2014.04.19「4つの命の行き先」

おくりびとからのメッセージ

武田
武田

さあ、今日はどんな話ですか?

篠原
篠原

本日は、「命の行き先」について。

武田
武田

難しいね~、命の行き先。

篠原
篠原

誰しも、いつか死ぬ日というのが来るわけですけれど、初めてそれを知ったのは、いつでしたかね。

武田
武田

まぁ、子供の頃に知るだろうけど。小学校、低学年くらいかなぁ?死なんて、全然考えなかったもんね。

篠原
篠原

私が1番強く死を自覚したのは、父親が亡くなったときでして。

武田
武田

中学時代か。

私も、中学1年のときにおばあちゃんが亡くなって、そこに立ち会ったてさ、「あ、人ってこうなるんだな。」って、そのときに明確に意識しましたね。

篠原
篠原

やはり、身近なところで死に触れる機会があると、意識しますよね。

人間も動物ですが、動物は自分が死ぬと理解して生きてますよね。死というのは怖いもので、それから逃れられないってことも知っているわけで。

武田
武田

死っていうのは、平等だからね。

篠原
篠原

やはり、身近なところで死に触れる機会があると、意識しますよね。

人間も動物ですが、動物は自分が死ぬと理解して生きてますよね。死というのは怖いもので、それから逃れられないってことも知っているわけで。そして、自分はいつか死ぬ存在であると。

武田
武田

そうですね。

篠原
篠原

この問題について、2000年前から、それこそ有史が始まった頃から人類がずっと悩んでいて。長きに亘って命の行き先というのが、人類の問題というか、課題だったんです。

実は、命の行き先として古くから語り継がれてきた、4つの行き先というか、考え方というのがありまして。

武田
武田

興味深いね。どういうものなんですか?

篠原
篠原

まず1つ目は、「不死」という考え方なんですね。

武田
武田

死なないという考え方。

篠原
篠原

死が恐怖をもたらすものという認識に対して、死の捉え方で「不死」という考え方がありまして。

例えば、ヨーロッパの歴史書などに必ず登場してくるのが、若返りの泉などの、不老不死の願望を叶えてくれる存在。不老の薬や若返りの薬などなど。中国でも、非常に様々な漢方薬のそういった効能がうたわれているものがありますね。そういった、死の恐怖から逃れる一つの考えとして、不死という考え方があって。

武田
武田

なるほど。日本の昔話で言う、竹取物語みたいなものですね。実は、富士山も不死の山って言われているんですよね。こういったものも同じ発想ですよね。

篠原
篠原

日本国内にも、不死にまつわる話が様々ありますよね。

現代ではそんなことあるわけないと思うかも知れないですが、僅か100年ほど前に、ホルモンという物質が発見されて、発見された当時は「あ、これで人類はもう歳をとらなくてすむぞ!」「これで老化しなくてすむ!」と、本当に信じられていたんですよね。

武田
武田

そんなことありましたよねぇ(笑)

篠原
篠原

また、最近では「ナノテクノロジー」と言葉を言い換えて、STAP細胞とかで話題を集めていますよね。

武田
武田

そうですね。

篠原
篠原

つまり、現在も不老不死を願って、そういったものを信じている人がいるということですよね。だから、数千年前から現在においても、不死という死から逃れる力が働いているんです。

武田
武田

なるほど。

篠原
篠原

そして2つ目、これは復活でして。

武田
武田

キリスト教の考え方ですね。

篠原
篠原

その通りです。人類史上、生き返った方というのがいるわけですが、その中の一人が、イエスキリストで。

武田
武田

そうですよね。

篠原
篠原

キリスト教以外でも、日本人にとって代表的な復活で、生まれ変わるという考えの「転生」がありますよね。

武田
武田

確かに、ありますね。

篠原
篠原

他にも、古代エジプトの頃、新たに復活したり、生まれ変わるという意味で作られた、ミイラというものがあります。これも、ある意味では復活の為の儀式だったわけです。

武田
武田

うん。

篠原
篠原

で、実は、その頃から今日現在も語り継がれている形というのがありまして、冷凍保存なんですよね。

武田
武田

なるほど。

篠原
篠原

時代では治せない病が、将来治せるようになるのではないかという考えがあって。

武田
武田

治るようになってるんじゃない?実際に、冷凍保存をやっている方っていらっしゃるよね。

篠原
篠原

あまり公には公表されない話ではありますが、事例というのは捜すといくつか出てきますね。

武田
武田

そうですよね。

篠原
篠原

捜しても見えない範囲というものもあると思います。資産家や宗教上の偉人とか、後世に遺すべき人だという人の、細胞の一部を保存したり。そういったことが、今日現在も行われているのではないかと思いますね。

武田
武田

なるほど。その細胞から、再生させようってわけだな。

篠原
篠原

そういった期待を持っている方っていると思います。死への恐怖から逃れる方法として、復活という考えもあるということでした。

そして3つ目なんですが、肉体というのは、割と早く腐敗してしまうという、亡くなってしまったら腐敗を止めようがないというのが、早い段階から分かるわけですよね。

武田
武田

はい。

篠原
篠原

そこで、「魂」という概念が出てきます。体は亡くなると無くなってしまうけれど、魂として生き続けるという考え方があります。実はこの考え方、日本人にとっては親しみのあるものなんです。何故かと言うと、神道のお葬式は「洗礼祭」と言いまして、お葬式の中心は御霊写しなんですね。

武田
武田

御霊写しってよく言うもんね。

篠原
篠原

長い間お世話になった体を大地へと還し、魂は霊璽に移して差し上げて、永久に見守っていただきたいという願いで神上げのお祭りをします。このような、魂の存在というのが世界各地で協議の中心になっていまして。

武田
武田

なるほど。

篠原
篠原

一般的には、魂があるという考えが共通認識であると思うのですが、イスラムの世界では「解脱」という考え方がありまして。

武田
武田

よく聞きますよね。

篠原
篠原

その考え方でいくと、体自体が生命の枷であると。命として縛っているものだという。そして、枷を外し、魂として開放される。これも魂であり、御霊思考の別の形と言えますね。

例えば、「アバター」という映画を観たことはありますか?

武田
武田

ありましたね。

篠原
篠原

あの映画の主人公は車椅子で生活していますが、意識として、転送した先では凄い活発に動ける超人的なキャラクターであったり。

日本でも、ゴースト・イン・ザ・シェルといった、攻殻機動隊というアニメーションがあるのですが、これは人間の記憶や意思を金属生命体に移せないだろうかという、SFアニメです。

武田
武田

なるほど。

篠原
篠原

実際にこういったことが実現化するだろうと信じている人がたくさんいて、研究もされていると思いますが。

武田
武田

発想としては、2001年宇宙の旅のモノリスと同じだな。

篠原
篠原

そうですね。肉体から最後離れていって、という。

では、最後の4つ目なんですが、死からの開放という意味で「、遺作」とか「遺産」という考え方がありまして。

武田
武田

ええ。

篠原
篠原

冒頭から、不死、老化しないというところから、復活、魂、命の先のお話をしましたが、例えば、思いを込めて作った美術品、彫刻、工芸品、そこに命を見出すといいますか。

武田
武田

なるほど。

篠原
篠原

作品以外でも、ある意味では自分の子孫、子供もそうですね。例えば、大きな母集団の中の日本人の中に、自分の教えが永遠と続いていくんだと考える。そういう思考のパターンも入るそうですが。

昨今の話でいけば、遺伝子データとして残すとか。自分の生きた記憶を、生き続ける何かに託して、死への恐怖と向き合っていくという。

武田
武田

まぁ、遺産なんて話聞くとさ、自分の子孫をつくるということも、生き続ける1つ。じゃないのかね。

篠原
篠原

姿形を変えつつも、自分がそこで生き続けるわけですよね。

武田
武田

でも、これだけ長寿社会になりますと、どういう死を迎えるんだろうかって考えちゃいますよね。これからこういった死について考えることがクローズアップされてくるんじゃないでしょうか。

篠原
篠原

体験する機会も増えていきますから、そうなってくると思います。ただ1つ残念な事があって、自宅葬があった頃は、子供たちが死に触れる機会ってたくさんあって、ある意味では教育的な側面もあったのですが。

武田
武田

ありましたねぇ。

篠原
篠原

現在はセンターやホールで葬儀を行うようになって、子供からしたら、昔と比べると、死というのが遠のいた存在になったのではないかと感じますね。

上の世代は、結構頻繁に呼ばれたりしますから、逆に近く感じる方もいるかも知れませんが。

武田
武田

でもさ、以前と違って、死ぬ作法なんていう言葉も出てくるような世の中ですから。死を身近に感じるというのも、ある意味ではいい側面もあると思いますがね。

篠原
篠原

死を意識して生きることも、大事なことだと思います。

武田
武田

はい。本日は、命の行方が4つあるというお話でした。こういうことも、時には考える必要があるのではないかということで。お話しいただき、ありがとうございました!

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