お通夜や葬儀の際には遺影写真が飾られていることが一般的です。
では、遺影写真の選び方に決まりはあるのでしょうか。
そもそも遺影写真とは何でしょうか。
日常生活では遺影写真について考えることもほとんどない状況だと思います。
多くの方がご家族の死後、慌てて葬儀用の遺影写真を探し、選択することになります。
そして、どのような写真を選択したらいいのか迷って検索することになります。
そこで、ここでは遺影写真とはどのようなものかについてから、遺影写真の選択方法・飾り方についてまで幅広くご紹介していきます。
必要になってから慌てることがないよう、ぜひこの記事を読んで参考にしてくださいね。
遺影写真とは?
遺影写真とは、お通夜やお葬式の際に飾る故人の写真を指します。
以前はかしこまった写真が好ましいとされていましたが、現在では故人の在りし日の姿に近い写真を選択することが好ましいとされています。
したがって、正装でなくてもかまいませんし、笑顔であってもかまいません。
もちろん、モノクロ写真を選択する必要もありません。
現在は写真の加工技術が進化しているので、個人写真ではなく、集合写真から故人だけを切り抜いて使うことも可能です。
集合写真であれば、故人も自然な笑顔や優しい表情をしていることも多く、むしろ集合写真から故人の写真を選択することも増えていると言えます。
遺影写真の選び方の注意点
遺影写真を用意する上で、注意するべき点もあります。
その点についていくつかご紹介していきましょう。
〇故人の写真にピントが合っているものを選ぶ
集合写真からの切り抜きで、もともとの写真があまりにも小さい場合には、拡大しすぎて故人の写真がぼやけてしまうことがあります。
拡大してもピントがボケない写真の大きさの目安としては、500円玉台ほどだと言われています。
〇遺影写真ではできるだけ亡くなる直前の写真を選ぶ
亡くなる直前の写真を選んだほうが良い理由は故人の生前の様子を思い出しやすいためです。
ただし、闘病の末亡くなった場合など、故人がやつれてしまっている場合には、元気なころの写真を用いるといいでしょう。
また、必ずしも正面向きである必要はありませんが、故人に思いを馳せやすいよう、カメラ目線の写真が好ましいとされています。
遺影写真を飾る際のルールやマナーとは?
葬儀の際に飾る遺影写真は式場の後方の方にも見えるように大きめのサイズのものを使用します。
具体的には
- 四つ切りサイズ(縦305mm×横254mm)
- A4サイズ(縦297mm×横210mm)
です。
また、額縁も以前は黒が基本でしたが、現在はピンクなどの淡い色やアルミや樹脂などの素材でできた額縁なども多くなっています。
通常は葬儀社のプランの中に遺影写真の用意もセットとなっており、葬儀社の方で適切なサイズの遺影写真に額縁を合わせてくださいます。
もし、生前からこだわりや希望があった場合には葬儀社に相談してみるといいでしょう。
葬儀社が事前に用意している額縁と異なるものを選択する場合には追加料金がかかることもありますが、葬儀社に相談して故人の生前の想いを尊重することは、遺族としては優先したい事項だと考えられます。
ですから、葬儀社に対応可能かを相談してみるといいでしょう。
また、祭壇に飾る写真は紙媒体ではなく、ディスプレイやスクリーンに故人の映像を映し出すこともマナー違反ではないとされています。
多くの場合、紙媒体の遺影写真を使用することが多いので、ディスプレイやスクリーンを使用したい場合も葬儀社の方に相談してみるといいでしょう。
遺影写真を飾る際のポイントとは?
葬儀の際の遺影写真は祭壇の中央に飾られます。
この際のセッティングは葬儀社の方が行ってくださるので、お任せしましょう。
葬儀の後に遺影写真を飾る場所とは
葬儀が終わった後の遺影写真はどう扱うかご存知でしょうか。
遺影写真は一般的に、四十九日までは、ご遺骨や位牌と一緒に後飾り祭壇にご安置します。
その後は、仏壇の近くや仏間に飾ることが一般的です。
ところが、現在の家では仏間がないことも多くなっています。
その場合は、床の間やリビング、寝室などに飾りましょう。
重要なのは目につきやすい場所に飾ることです。
そうすることで、いつでも自然に遺影が目に入り、いつでも故人を思い出すことができます。
もともとは鴨居や長押(なげし)に取り付けることも多かった遺影写真ですが、現在の家屋の状況上、鴨居や長押(なげし)がない場合も多いので、小さなフォトフレームに入れて飾ることも問題ありません。
遺影写真の処分方法とは
葬儀の際に使用した大きなサイズの遺影写真を自宅に飾る場所がない場合には、処分をすること自体はNGではありません。
遺影写真には、仏教・キリスト教・神道ともに宗教上の意味が込められているわけではないため、通常のごみとして処分することが問題ない、と言われているゆえんです。
とはいえ、遺族の心境として、故人の写真をごみとして捨てることには抵抗があると思います。
その場合にはお寺や神社で供養してもらった上でお焚きあげしてもらうといいでしょう。
菩提寺がある場合には菩提寺にお願いできますし、菩提寺がない場合には葬儀の際に来てくださった僧侶のお寺や神社にお願いするといいでしょう。
生前に遺影写真を準備する方法とは?
もともと遺影写真は、故人の死を受けて遺族で写真を見て選択していました。
ところが、現在では「終活」を行う方も多くなっています。
そして、終活の一環として遺影写真を生前に準備することもマナー違反ではないとされています。
生前に遺影写真を用意することの最大のメリットは自分の好みの写真を用意できる、ということです。
それでは、生前に遺影写真を準備する方法を2つご紹介します。
フォトスタジオで撮影してもらう
フォトスタジオの活用と言うと、結婚式や子供の七五三など、慶事での利用を思い出す方も多いでしょう。
生前に遺影写真を撮影したいことを伝えれば撮影してもらうことが可能です。
慶事の際と同様、衣装のレンタルやメイクも依頼できるため、きれいなこだわりの1枚が撮影できます。
ただし、当然費用がかかるため、1万円〜2万円程度は必要になることを覚えておいてください。
自分で加工する
事前にとっておいた写真を自分で加工することも可能です。
この場合は遺影写真の費用を安く抑えることができます。
そして、それ以上に自分の思い入れのある場面での写真やお気に入りの写真を選択することができます。
思い出を重視したい方にとっては自分で加工した写真を用意することが非常に好ましい方法だと言えるでしょう。
まとめ
今回は遺影写真とはどのようなものか、遺影写真の選択方法、そして飾り方についてご紹介しました。
- 遺影写真とは、お通夜やお葬式の際に飾る故人の写真のこと
- 遺影写真は故人の在りし日の姿に近い写真を選択することが好ましい
- 遺影写真は正装でなくってもよく、笑顔であっても、カラーであってもかまわない
- 遺影写真は個人写真ではなく、集合写真から故人だけを切り抜いて使ってもかまわない
- 遺影写真は故人の写真にピントが合っているものを選ぶ
- 遺影写真ではできるだけ亡くなる直前の写真を選ぶ
- 遺影写真はカメラ目線の写真が好ましい
- 遺影写真は葬儀の際に式場の後方の方にも見えるように大きめのサイズのものを使用する
- 遺影写真の額縁は黒でなくてもかまわない
- 遺影写真は紙媒体ではなく、ディスプレイやスクリーンを用いてもかまわない
- 遺影写真は、葬儀後、四十九日までは、ご遺骨や位牌と一緒に後飾り祭壇にご安置する
- 遺影写真は仏壇の近くや仏間に飾る
- 仏間がない場合は、床の間やリビング、寝室などに飾る
- 遺影写真を自宅に飾る場所がない場合には、一般ごみとして処分してもかまわない
- 故人の写真をごみとして捨てることには抵抗がある場合にはお寺や神社で供養してもらった家でお焚きあげしてもらう
- 生前に遺影写真を用意することのメリットは自分の好みの写真を用意できる点
- 生前に遺影写真を用意する方法はフォトスタジオで撮影してもらう方法と自分で加工する方法
遺影写真は故人のことを考えることのできる貴重な品です。
自分自身で選択する場合も、遺族が選択する場合も、故人らしい1枚が選択できることを願っています。
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