生涯未婚率は、男性で1.5%、女性で1.3%で、非常に少ないのですが。
1950年、昭和25年ね。私が4歳ぐらいの時だね(笑)
この時代から、実は先程にもリンクしているのですが、ここから25年経ったのが1975年ですよね。
おお、先程の昭和50年だな。
ですから、当時50歳時点で未婚だった人も、そこから時間が経っても単身でいる可能性が高い訳ですけれども。実は、この生涯未婚率というのは、直接的に単身化に結びついている一つの数字でして。
はい。
1950年、60年、70年、80年と、生涯未婚率は微増というレベルだったのですが、これが1990年から急激に伸びてきていまして。
そうなんですか。
全体で5%ぐらいで、ここから10年経った2000年頃で10%ぐらい。2015年になると、20%弱、ですから5人に1人が50歳で未婚だという状況となる訳です。
周り見たって、結構未婚の女性男性多いもんなぁ。SBCで働いてますけど、多いよ、結構。
割と結婚しないのが受け入れられている時代になってきたと思いますね。これには、いくつかの要因があると言われていて。
はい。
例えば女性にとっては、社会進出して働く環境も徐々に整ってきた中で、収入を得られるようになったから、旦那さんの収入が無くても大丈夫な時代になってきていますし、男性にとっては、ちょうどこの1990年代から、24時間営業のコンビニエンスストアが増えてきたのが要因だと言われていまして。
分かるなぁ。飯を作ってくれる人がいなくてもいいんだ。
当時はもしかしたらカップラーメンぐらいしか取り扱ってなかったかも知れませんが、電子レンジがあれば何でも食べれるようになってきて。
なるほどねぇ。
で、先程2000年に10%前後を見込んだという話をしましたが、現在17年経ってますから、この人達は既に65歳を超えている訳ですよね。
そういうことだね。
意味結果として、およそ4人に1人が単身で暮らしているという時代になってきたのですが…。これが10年後、生涯未婚率が倍増しているので、やはり人口統計というのは、やがて来る未来が予測できる、かなり確度が高い情報ということで。
そうですよ。だから、今から対策を練ることだってできるけど、現在のことで手一杯だから、みんなやらないですよねぇ。
この単身化というのは、現在夫婦で元気で健康でいたり、子供さんと同居してるなんていう方たちでも、やはりいずれ来る一つのリスクですから、準備しておくと良いと思いますね。
そういうことです。
もう一つ、単身化していく要因を見ていきたいのですが…。
はい。
「熟年離婚」という言葉がありますよね。
一頃、流行りましたよ~。
そうですよね。
年金が結構入るから。でも、年金って凄く少なくなりましたよね。熟年離婚って、今も多いの?
実は、ここ20年の傾向で増えてきていまして。今仰られたように、年金も昔のいわゆる法律の下では、男性の年金が分割されない時代があったのですが。
うん。
法改正によって、女性の功績を認めるべきだということで、男性の年金を半分受け取るという権利ができてから、熟年離婚が実数として、1970年に年間で5400件ぐらい。
熟年離婚が5400件ねぇ。
これが、1990年から増えはじめまして、2万件くらいになったんですよね。
確かにねぇ、90年代は熟年離婚が話題になってましたよ。
ドラマにもなりましたからね。
あったなぁ~。
そして、2000年には6万件弱になって。
ほぉ。
その後、東日本震災などの震災の時に一時的に減ったりもしたのですが、今現在もやはり6万件前後ですね。
結構多いんだねぇ。
この40年くらいを振り返ると、10倍上に行っているくらいですかね。これは色々な要因があるとは思いますが、やはり、高齢になって配偶者と離れるというのは、お互いにとってリスクもあると思いますし。
そうは言っても離れざるをお得ないような事情がある方もおられるでしょうけれど。離婚してしまえば当然一人世帯になる訳ですし、自立的に生活をできていればいいと思いますが…。
そうですね。
いずれ加齢していく中で、自立的な生活が難しくなる場面は、やはり来ると思うので、その中でどうしていくか考えることが大切だと思いますね。
う~ん。
その一つとして、介護保険という制度というものがあります。非常に身近な保険制度ですが、これ、実はまだ生まれて20年なんですよ。
そうですよね。
1997年に成立して、その後、僅か3年、2000年に施行されていますね。で、この介護保険制度、今最も激しく変化している法律の一つといいますか、制度の一つでして。
ほぉ。
3年ごとに大きく見直しが掛けられていて、2000年に施工した後、例えば、2006年には介護を予防するという観点から保険制度を見直そうとやってみたり、2012年は、今度は地域包括、地域で見ていこうということに主眼が置かれたり…。
なるほど。
で、最近の2015年に改正されたのは、所得による負担分を変更していこうとか…これは結構大きくて、介護報酬制度というところの報酬額が減ったり、かなり変化が激しい法律ではありますが。
この介護保険制度を知るということは、老いていくこととか、病に向き合う終活と一緒だと思いまして。是非考えていただきたいのが、単身化するというのは、今夫婦でいる方でもいつかそうなる日がくるでしょうし、介護は誰がするのかという問題と、一つ直接的なところがありますよね。
そうですね。
今一人でいる方は、もしかしたら都会から子供が帰って来て介護するのか、もしくは第三者か、というところですが…実は、ある統計では、世の男性の皆さんは、妻が頼りになると思っているんですよね。
(笑)
で、奥さんは、旦那さんにあまり期待していないという数字が出ていて、旦那さんが頼りになると答えた人は、2割前後だったようです。
やっぱりそんなもんなんだなぁ。
男性は7~8割、妻は頼りになると。
これも随分だよなぁ。
随分ですよね。奥さんは大事にしないといけないと思うのですが、実は、実際に奥さんが介護してますという割合は結構少なくて。
なるほど。
厚生労働省の実態調査によりますと、妻が夫の介護してます、もしくは夫が妻の介護をしていますというのが、全体の18%ぐらいということで、実はメインストリームではないのですね。
では、誰が介護しているのかというと、やはり子供が一番多いですね。
今でもそうなんだね。
ただし、介護が必要になるのは多くの場合、80を過ぎてからで。
子供だっていい歳だよ?60代とかね。
そうですね。「老老介護」という言葉が一時期凄く話題になりましたが。
そうそう。
厚生労働省の調査によると、今現在、介護の現場では老老介護が全体の65%以上だと言われていまして。
なるほどなぁ。
ですから、今実際に介護にあたっている人達も斯様な訳で、高齢の身で親を看ている状況であると。その中で、第三者の手を頼るというのは、誰にとっても共通の課題というか、向き合っていかなければいけない一つの課題であると思うのですよね、家庭で見る限界もありますし。
そうですね。
今現在、介護保険制度が徐々に充実してきて、特別養護老人ホームなどの制度も充実してきているので、介護保険制度をよく知り、どこでサービスを受けて、施設をどう選ぶか考えることが大事だと思いますね。
あと、心の健康を保つということが、大いに重要だということが最近の研究で分かってきていまして。
なるほどな。
趣味や楽しみを見つけるのもそうですが、誰かの人の為に役に立っているというのが、心の健康にとても重要だそうですね。
ですので、家庭の中に関わらず、例えば外に出ていって団体や地域の中に関わるというのも大事になってきます。最近は行政支援等でも場所作りサポーターなんていう方達もいて活躍されているのですが。
ああ、そうなんだ。
様々、自治体への活動等にも積極的に出ていって、孤立化しないようにしていくと良いと思います。
単身化しないように気を付けると。どなたにも訪れることだからね。
その通りです。
ということで、近い将来、皆さんもなる、これを是非自覚してほしいということでございます。
はい。本日はありがとうございました。